DIGIDAYリサーチ:自社プロダクト、宣伝を行うパブリッシャーはごくわずか

新たな収益源としてコマースに注力する動きが、パブリッシャーのあいだで拡大中だ。いまでは、パブリッシャーの43%がコマース事業から収益を得ているという。だが、ほとんどのパブリッシャーにとって、コマース事業が生み出す収益はごくわずかだ。

コマース収益よりさらに少ないのはリソースで、コマース製品の宣伝に使われるマーケティング予算はとりわけ少ない。マーケティング予算の25%以上をコマース製品の宣伝に費やしているのは、パブリッシャーのわずか16%だった。また、半分近い47%のパブリッシャーは予算がまったくないことが、米DIGIDAYが53名のパブリッシャー幹部を対象に行った調査で明らかになっている。

ポイント:

  • パブリッシャーのうち、マーケティング予算の4分の1以上を自社製品の宣伝に費やしている企業はわずか16%だった。
  • パブリッシャーの47%は、自社製品の宣伝にまったく費用をかけていない。

この調査は、5月にニューヨークで開催した「Digiday Hot Topic: Commerce for Publishers」イベントで実施したものだ。また、パブリッシャーのサブスクリプション事業は、パブリッシャーのコマース製品に含めていない。

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自社インベントリーを活用

パブリッシャーが、自社ブランドの製品の宣伝にマーケティング予算を使わなかったり、使う必要がないと判断したりするのには理由がある。ほとんどのパブリッシャーにとって、コマースはまだ実験的な取り組みなのだ。

また、パブリッシャーは、ほかのプラットフォームやパブリッシャーを利用して有料広告を出さなくても、自社の広告インベントリー(在庫)を使って製品を宣伝できる。広告市場が厳しさを増すなか、パブリッシャーがコマース戦略に惹かれている理由のひとつがこの点にあることは明らかだ。

コマース事業に乗り出したブランドのなかには、ロイヤルティの高いオーディエンスが新しい製品をすべて買ってくれるため、マーケティング予算を使う必要がないところもある。たとえば、メディア企業のソートカタログ(Thought Catalog)では、社内の専門チームが業務時間の半分を費やして、自社サイトに出している自社製品の広告の影響を測定している。ただし、コマース目的の広告インプレッションを獲得するにあたっては、バランスを取ることが問題となる。フューチャー(Future plc)の場合、自社のeコマース製品を大きく宣伝すると、自社が販売している広告のインプレッション数に悪影響が出たという。

アフィリエイトに予算投入

コマース事業にマーケティング予算を注ぎ込んでいるブランドの場合、その予算は主に、アフィリエイトコンテンツを宣伝する有料広告に使われている。有料広告を使ってオーディエンスを獲得する手法は、パブリッシャーにとって目新しいものではない。アフィリエイトコンテンツは、パブリッシャーのコマース収益にとってきわめて重要な存在なのだ。米DIGIDAYの別の調査では、パブリッシャーの半数以上が、eコマースのもっとも重要な収益源として、他の企業の製品を宣伝するアフィリエイト広告を挙げていた。

実際、デニス・パブリッシング(Dennis Publishing)は、オーディエンスを自社のコマースコンテンツに引き寄せることで、有料検索広告のパフォーマンスを高めている。また、BuzzFeedやビジネスインサイダー(Business Insider)は、コマースコンテンツを宣伝する広告をFacebook上で展開している。

Mark Weiss(原文 / 訳:ガリレオ)