サブスクリプションビジネスがはやっている。しかし、その構築は簡単ではない。「サブスクリプションとメンバーシップ」をテーマに8月に開催した「DIGIDAY HOT TOPIC」で、パブリッシャーに対して調査を行い、サブスクリプション製品を開発する際の大きな課題を聞いた。【※本記事は、一般読者の方にもnoteにて個別販売中(190円)です!】
広告を通さずにオーディエンスから直接収益を生み出そうというパブリッシャーが増えて、サブスクリプションがはやっている。しかし、サブスクリプションビジネスの構築は簡単ではない。パブリッシャーたちによると、人々がお金を払うような製品の考案や、コンバージョンを増やす方法など、基本的なところが一番の課題だという。
「サブスクリプションとメンバーシップ」をテーマに8月に開催した「DIGIDAY HOT TOPIC」で、パブリッシャーに対して調査を行い、サブスクリプション製品を開発する際の大きな課題を聞いたところ、オーディエンスから有料サブスクリプション契約へのコンバージョンという回答が63%、人々がお金を出す製品の開発という回答が42%あった。
オンラインには無料で入手できるコンテンツがあふれているため、多くのパブリッシャーは課金しようとするコンテンツの差別化に取り組んでいる。まず、コンテンツ以外にメリットや特典を組み合わせるという方法がある。コンテンツの無制限アクセスに加えて、たとえばインフォメーション(The Information)では、メンバー限定の電話会議やコメント機能を実験的に提供している。またバラエティー(Variety)では、特別な業界調査やイベントの割引を提供している。ほかにも、編集者との交流、インタラクティブなツール、Facebookグループ、視覚化したデータ、さらにはデジタルバトラー(執事)などが試されている。
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とはいえ、サブスクリプション製品を作っても、買ってもらえるわけでは必ずしもない。パブリッシャーたちはトラフィックを集めページビューを生み出すのには非常にたけているかもしれないが、サブスクリプションを購入してもらうには、別のスキルや考え方が必要なのだ。それまでなかったマーケティングやeコマースの機能や戦略を構築する必要があるし、そのための人材を見つけるのは簡単ではないと、多くのパブリッシャーが考えている。
また、別の課題として、実際のオーディエンスは考えていたよりもはるかに少ないという現実を受け入れるに至ったパブリッシャーも多い。Facebookからの大量のトラフィックに依存し、オーディエンスとの直接的なつながりやしっかりしたブランドの構築に苦戦していたパブリッシャーは、確立されたブランドやパブリッシャーなら通用するだろう方法で有料のサブスクリプション契約を集めようとしても、難しいことを思い知ることになるだろう。
Mark Weiss (原文 / 訳:ガリレオ)