サードパーティCookieに対する規制は、着実に厳しくなっている。これは、日本のパブリッシャーにも少なからず影響を与えそうだ。2020年2月「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2020」に参加したパブリッシャー幹部43名に実施したアンケートの結果によると、約69%がその影響を感じているという。
サードパーティCookieに対する規制は、段階的に、しかし着実に厳しくなっていた。そこに、GoogleのChromeに関する発表が加わり、いよいよ本格的な廃止の期限が区切られた。
このCookie規制は、日本のパブリッシャーにも少なからず影響を与えそうだ。2020年2月「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2020」に参加したパブリッシャー幹部43名に実施したアンケートの結果によると、約69%がその影響を感じているという。
本記事では、そのアンケートの結果について、サマライズする。
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約69%がなにかしらの影響あり
Cookie規制に対する影響の度合いについての設問で、もっとも回答を集めたのは「影響は大きい」の33%だった。さらに、全体では約69%が「影響は想定の範囲内」以上と回答し、サードパーティCookieなき未来に対して、日本のパブリッシャーは大なり小なりなにかしらの影響を感じているようだ。
具体的な影響の内容としては、「法制面、技術面両方での課題」だけでなく、「広告入札競争が弱まる」という収益面について言及する回答が目立った。その一方で、Cookie規制によって、純広告への帰結を期待する声もあり、プログラマティック・ギャランティードやプライベートマーケットプレイス(PMP)などを通して、増収に繋げられる見込みを感じている企業もあるようだ。
約65%が具体策に未着手
サードパーティCookie規制における現状の対策についての設問では、全体の約65%が「情報収集に止まる」「一旦様子見」「何もしていない」と回答した。この結果から見ると、具体策に着手している日本のパブリッシャーは、まだまだ少ないようだ。
この設問について、寄せられた具体的なコメントは、次のようなものがあった。「広告主にとって魅力的なparty dateが何なのかコミュニケーションをとっていく必要があるが、なかなかアクションまで結びつかない」「GoogleのSandboxが3rd party cookieの代替になるか未知数」「具体的にどのようなことが発生するのか検証中」などなど。パブリッシャーにとっては未知数な部分が多いため、基本的にまだ、情報収集の段階なのだろう。
「具体的な対策に動き出している」パブリッシャーも約27%おり、「具体的な対策を実施済み」と回答したパブリッシャーもわずかではあるが2%存在した。
約87%が独自データを保持
続く、「ファーストパーティーデータの保有」に関する設問では、全体の約87%が多かれ少なかれ保有していると回答した。そんななかもっとも意見を集めたのは「保有している」が約66%、その後に「あまり保有していない」約17%、「十分に保有している」約5%と続いた。
サードパーティCookieの終焉はともかく、もとよりパブリッシャーはユーザーとの直接的なコミュニケーションに重きをおくようになっている。これまで以上に、メディアとファーストパーティーデータの価値が、より密接になっていくのだろう。
Written by 吉田 圭二