アダム・スミス氏は、どんな内容がソーシャルメデイアで注目されるか、予測することができる。
「エコノミスト」のコミュニティ担当アシスタントエディターであるスミス氏は、合計2000万にのぼるソーシャルメディアのオーディエンスを管理するチームの運営に従事している。LGBT(性的マイノリティ)についての企業ポリシーのオンライン ディベートの管理人や、マリファナ摂取に関するTwitterでの投票結果の表の作成など、彼の仕事は様々だが、ひとつ言えるのは、スミス氏が「ソーシャルエンゲージメントの達人」であるということだ。これは、「エコノミスト」が、同誌のジャーナリズムを新しい読者に紹介する上で、役に立っている。
Digidayでは、スミス氏にとってのごく普通の1日を選び、どんなことをして過ごしたのか、シェアしてほしいと依頼した。以下が、「スミス氏の1日」を綴った日記である。
アダム・スミス氏は、どんな内容がソーシャルメディアで注目されるか予測できる。
「エコノミスト」のコミュニティ担当アシスタントエディターであるスミス氏は、合計2000万に上るソーシャルメディアのオーディエンスを管理するチームの運営に従事。LGBT(性的マイノリティ)についての企業ポリシーのオンラインディベートの管理人や、マリファナ摂取に関するTwitterでの投票結果の表の作成など、彼の仕事はさまざまだが、ひとつ言えるのは、スミス氏が「ソーシャルエンゲージメントの達人」であるということだ。
こうした活動を通して、「エコノミスト」のジャーナリズムは、新しい読者へ届けられているといえる。
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米DIGIDAYでは、同氏にとってのごく普通の1日を選び、どんなことをして過ごしたのか、シェアしてほしいと依頼した。以下が、「スミス氏の1日」を綴った日記である。
9:00am いつものように、自転車でメイフェアのオフィスに通勤。猛スピードでシティを通り抜け、オフィスに到着すると、疲れた足で自分のデスクに着席する。金曜日に仕事を終えてから受信した20件から30件のメールに数分で目を通す。何件かは香港勤務の同僚、キャロリン・カーターからのものだ。彼女が帰宅する前に急いで返信しなければ。このグローバルチームは、ロンドンに8人、香港にひとり、ワシントンDCにひとりという構成になっている。それから、コミュニティ副編のデニス・ローとチャット。10時になるとみんな集まり騒がしくなるが、いまはその前の静かなひとときだ。
週末、パフォーマンスがよかったコンテンツについて、デニスがチームにメールで非公式の報告をする。巨大重力波トピックと「エコノミスト」引用イメージ(例の赤いやつ)のフォトアルバムの評判が良かったようだ(記事そのものは、宇宙関連の話題)。過去2週間くらいで、もっとも人気があった @TheEconomist からのツイートをさっと見直し、いくつかをリサイクルする。現在、一番人気は、業績不振Twitterの立て直しに苦戦しているジャック・ドーシーの記事だ。
10:00am 最新のディベートプロジェクトに取り掛かる。今回のテーマは、LGBT権利の拡張に企業が果たすべき役割について。ディベートプラットフォームは、自分の担当プロジェクトだ。モデレータ(管理人)をやっているので、当然、ソーシャルメディアの反応がすごく気になる。「エコノミスト」では、2カ月に1度くらいの頻度で、社会・政治経済の時事問題について、ふたりの論客に議論を行ってもらっている。そして、ソーシャルメディアのオーディエンスに、どちらの論陣が優勢か投票してもらうのだ。
今朝はディベートへのコメントと反論ステートメントを編集したものを校正に出してから、編集主任に送信する。これは全部今日中に承認を取り付け、公開してソーシャルメディアにも流さなければならない。
11:15am オフィス最上階の部屋に60人が詰め、今週号についての編集会議が行われる。編集長のザニー・ミントン・ベッドスがいつも議長を務めるが、頑固なメンバーが多いので、まとめ役はたいへんだ。セクション編集者たちが、今週号に入れる内容を売り込み、その後、見出しや、トピックに関して、メディアとして我々が取るべき立場について、1時間ほど議論が行われる。
毎週木曜日、今週号がオンラインに出ると、チームメンバーで記事を割り振り、コンテンツをソーシャルネットワークに流しはじめる。
0:30pm 「エコノミスト」は、Facebookに600万のファンがいる。「エコノミスト フィルムシリーズ」を世に出す上で、非常に重要なオーディエンスだ。「エコノミスト フィルムシリーズ」で、何百万という閲覧があった人気動画は、医師による自死の幇助を希望する24歳、エミリーの動画(下に掲載)と、世界で何カ国が麻薬規制を緩和したかを扱ったものだ。最新のフィルム、「フューチャーワークス(Future Works)」では、未来のお話みたいだけど、現在、実際に従事している人がいる仕事を特集している。たとえば、何百万も稼ぐオンライン ゲーマーのプロとか、ドローンを使って密猟者を捕まえるパークレンジャーなどだ。
ここでちょっと散歩に出る。ときどき、メイフェアのストリートで、シャーロックホームズがかぶっていそうな帽子を売っている古色蒼然としたショップを冷やかしたり、グリーンパークの木陰を散歩することもある。
1:30pm:チームメンバーから、TwitterとFacebook用の原稿が続々と上がってきた。新しくオンラインにアップした記事と、印刷版の記事の宣伝に使う投稿だ。最初に、英国&欧州関連の記事用にルキア・ギフトプルが書いたコピーを見る。チェックして、歯切れよくなるように手を入れてから、ルキアに編集の校閲に回すよう指示する。ソーシャルメディアで使うコピーも、記事の内容と論調にあっているか、編集部にチェックしてもらうことになっているのだ。
3:00pm:@TheEconomist で、例のディベートに関するツイートが流れ始めた。@TheEconomist には、1290万のフォロワーがいる。今週は、トピックがトピックだけに、ヘイトスピーチも多いが、多くの人々は真面目に議論に参加している。ゲイであることをカミングアウトしたアスリートとのスポンサー契約を破棄しないというアディダス(Adidas)のことを持ち出した人もいたし、LGBTが病的なものと示唆(根拠の提示なし)した人もいる。
4:00pm:1日の最後の2時間は、今度のニューヨーク出張の計画に費やす。ニューヨークの局員に会い、昨年9月に本格的に始動したばかりの、ソーシャルメディア編集チームの仕事について話をする予定だ。それから、3月3日に開催される、「エコノミスト」イベントチームの「Pride & Prejudice」コンファレンスでは、ライブツイートをすることになっている。グローバルイベントなので、香港バージョン担当のキャロリン・カーターや、ロンドンをカバーするジェニー・リードとも調整しなければならない。6時に退社。所定の勤務時間を守るのは、けっこう得意だ。それに、今夜はルームメートと友達に夕食を作ることになっているから、もう行かないと。
Lucinda Southern(原文 / 訳:片岡直子)
Image courtesy of The Economist