「ナショナルジオグラフィック(National Geographic)」のSnapchat(スナップチャット)「ディスカバー」チャンネルをタップすると、野外で撮影された、野生動物やエキゾチックな環境について、たくさんの動画を見つけることができる。ナショナルジオグラフィック社がこうしたコンテンツを撮影するにあたって、プロデューサーとカメラマンを派遣するとき、これまでは横長に撮影することのみを考慮していれば良かった。
しかし、Snapchat「ディスカバー」における動画とソーシャル戦略が、ますます重要になってきたことで、こうした考え方はもはや意味をなさなくなっている。このプラットフォームに関する上層部からの指示では、同社の15名からなるデジタルビデオチームのプロデューサーたちと、特定のプロジェクトのために採用されたフリーランサーたちは、撮影映像がヨコにもタテにも使用される可能性があることを理解したうえで、現在は撮影を行っているという。
「ナショナルジオグラフィック(National Geographic)」のSnapchat(スナップチャット)「ディスカバー」チャンネルをタップすると、野外で撮影された、野生動物やエキゾチックな環境について、たくさんの動画を見つけることができる。ナショナルジオグラフィック社がこうしたコンテンツを撮影するにあたって、プロデューサーとカメラマンを派遣するとき、これまでは横長に撮影することのみを考慮していれば良かった。
しかし、Snapchat「ディスカバー」における動画とソーシャル戦略が、ますます重要になってきたことで、こうした考え方はもはや意味をなさなくなっている。このプラットフォームに関する上層部からの指示では、同社の15名からなるデジタルビデオチームのプロデューサーたちと、特定のプロジェクトのために採用されたフリーランサーたちは、撮影映像がヨコにもタテにも使用される可能性があることを理解したうえで、現在は撮影を行っているという。
「テレビはその背景として、何十年という視聴者行動の歴史をもっている。さまざまな番組が現れては消えるなか、その視聴者行動に関しては予想がついている」と、同社のデジタル動画ディレクター、ジェームズ・ウィリアムズ氏は語る。「Snapchatでの最大の課題は、視聴者行動が、我々がそれに適応しようとしているあいだにも、進化し続けているということだ」。
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タテ型へ対応するために
その課題を解決するために同社は、ウィリアムズ氏と連携して作業を行う、8名からなるSnapchatチームを新たに設けた。おおよそ20から45秒の長さで配信される、そのプラットフォームのためだけに、彼らは専念する。
「ディスカバー」が2015年初頭に導入されて以来の提携企業である、ナショナルジオグラフィック社。開始当初は3分間のヨコ型動画を配信していたが、うまく機能しなかった。そのため同年9月には、同社はタテ型動画へ完全に移行している。
「映画撮影技術の観点からいうと、私の母が愛犬のホームビデオを撮影するのと同じアスペクト比でコンテンツを制作すると、画像が広がったように見えてしまう」とウィリアムズ氏は語る。「しかし、オーディエンスは彼らが望むやり方で行動する。Snapchatでは、それがタテ型動画だということだ」。
「ナショナルジオグラフィック」の8名からなるSnapchatチームには、日々の更新を一緒に行う、専任の動画・編集・デザインのスペシャリストたちがいる。テレビ用の放映作品の再利用と、Snapchatのためだけに作成したコンテンツを組み合わせて、1日に10から12のコンテンツを更新。どの日も、同誌の「ディスカバー」チャンネルのコンテンツの少なくとも3つは動画だ。
「ナショナルジオグラフィック」のSnapchatチームの規模は、「フードネットワーク(Food Network)」や「ピープル(People)」とほぼ同じくらい。両社とも10名規模のチームを擁している。
すでに広告主も存在する
同チャネルはすでに収益源となっており、新しいタイプのコンテンツを試みるために、追加でスペシャリストを加える計画があると、ソーシャルメディア・バイスプレジデントのラジ・モディ氏はいう。「Snapchatが若いデモグラフィックに対応しているという事実、それは、我々が新たなオーディエンスに到達するための絶好の機会になる」。
モディ氏は、「ディスカバー」における「ナショナルジオグラフィック」の1日あたりのオーディエンス数について言及を避けた。一般的に「ディスカバー」パブリッシャーは、1日あたり20万から300万の視聴者数を獲得しているといわれいる。それは、Snapchatが明言する毎日の利用者数、1億5000万ユーザーのほんの一部だ。しかし、同誌はこのチャンネルで、過去にHulu(フールー)からポーランドスプリング(Poland Spring)に至る広告主と協業し、成功を収めている。
特に重点を置いているのは、毎日の更新に際して、もっとテーマを絞るということだ。たとえば、過去数カ月の間に世界海洋デー、アースデー、さらには世界ライオンデーをテーマにした更新を行っている。これらの動画に対して、スポンサーシップを販売しており、ダビドフ(Davidoff)が世界海洋デーに協賛し、Appleはアースデーに参加した。
新しいコンテンツ資産
戦地にいる従軍カメラマンや、動画プロデューサーとともに現在作成している動画は、タテ向き画面でも機能するため、「ナショナルジオグラフィック」は豊富な動画をSnapchat「ディスカバー」用に再利用できる。しかし、同チャネル向けにオリジナルのコンテンツを増やしていくことにも重点を当てているという。毎日、定期的にクイズを公開したり、「5つの事実(5 Facts)」「今日、学んだこと(Today, I Learned )」、そして「あなたはご存知でしたか?(Did You Know?)」といったシリーズを掲載しているのだ。
しかし、本来Snapchatのために意図されたコンテンツが、ほかのプラットフォームへの道筋を作っている。たとえば、現在「ナショナルジオグラフィック」は、この動画クイズシリーズを「ナショジオ・キッズ」へ配信することを検討しているという。
「自然、野生動物から科学探査に至る、『ナショナルジオグラフィック』が関連しているさまざまな種類のコンテンツについて考慮すれば、それは我々が自社ソーシャルメディアプラットフォームに対して監修できる、膨大な量のコンテンツになる」と、モディ氏は語る。