英・人気レシピ動画メディア、ポップアップバーをオープン:「ツイステッド」の目論見

Facebookのフードチャンネルとして産声を上げたツイステッド(Twisted)が、10月にポップアップバー「ツイステッド・バー・ポップアップ(Twisted Bar Pop-Up)」をオープンする。その目的は、オフラインエクスペリエンスの探求だ。ツイステッド・バー・ポップアップでは、Facebookでもっとも視聴されているレシピ動画にもとづく、14種類ほどのカクテルを楽しむことができる。

これに先立ち、同社は昨年、フードデリバリーサービス「ツイステッド・ロンドン(Twisted London)」をローンチしている。2番目となるサービス拠点も来年早々にロンドンのキングスクロスでローンチすることが決まっている。ツイステッドが手がける料理本の第2弾も2019年春に発売される。

アナリティクス企業のチューブラー・ラボ(Tubular Labs)によれば、ツイステッドのFacebookチャンネルは8月に約1億3700万回の視聴回数を達成、同社のカクテルチャンネル「ツイステッド・バー(Twisted Bar)」の視聴回数は860万回だという。とはいえ、いまのところまだ、Facebook動画の視聴から利益を得るには至っていないようだ。

「マージンは二の次」

オフラインビジネスは現在のところ小規模であるが、ツイステッドの親会社であるジャングル・クリエーションズ(Jungle Creations)は、それを大きくするという野望を抱いている。計画では、2019年末までに、さらに8つのデリバリーサービス拠点をロンドン市内にオープンすることになっている。ジャングル・クリエーションズの今年の売上は、ブランデッドコンテンツとトランザクション、プラットフォームを合わせて、1800万ポンド(約26.7億円)に達すると予想されている。ジャングル・クリエーションズの最高経営責任者(CEO)であるジェイミー・ボールディング氏によれば、ツイステッド・ロンドンとポップアップバーからの売上は200万ポンド(約2.96億円)弱になる見込みだという。

「その主な目的は、オンラインエクスペリエンスを離れたところでの、オーディエンスとの交流だ」と、ボールディング氏は語る。「これらのチェーンが大きな売上をもたらしてくれることはないだろうが、我々のブランドに正当性をもたらし、コミュニティを築いてくれている。一定の売上がある限り、マージンは二の次だ」。

ツイステッド・ロンドンには半径2マイル(約3.2キロメートル)以内の範囲にしか配達できないという制限があるため、利用者が足を運べるバーを持つことで、インタラクションの手段を拡大できると、ボールディング氏はいう。ツイステッド・バー・ポップアップのメニューには、クッキーズ・アンド・ホワイト・ロシアン(Cookies & Cream White Russian)やレモン・ドリズル・ジントニック(Lemon Drizzle G&T)、ブラック・フォレスト・ネグローニなどのカクテルが並ぶことになっている。

「我々が重視しているのは規模だ」と、ボールディング氏は語る。「ツイステッドが世界で成功するためには、我々の料理を食べてくれる人たちが必要だ」。

ブランデッドサービスも

BuzzFeedやテイストメイド(Tastemade)、カイラTV(Kyra TV)をはじめとする多くのソーシャルパブリッシャーにとっては、広告以外の手段で売上を伸ばすことが常に目標となってきた。ツイステッド・ロンドンとツイステッド・バーを有するジャングル・クリエーションズの場合、メニューに商品を掲載することによって、同社が提供するブランデッドコンテンツサービスを拡大できる。同パブリッシャーは現在、メディアとオフラインでのブランデッドコンテンツキャンペーンの展開について、ブランド4社と話し合いを行っている。うち2社は新規の顧客だ。

タイムアウト(Time Out)やレストランガイドのスクエアミール(Square Meal)などの企業は長年、広告主とメディアやオフラインで仕事をともにしてきたが、ブランドからの需要は大きくなりつつあるとマーケティングエージェンシーの360iヨーロッパ(360i Europe)でメディア部門を率いるジョン・トムソン氏はいう。

「サンプリングの効果は理解している。だが、来場者の90%が再び商品を購入すると見込まれるといったような統計データを結果報告で目にしても、来場者は100人だったということを知れば、がっかりすることになる」とトンプソン氏は語る。「重要なのは、ツイステッドなどの大手オンラインブランドには、イベントなどで規模の拡大を望む広告主をアシストする力があるということだ」。

ソーシャル主導の商品

調査から、若い世代ほど所有よりも体験を大切にしていることがわかっている。イベント開催には、メディア販売とは違ったスキルが要求される。ツイステッドは、メディアとマーケティングを重視するという姿勢を忠実に守り、可能な場合にはパートナーの力も借りている。たとえばポップアップバーは、ゼロからつくるのではなく、レストランの階下に設置される。また、オフラインの取り組みの告知にはソーシャルのルーツを活用しており、ツイステッド・ロンドンとツイステッド・バーのソーシャルチャンネルを使って、ポップアップバーのプロモーションを行っている。ツイステッド・ロンドンで一番人気の料理「ザ・マネー・ショット・バーガー(The Money Shot Burger)」は、ツイステッドの人気レシピ動画の最後に映っている、登場が待ち望まれているチーズへのオマージュだ。

「人々がシェアしたい、食べてみたいと思うのは、こういう料理だ。オーディエンスが買っているのは、ソーシャルが主導する商品だ」とボールディング氏は語る。「我が社の主な差別化要因は、データの流れが途絶えることはないということ、そして、それが我々に人々が何を食べたがっているかを教えてくれているということだ。ほかのレストランにはそれがない」。

Lucinda Southern (原文 / 訳:ガリレオ)