組織、表現、共創など…いま日本のブランドが抱える課題:「DBL 2019 KYOTO」チャレンジボードより

ブランドがめざすべき未来、そこには新しい価値の模索が垣間見えた。

今回で3回目となる国内有数のブランド企業のエグゼクティブが参加した「DIGIDAY BRAND LEADERS 2019 KYOTO」。今回は「ブランドがめざすべき未来」をテーマに2日間にわたり京都で議論が繰り広げられた。また、本イベントにおけるインタラクティブなコンテンツのひとつ「The Digiday Challenge Board」では、ブランドがめざすべき未来に対して、現在抱えている課題を参加者全員にポストイットへ記入してもらい、ボードに添付して、共有してもらってた。

本記事では、セッション後に実施した個別取材で語ってもらった、それぞれが抱える課題の背景を紹介しよう。なお、読みやすさを重視し、少し編集を加えている。

パーソナライズへの注力

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多様化する価値感に対して、どのようにパーソナライズして、どのように情報を届けるか

「これまで競合を意識した商品開発というよりは自分たちで作りたいモノを作るスタンスでやってきた。徐々にファンも獲得できていったが、店舗販売をはじめたタイミングでアーリーアダプターたちが離れていった過去もあるので、今後はよりパーソナライズした商品提供、情報提供をどう実現していくのかが課題」(ブランド企業 経営層・役員クラス)

ブランドの一貫性と組織

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ブランドの一貫性を生み出すマーケティング組織の構築

「提供しているプロダクトごとにブランドマネージャー制を導入したいが、社内リソースが限られているので実現が出来ていないことが課題。同時に縦割りだけではなく横断的にも、自社ブランドに対して一貫性のあるマーケティング組織を構築していくためにどうしていくのか、今後は考えて行かなければいけない」(ブランド企業 マネージャー・ディレクタークラス)

インハウス化と広告代理店の役割

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広告代理店との関係

「ファーストパーティーデータを持つブランド企業の広告運用やデータ分析のインハウス化が今後一層進んだ場合、広告代理店の役割は変化していくことが想定される。具体的には広告運用をインハウス化することでブランドと広告代理店の関係は『運用』ではなく『枠の仕入れ』が軸になっていくと考えている。ブランドと広告代理店の関係について一度議論してみたい」(ブランド企業 リーダークラス)

表現の取り締まり

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行政に取り締まられないような広告表現

「プロダクトに対する表現の取り締まりが厳しくなっており、クリエイティブ表現に苦心してる。プロダクトごとにブランディングを推進してはいるが、コーポレートブランディングが不十分のため、会社としてのブランディングの推進が課題。また、自社のスタッフがお客様からどのように見られているのか、実は知らないことが多々ある。コーポレートブランディング実現のために、まずは社内から働きかけていく必要がある」(ブランド企業 課長・部長クラス)

コラボレーションによる共創

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動画やイベントなど、やりたいコトをもっと頼って欲しい

「いいコンテンツを作っていくには、いままで取り組んできたこと以外にも、やったことのない取り組みを増やしていくことが重要であり、その取り組みを増やすためにはコラボレーションによる共創を促進する必要があると考えている。『ブランドがめざすべき未来』を考えた場合、今後は企業間で垣根を作らずに積極的に協力関係を築いていきたい」(パブリッシャー マネージャー・ディレクタークラス)

イメージの払拭

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男性イメージの払拭

「主に男性向けのニッチなマーケットで戦っている我々においては、プロダクトのイメージが固定化する傾向が強いので、今後はリブランディングすることでターゲットの裾野を広げていきたい。新しいターゲットに向けたブランディングのためにまずは社内スタッフのブランドに対するマインド育成が重要であり、社内スタッフのマインド育成なくして、ブランディングは成り立たないと考えている」(ブランド企業 課長・部長クラス)

DX推進と組織改革

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全社DX推進・DX人材の育成

「社内でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のために、社内言語の共通化、役職に関わらずデジタルに対する意識の統一を目的に研修を実施している。ただ、社内のスタッフは記者が多いので、デジタル戦略人材へコンバート(変換)することは難しく課題も多い。事業戦略と人材戦略を同時に実施していくことが重要だと考えている」(パブリッシャー 課長・部長クラス)

なお、DBL 2019 KYOTOのラップアップ記事も公開している。そちらも合わせてご一読いただきたい。

Written by 吉田 圭二