米・女性メディア「C&C」が、ターゲットと提携した理由:独自商品の販売収益を全体の20%に

女性のキャリア育成をメイントピックにする、イベントおよびメディア企業のクリエイト&カルティベイト(Create & Cultivate: 以下C&C)は、ターゲット(Target)の店舗でオフィス用品16品の販売を開始した。同社にとって、ブランド製品の販売はこれが初となる。

同製品は、オフィス用品メーカーのアットアグランス(At-A-Glance)とライセンス契約を結んで開発された。アットアグランスはC&Cのブランド名を商品に使用する代わりにライセンス料を支払う仕組みだ。アットアグランスはカレンダーやノート、手帳などの製品開発段階でコンサルタントとして参加している。

C&Cはカンファレンスやデジタルメディアのウェブサイト、予約、広告つきポッドキャスト番組などから収益をあげている。今年同社は設立から6年で、フルタイムの従業員は23人、収益は1300万ドル(約14億円)に迫る。創設者でCEOのジャクリン・ジョンソン氏は、来年末までに商品部門の収益を全体の10から20%にまで引き上げることを目標にしていると語る。

「今回の提携は、非常に大規模なものとして今後の主要な収益源になりうるという、とても強い予感がある」と、ジョンソン氏。

C&Cの主要オーディエンスは働く女性と事業主であり、ジョンソン氏はカスタマーがビジネス関連のコストを重視する層であることから、商品価格を20ドル(約2100円)以下に抑えた。

コラボレーションの裏側

同社のオフィス用品を独占販売しているターゲットは、セレブやデザイナーとのコラボ経験が豊富だ。これまでもたとえばインテリアデザイナーのネイト・バーカス氏と提携して家庭用品を、クリッシー・テイゲン氏と提携して調理器具を、ビンヤード・バインズ(Vineyard Vines)と提携して限定販売の服を販売してきた。だが、C&Cのようなメディアブランドとの提携はこれまであまりなかった。

ジョンソン氏は、ターゲットでは基本的に独占販売となることは知っていたが、同社での販売にもともと興味があり、プロセスの初期段階で自らアプローチしたという。そして、実際にターゲットと提携して、販売はすべて同社のプラットフォームを通じて行うことになった。C&Cは10月に開催されるスモールビジネスサミット(Small Business Summit)でポップアップストアを出す計画を立てている。参加者は商品に実際に触れることができるが、やはりそこでも購入はiPadを使ってターゲットのプラットフォームから行う必要がある。

C&Cは、本件についてマーケティングに多額の先行投資を行っており、スモールビジネスサミットでのポップアップストア以外にも、ニュースレターやインハウスのウェブサイト広告、マイクロインフルエンサーおよびマクロインフルエンサーとの提携、インフルエンサーとのディナーなどを実施する。

ジョンソン氏によると、ノートや手帳のなかにはC&Cの紹介文が記載されたページがあり、ウェブサイトやソーシャルメディアについて取り上げることで、C&Cに馴染みのなかった人を誘導しようと試みているという。

また、この新しいオーディエンスを追跡するため、「当社のウェブサイトをどのように知ったか」を尋ねる同社ウェブサイトのポップアップアンケートで、「ターゲット」の選択肢が追加されている。

「再現可能なビジネスだが…」

製造企業と提携して同様の商品を作ることに興味があるメディア企業について、クォンタムメディア(Quantum Media)のプリンシパルのエイバ・シーブ氏は、「リスクは低く、利益が出る可能性もある」としている。

一方で同氏は、メディア企業は消費者から感情面でつながりを得にくい傾向があるため、ブランド名で商品が売れるかどうかを判断する製造企業の側に金銭面でリスクがあると指摘する。売れなかった場合、先行投資したぶん赤字が発生する恐れもある。

また、同氏は次のように予測している。「確かに再現可能なビジネスだ。だが参入に制限がないため、ある企業でうまくいった場合に次の企業は大量の商品のライセンスを提供しようとするかもしれない。多くの企業が追従すれば、いずれありふれたものになり、効果はなくなっていくだろう」。

Kayleigh Barber(原文 / 訳:SI Japan)