BuzzFeedは、ニュースフィードに最適な手作り料理やその他のソーシャルな動画で有名かもしれない。だが、最近は、YouTubeやFacebookなどのプラットフォーム向けのテレビ風のシリーズ番組に力を入れはじめている。さらに2019年には、そうしたコンテンツを20も制作する予定だという。
BuzzFeedは、ニュースフィードに最適な手作り料理やその他のソーシャルな動画で有名かもしれない。だが、最近は、YouTubeやFacebookなどのプラットフォーム向けのテレビ風のシリーズ番組に力を入れはじめている。さらに2019年には、そうしたコンテンツを20も制作する予定だという。
現在のBuzzFeedの人気番組のひとつである「ワース・イット(Worth It)」は、同じジャンルの価格帯が異なる3つの料理を司会者たちが食べ、どれが一番その値段に見合っているかを決めるという内容だ。番組は5シーズン目に入っており、BuzzFeedが提供したYouTubeの解析データによると、過去3カ月間にYouTubeで4530万回の動画視聴と3億2340万分の視聴時間を獲得した。さらに、「ワース・イット」の視聴者は平均して、通常1回15分のエピソードを月に5本以上視聴しているとBuzzFeedはいう。
BuzzFeedは、そうした人々はほかの番組のエピソードもひとつ以上視聴していると説明する。1回30分のエピソードで未解決の謎を扱う「アンソルブド(Unsolved)」を見ている人は、平均して月5エピソード以上を視聴すると、BuzzFeedの動画およびソーシャルメディア担当エグゼクティブディレクターであるメイシー・ティンポーン氏は話す。
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「YouTubeのエコシステムでは、ユーザーは番組を発見して見はじめることができたら、その虜となり、複数のエピソードを視聴する」と、ティンポーン氏はいう。「我々はそうした行動を奨励し、彼らが本当に欲していると示すものを提供したいと思っている」。
「できる限り最高のリテンションを」
そのために、BuzzFeedは「テイスティ(Tasty)」「ニフティ(Nifty)」「BuzzFeedアニメーション」、そしてラテンアメリカ系視聴者をターゲットにした「ペロ・ライク(Pero Like)」など、9つのメインバーティカルのそれぞれを対象に動画シリーズを制作することに焦点を絞っている。
番組のいくつかはすでに開始されている。たとえば、BuzzFeedのゲーミングバーティカルである「マルチプレイヤー(Multiplayer)」向けに開始した動画シリーズ「ザ・100-ベイビー・チャレンジ(The 100-Baby Challenge)」は、ホストのケルシー・インピッチッチ氏が、ゲーム「シムズ(Sims)」で、できるだけ少ない世代で100人を生み出すことに挑戦する。1回30分、18エピソードからなるこのシリーズは、2018年12月の公開以来、YouTubeでの視聴時間が合計10億分に達しようとしていると、BuzzFeedはいう。番組の平均視聴時間は1エピソードあたり13分になる。
BuzzFeedは、YouTube向けの長編シリーズにばかり焦点を絞っているわけではないと、ティンポーン氏は語る。1エピソードが3~5分の短編フォーマットの番組もまだ制作しているという。だが、より長い時間が必要なフォーマットの番組があれば、BuzzFeedはそれに対応するだろう。
「我々は、我々にできる最高のコンテンツを作り、できうる限り最高のリテンションを得たいと思っている――だが、それは、我々が延々と続くエピソードを作りたいと考えているということではない」と、ティンポーン氏は話す。
プラットフォームごとの作り分け
BuzzFeedのシリーズ番組にとって、YouTubeは主要プラットフォームであり続けている。YouTubeにはスケールがあり、人々が長い時間を見て過ごす番組に報酬を与えるからだ。だが、BuzzFeedは、ほかのプラットフォーム向けの番組制作も手がけている。BuzzFeedの朝の番組「AM to DM」は2019年になってからTwitterによってリニューアルされている。
BuzzFeedは、FacebookのWatch(ウォッチ)で、パブリッシャーや著名なインフルエンサーが制作した番組向けの資金支援プログラムの一環として、4つのシリーズを制作しており、それらには、「アズ/イズ(As/Is)」バーティカル向けの「ヘアー・フリック(Hair Flick)」、テイスティ向けの「エディブル・ヒストリー(Edible History)」、「ザ・グッド・アドバイス・カップケーキ・ショウ(The Good Advice Cupcake Show)」というアニメーションシリーズ、ペロ・ライク向けの「ミ・キンセニエラ・カム・トゥルー(Mi Quinceañera Come True)」がある。番組の制作資金はFacebookが出しているが、知的財産権はBuzzFeedが保持し続けている。
BuzzFeedはさらに、YouTube、Facebook、Snapchat(スナップチャット)での単独シリーズの配信も増やしている。たとえばワース・イットはYouTubeとFacebookで流されているが、BuzzFeedはSnapchat向けの短縮バージョンも制作している。BuzzFeedは他のYouTubeシリーズについても同じ取り組みを進めるつもりだ、とティンポーン氏はいう。
ティンポーン氏は、「(FacebookやSnapでオーディエンスの過度の繰り返し視聴が)YouTubeで目にしているような範囲で起こるとは思わない。だが、そうしたプラットフォームも、ある種の行動がより自然に起こるように、変化しつつある」と語る。
出演者は視聴者目線でセレクト
BuzzFeedでは、自社で育成するスターはもちろん、ユーチューバーのハナー・ハートなど外部のスターの両方のタレントを中心にしたものと、アイデンティティに焦点を当てたものをシリーズ番組のメインに据えている。たとえばペロ・ライクは、ラテン系コミュニティをターゲットにしており、Facebook、YouTube、インスタグラム(Instagram)に360万人以上のフォロワーを抱えている。マルチプレイヤーは女性ゲーマーを対象にしており、YouTubeには960万人の利用登録者がいる。
「こうした番組の制作者と話をすれば、子どもの頃、従来型のテレビを見ていても、見ている番組のなかに自分たちを投影することはなかったというだろう。我々は彼らにチャンスを与えたいと思っていて、人々はそれに反応している」と、ティンポーン氏は語った。
Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)