Web解析ツール「Chartbeat(チャートビート)」が、いま大手パブリッシャーの支持を集めている。サイト内におけるUX(ユーザー体験)を迅速に改善できる点が、ロイヤリティの獲得に寄与しているのだという。たった3カ月でリピーターが40%も増えた導入企業の事例から、Chartbeatが求められる理由を探る。
いま、ロイヤルティ(loyalty:忠誠心)の醸成は、パブリッシャーにとって喫緊の課題である。デジタル空間における分散化が進むなか、肝心なメディアブランドが喪失しつつあるからだ。記事の出自がどこであるかを気にしないオーディエンスは、想像以上に増えている。
そんななか、サイト内におけるUX(ユーザー体験)を迅速に改善でき、ロイヤルティの獲得に寄与するWeb解析ツールが「Chartbeat(チャートビート)」だ。すでに、フォーブス(Forbes)、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)、タイム(TIME)など、68カ国の700以上の会社に採用されており、2015年には日本進出も果たしている。国内においても、日本経済新聞、産経新聞、NHKそしてYahoo! JAPANといった大手パブリッシャーに導入されているという。
DIGIDAY[日本版]を運営する株式会社メディアジーンも、そんなパブリッシャーの1社だ。ライフスタイル系メディア、ルーミー(ROOMIE)では、この5月にChartbeatを導入。たった3カ月で全体のユーザー数に占めるリピーターの割合が約40%も増加した。
「Chartbeatを利用すれば、単純にPV(ページビュー)を増やすのではなく、メディアへの『愛着』を持ってもらえる」と、メディアジーンの事業推進部門担当執行役員を務める金沢大輔は語る。「ロイヤルティの醸成に大きく寄与している」。
「量」ではなく「質」を高める
Chartbeatが重視するのは、ユーザーやPVの数といった「量」ではなく、回遊率やリピートといった、ユーザーのエンゲージメント。つまりは、「質」だ。しかし、いまだにパブリッシャーの多くはPVをメディアグロースの重要な指標として考えていると、ChartbeatのCEO、ジョン・サロフ氏は指摘する。「PVで測ることができるのは、ユーザーの行動量であり、興味関心ではない。我々は量より質を重視しなければならない」。
たとえば、Chartbeatが有する、記事タイトルのABテストを簡単に実施できる機能「Headline Test(ヘッドラインテスト)」は、CTR(クリックスルー率)だけでなく、そのページがどれだけ「読まれている」かという評価軸で、クリエイティブ(記事タイトル)の検証を行える。メディアジーンの金沢は、「いくらCTRを高めることができても、すぐに離脱してしまうようでは、エンゲージメントの醸成には繋がらない」と語る。

Chartbeatにおける「Headline Test」の結果を示すグラフ
ルーミーでは、この機能を活用し、すべての記事に対して、記事タイトルのABテストを実施。編集部のスタッフ全員が、記事を公開する前に2通りのクリエイティブを用意し、一定期間検証した後、数値の良かったクリエイティブの方を採用しているという。同メディア編集長の野田翔は、「こうしたサイト内導線の最適化を地道に重ねたことが、リピーター数の向上に繋がった。サイト内の回遊を増やし、メディアに愛着を持ってもらえば、リピートも増え、メディアへのロイヤルティ向上に繋がることがわかった」と語る。
UXの最適化
また、コンテンツを扱うメディアには、記事の拡散により、一時的に多くのトラフィックが集まることがある。その際、Chartbeatを活用すれば、各ページ内の内部導線を迅速に最適化し、そこに集まったユーザーの回遊率を高めることができる。
ガジェット情報メディア、ギズモード・ジャパン(GIZMODO JAPAN)でも、特定の記事が拡散したときや、流入が増える時間帯を狙って、内部導線を最適化している。Chartbeatの機能を使い、関連記事リストのなかでもっともクリックが多い記事や、その記事への流入が多い参照元の性質に合った記事を、リストの最上部に差し替えているのだ。

関連記事リンク左下の数字が、そのページ中のクリックランキングを示すChartbeatの機能
「たとえば、ビジネス系メディアからのリファラルが多いときは、関連記事リストの上位を、それに近い内容の記事に差し替えたり、ユーザーが続けて読みたくなるようなものを選ぶようにしている」と、金沢は語る。このようにUXを最適化することで、瞬間的に増えた新規ユーザーの回遊率があがれば、リピートにも繋がるのだ。
直感的なインターフェイス
「Chartbeatの導入は、編集部がそれまで持っていた、データ活用への抵抗感を払拭する良いきっかけになった」と、野田は振り返る。もともとディレクターとしてルーミーに加わった野田によると、当時の編集部の雰囲気は、現在のようなデータドリブンな組織とは、ほど遠いものだったという。
「編集スタッフに、Chartbeatを使った施策についてはじめて説明したときは、あまり良い反応を得られなかった。ルーミーに限らず、多くの編集者は、データに対してハードルの高さを感じているのだと思う」。では、そんな状況下でもChartbeatが受け入れられたのはなぜか。その大きな要因は「直感的なUI(User Interface)」だ。たとえば、Chartbeatのダッシュボードでは、余計な画面遷移や読み込みが少なく、ひとつの画面で必要な情報がリアルタイム確認できるのだという。

Chartbeatのダッシュボード。参照元と流入数などが一目で確認できる(赤枠内)
「Google AnalyticsやほかのWeb解析ツールと比べ、リアルタイムで確認できる数値が多く、また読み込みが非常にスムーズ。操作に小難しさがないため、ツールに苦手意識があるスタッフでも、容易に扱うことができる」と、野田は語る。また、Chartbeatのサロフ氏も、「多くのWeb解析ツールは、コンテンツ制作責任者の視点に立っていない。しかし、Chartbeatのダッシュボードは、クリエイターが自らの仕事に集中できるように、シンプルな操作性を意識して作られている」と述べる。
「必要不可欠」な存在に
このように、国内のパブリッシャーからも受け入れられつつあるChartbeatだが、今後、日本のマーケットにおけるプレゼンスをさらに高めていくという。サロフ氏は「我々は、重要なグローバルマーケットとして3つの国を定めているが、日本はそのうちのひとつに入る」と意気込んだ。
また、サロフ氏は日本市場のユニークな点として、Yahoo! JAPANやSmartnews(スマートニュース)といった、ディストリビューターの存在を挙げる。日本のメディアのトラフィックの多くは、彼らを経由したものが多く、逆にFacebookが少ないのだそうだ。
「そういったユニークな業界構造への理解を深め、より日本市場に合ったサービスを提供する」と、サロフ氏は締めくくる。「日経、産経、NHK、Yahoo! JAPAN、時事通信、共同通信、などへの導入事例からも、Chartbeatが『Nice to have(あればよい)』な存在から、『Need to have(必要不可欠)』な存在として認められてきていることが伺える。グローバル市場同様、今後もその認識は広がっていくことを期待している」。
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