食をテーマにしたビデオネットワーク「テイストメイド(Tastemade)」は、世界中にファンが存在する。実際、オーディエンスの70%以上は、アメリカ国外からだ。2016年、このビデオネットワークは、ローカライズチャンネルを通じ、さらなる世界展開を計画している。
アメリカでは、「Buzzfeed Food」を始め、「ポップシュガー(Popsugar)」「フードネットワーク(Food Network)」「BBC Food」「コスモポリタン(Cosmopolitan)」と、最近話題のメディアは必ずフードカテゴリーを運用している。それだけ、ネット上で食べ物、特に独創的なレシピに関する話題が大人気だ。そんななか、「テイストメイド」は動画のクオリティが高く、かつクリエイティブなレシピの紹介をすることでユーザーの心を掴んでいる。
このようなアメリカの状況と比べると、日本におけるフードコンテンツ競争は、まだ緩やかだろう。「テイストメイド」は、日本進出はしていないものの、今後のグローバル展開の重要なマーケットとして、その計画を着々と進めている。
食をテーマにしたビデオネットワーク「テイストメイド(Tastemade)」は、世界中にファンが存在する。実際、オーディエンスの70%以上は、アメリカ国外からだ。2016年、このビデオネットワークは、ローカライズチャンネルを通じ、さらなる世界展開を計画している。
アメリカでは、「Buzzfeed Food」を始め、「ポップシュガー(Popsugar)」「フードネットワーク(Food Network)」「BBC Food」「コスモポリタン(Cosmopolitan)」と、最近話題のメディアは必ずフードカテゴリーを運用している。それだけ、ネット上で食べ物、特に独創的なレシピに関する話題が大人気だ。そんななか、「テイストメイド」は動画のクオリティが高く、かつクリエイティブなレシピの紹介をすることでユーザーの心を掴んでいる。
このようなアメリカの状況と比べると、日本におけるフードコンテンツ競争は、まだ緩やかだろう。「テイストメイド」は、日本進出はしていないものの、今後のグローバル展開の重要なマーケットとして、その計画を着々と進めている。
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成長著しいブラジル版
2016年1月、「テイストメイド」は10億回以上の視聴を集めた。その数は、YouTubeやFacebook、インスタグラムやSnapchat(スナップチャット)、Apple TVなどのプラットフォームに配信された、すべてのコンテンツの視聴回数となる。
「テイストメイド」にとって、アメリカに次ぐ市場はブラジルだ。僅差で2位につけている。ビデオアナリティクス企業のチューブラーラボ(Tubular Labs)によると、2015年12月はFacebookの米版ページに4億3600万の視聴があった。一方、「テイストメイド・ブラジル(Tastemade Brasil)」のページには3億3400万の視聴と、大差がない。ブラジル版は、同月のFacebookのビデオ視聴トップ10入りした唯一の国際ページとなっていた。
2016年、「テイストメイド」は、日本やドイツ、スペイン語圏など10カ国のマーケットで成功を収めたいと考えている。
「この会社の創業時から、世界規模でビジネスチャンスがあると確信していた」と、共同創業者のラリー・フィッツギボン氏はいう。「我々は世界各地で、それぞれのマーケットとの関係を構築してきた。今後は、この関係性を活性化させることを視野に入れている」。
同社は、オーディエンスを発掘することの大きな手助けとなったディストリビューション戦略を採用することで、新しい市場での成長を計画している。
分散型で成功するコツ
たとえば、610万人のフォロワーがいるブラジル版のFacebookページは、旗艦(米版)ページと似ている。多くのビデオコンテンツは、地元料理を短い時間で紹介するレシピだ。しかも、そのビデオの製作クオリティは高く、料理は可能な限り食欲をそそらされるショットばかりだ。「テイストメイド」のコンテンツに1分以上のビデオはめったにない。
現在、インスタグラムにおいて米版のフォロワーは、47万8000人。ブラジル版のフォロワーは、15万4000人だ。両アカウントのコンテンツはとても類似していて、ビデオはさらに短く(15秒か、それ以下)、レシピにはキャプションがついている。2015年12月、インスタグラムにおいて、米版アカウントは70万6000の視聴を記録。ブラジル版アカウントは12万4000の視聴を記録していた(いずれもチューブラーによる)。
YouTube上のコンテンツは、ほかのプラットフォームとは、少し違いが見られる。ほかと比べて長尺な、フードや旅行、レシピなどのビデオをシリーズで配信しているのだ。2015年12月には、アメリカとブラジルの両チャンネルで、410万もの視聴を記録していた。
ブラジル版のアカウントは、視聴総数において相当数のパーセンテージを占めてはいるものの、「テイストメイド」は同国内に専用オフィスを設置していない。その代わり、50人のブラジル人ビデオクリエイターから成る「少数」グループが、コンテンツ制作やプログラムをポルトガル語チャンネル向けに行っている。共同創業者のスティーブン・キッド氏は、これまでにブラジルで十分な地位を確立できたため、2016年にはオフィス開設を検討しているという。
さらに進む世界展開
同氏によると、「テイストメイド」はブラジルで行った施策と同じものを、新たに進出予定の市場で実施する意向はないとのこと。「あのモデルは過去に成功を収めたし、我々は同じ戦略の再現を視野には入れている。しかし、市場はそれぞれ違うので、あらゆるやり方を検討したい」と、キッド氏は語った。
日本は次なる「テイストメイド」の進出先になっている。同社はすでに、Facebookとインスタグラムの日本版アカウントを開設。2017年にはYouTubeなどのプラットフォームでアカウントの追加をしたいという。
「テイストメイド」は、YouTubeやSnapchatの「ディスカバー(Discover)」、そして自社アプリ上での広告や複数のソーシャルプラットフォームでのシリーズ化したブランデッドコンテンツで収益を上げている。同社は、これらによってブラジルで拡大できたし、世界的に成長するに当たり、さらなる活用をしていきたいとキッド氏は話している。
プラットフォーム上で人材獲得
「テイストメイド」は、本国アメリカのアカウント上で、アメリカ国外の才能ある人材の活用を拡大し、世界的な成長戦略のひとつとしていくという。
たとえば、2015年後半に同社はブラジル人クリエイターのひとり、ダニエル・ノーチェ氏とコラボ。フードや旅行ビデオをSnapchatの「ディスカバー」向けに制作した。
また、「テイストメイド」の提携チャンネル、オーストラリアの「ボンダイ・ハーベスト(Bondi Harvest)」のガイ・ターランド氏は、2015年夏にオリジナルシリーズの「ソースド」(Sourced)の司会を担当。同氏は世界を旅し、古典的な料理の食材にもっとも合うソースを探す様子を紹介した。
「我々が獲得した若いオーディエンスは、フードや旅行の海外トピックに興味をもっている。それらのトピックは、我々の会社やネットワークの人々の才能を証明するものだ」と、フィッツギボン氏はコメントした。
Sahil Patel(原文 / 訳:南如水)
Images via Tastemade