CNET、 コマース 収益が100%増加:消費者向け記事への注力で

CNETは、パソコンやヘッドホン、モバイル機器といった消費者向けのテクノロジーを専門とするデジタルネイティブパブリッシャーの先駆けだ。同社は昨年から、スマートドアベルやウェルネス商品といった新たなテクノロジーにスポットライトを当てている。また同社は2019年から社員を増やしており、コマースの収益は前年度から100%の増加を記録した。さらに2020年は、商品をおすすめするウェブサイトを拡張する計画を立てている。

CBSインタラクティブ(CBS Interactive)のCNETメディアグループでEVP兼ゼネラルマネージャーを務めるマーク・ラーキン氏によると、同社の2019年度第4四半期における小売パートナー企業への参照トラフィックは前年度比で94%増加したという。

「ここ5年でテクノロジーは垂直型から水平型へと変化を遂げた」と、ラーキン氏は語る。「全消費者の生活のあらゆる面に影響を及ぼし、生活を形作っている」。

「購入の意思決定のサポート」

CNETが新たに取り上げるようになった分野の例として、スマートホームと自動車関連のガジェットが挙げられる。ラーキン氏は、2019年にCNETの健康とウェルネス分野の記事が大幅に増えたとしている。とりわけ第4四半期は「睡眠不足な人に最適なプレゼント」や「健康な食生活のための最適なプレゼント」といったプレゼント選びのための記事が増えたという。

ラーキン氏は、記事の対象分野が広がったことで「読者が増えた」と語る。同社のサイトのオーディエンスは商品購入を考えている消費者が多く、「購入の意思決定のサポートをして、購入に結びついた」のだ。

CNETは世界でエディトリアル担当社員を150名抱えており、今年はこうしたニュースを報じるために、さらに人材を雇う予定だと、ラーキン氏は明かす。2019年の第4四半期では編集者2名が健康とウェルネス分野に配置転換され、2020年の同分野の記事作成を担当する予定だ。

訪問者数は減少ながら対策も

だが、2019年を通じてCNETのトラフィックは、ある重要な指標において若干の減少を見せた。コムスコア(Comscore)とシミラーウェブ(SimilarWeb)のいずれのデータでも、2019年のCNETのユニーク訪問者数は2018年から減少。シミラーウェブは、CNETの2019年における月間平均ユニーク訪問者数が平均で4650万人としている。これは2018年の同5300万人から12.2%の減少だ。コムスコアのデータでは、2018年11月のCNETのユニーク訪問者はおよそ5100万人、2019年11月は同4700万人となっており、こちらも8%の減少だ。

CNETの代表者はこれについて、2019年のサイバーマンデーが12月であったことを理由に挙げている。コムスコアの11月のデータには、クリスマスシーズン全体の影響が反映されていないというわけだ。コムスコアが2019年12月のデータの発表は1月15日以降となっている。CNETはAdobe Analyticsを使用しており、社内で分析したところ2019年第4四半期におけるサイトへのユニーク訪問者数は24%の増加が見られたという。

ラーキン氏は、2019年11月のCNETのパフォーマンスがそれほど芳しくなかったことを認めている。第4四半期といえばショッピングの書き入れ時だが、ラーキン氏はCNETは1年を通じてコマースの収益をあげられるよう取り組んでいると語る。とはいえ、同時期には小売業者による販売や取引が増えるため、社員はコンテンツの制作量を増やしているという。販売や取引について報じるため、CNETはスピードデスクを構成した。メンバーは、世界中のニュースルームから集められたエディトリアル担当社員だ。ラーキン氏は、彼らが通常業務から一時的に切り離されることになると語っている。この取り組みのおかげで、CNETはECの繁忙期においても検索ランクで高い位置をキープできたとのことだ。

ソーシャルメディア運用にも注力

また、CNETはソーシャルメディア全体でもコマースコンテンツ配信を増やしている。ソーシャルメディアのオーディエンスは商品購入を考えていない場合も多い。だがラーキン氏は、CNETのエコシステムに読者を取り込み、いずれ購入に結びつきうるという意味で、ソーシャルメディアからのトラフィックは価値が高いと語る。

市場調査と戦略アドバイス企業のロックウォーター(RockWater)の創業者クリス・アーウィン氏は、CNETについて、若い消費者が活用するソーシャルメディアなどのプラットフォーム全体で、戦略的にコンテンツ配信を行っていると称賛している。

シミラーウェブによれば、2019年12月の同社サイトのトラフィックのうち、ソーシャルメディアのリンクのクリックによるトラフィックは4%に過ぎなかった。だがアーウィン氏もラーキン氏も、ソーシャルメディアは読者のエンゲージメントを生み出し、CNETのリンクを経由したECの購買客になりうると口をそろえる。

「今後さらにテクノロジー商品が増えて若い世代に提供されるようになる。そんななかCNETは若い読者が集まるプラットフォームを用いたシンプルな方法で、対象範囲を広げられるだろう」とアーウィン氏は語る。コマース系パブリッシャーにとって、「若い消費者のコンテンツや買い物の嗜好に合わせることは重要」なのだ。

Kayleigh Barber(原文 / 訳:SI Japan)