BuzzFeedは今、利益改善にフォーカスを当てている。そうしたなかで、固定費を増やさずに短尺動画のアウトプットを増やすため、外部のコンテンツクリエーターとのコラボレーションを増やしている。
「私たちがやりたかったことは、外部の人々ともっと働けるようなビジネス構造を作ることだ」と、BuzzFeedのエディトリアル担当シニアバイスプレジデントであるジェス・プロバス氏は言い、「そこで主に重要なのは財政的な柔軟性と、クリエーターにとってのクリエイティブな柔軟性だ」と続ける。
BuzzFeedは現在、そのクリエータープログラムの一環として170人のクリエーターとコラボレーションをしており、これは去年の同時期よりも70人増えている。
クリエイターの雇い方を変える
プロバス氏によれば、契約ベースでより多くのクリエーターを雇うことで、BuzzFeedはより柔軟で効率的なコスト構造を持つことができるという。クリエーターをフルタイムの従業員として雇うよりも安いからだ。「このプログラムが2018年に始まったときは、フルタイムの社員として雇う形式が取られていた」と同氏は語る。なお、BuzzFeedは、現在の戦略によってどれだけの費用を節約しているか、またクリエーターとの契約についての財務詳細を公開することを拒否した。
同社は、ソーシャルプラットフォーム上でのクリエーター主導の動画に付く広告と、広告主とのブランドスポンサーシップ契約から利益を得ている。クリエーター主導のコンテンツからどれだけの利益を稼いでいるかは公開していないが、プロバス氏は「クリエーターとのコラボレーションにはさまざまな形態がある」と話す。公式のクリエータープログラムから、フルタイム、フリーランス、パートタイム、プロジェクトベース、契約、委託、タレントの契約に至るまでだ。また、一回限りの取引から、6カ月から1年続く長期契約に至るまで、契約期間にも幅がある。
「私たちのクリエータープログラムが2018年に始まった時は、ほとんどのクリエーターがすべてフルタイムの従業員だった。この点は今と比べての最大の変化だ。(フルタイムとして雇うことは)会社が起用するクリエーターの数を制限する。一時に、会社が抱えられるスタッフは限られている」とプロバス氏は言う。なお、同氏はフルタイムの従業員としてクリエーターを雇うのではなく、契約クリエーターを雇うことでどれだけのお金が節約されているかについては言及しなかった。
匿名を条件に内情を語ってくれたメディアエグゼクティブの一人は、成功しているフリーランスのクリエーターに短編動画コンテンツを制作させる費用は、「フルタイムの従業員の給料とそれほど違わない」と述べている。しかしながら、フルタイム従業員を雇うことのデメリットを、こう分析する。
BuzzFeedは今、利益改善にフォーカスを当てている。そうしたなかで、固定費を増やさずに短尺動画のアウトプットを増やすため、外部のコンテンツクリエーターとのコラボレーションを増やしている。
「私たちがやりたかったことは、外部の人々ともっと働けるようなビジネス構造を作ることだ」と、BuzzFeedのエディトリアル担当シニアバイスプレジデントであるジェス・プロバス氏は言い、「そこで主に重要なのは財政的な柔軟性と、クリエーターにとってのクリエイティブな柔軟性だ」と続ける。
BuzzFeedは現在、そのクリエータープログラムの一環として170人のクリエーターとコラボレーションをしており、これは去年の同時期よりも70人増えている。
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クリエイターの雇い方を変える
プロバス氏によれば、契約ベースでより多くのクリエーターを雇うことで、BuzzFeedはより柔軟で効率的なコスト構造を持つことができるという。クリエーターをフルタイムの従業員として雇うよりも安いからだ。「このプログラムが2018年に始まったときは、フルタイムの社員として雇う形式が取られていた」と同氏は語る。なお、BuzzFeedは、現在の戦略によってどれだけの費用を節約しているか、またクリエーターとの契約についての財務詳細を公開することを拒否した。
同社は、ソーシャルプラットフォーム上でのクリエーター主導の動画に付く広告と、広告主とのブランドスポンサーシップ契約から利益を得ている。クリエーター主導のコンテンツからどれだけの利益を稼いでいるかは公開していないが、プロバス氏は「クリエーターとのコラボレーションにはさまざまな形態がある」と話す。公式のクリエータープログラムから、フルタイム、フリーランス、パートタイム、プロジェクトベース、契約、委託、タレントの契約に至るまでだ。また、一回限りの取引から、6カ月から1年続く長期契約に至るまで、契約期間にも幅がある。
「私たちのクリエータープログラムが2018年に始まった時は、ほとんどのクリエーターがすべてフルタイムの従業員だった。この点は今と比べての最大の変化だ。(フルタイムとして雇うことは)会社が起用するクリエーターの数を制限する。一時に、会社が抱えられるスタッフは限られている」とプロバス氏は言う。なお、同氏はフルタイムの従業員としてクリエーターを雇うのではなく、契約クリエーターを雇うことでどれだけのお金が節約されているかについては言及しなかった。
匿名を条件に内情を語ってくれたメディアエグゼクティブの一人は、成功しているフリーランスのクリエーターに短編動画コンテンツを制作させる費用は、「フルタイムの従業員の給料とそれほど違わない」と述べている。ただし、「フルタイムの従業員には、従業員1人あたり約15%の追加の事務経費が発生する」と、この人物は言う。
メディア企業がビジネス上の圧力や広告市場の弱体化により事務経費を削減する必要がある場合、(契約ベースでクリエーターを雇っている体制なら)クリエーターの数をひっそりと減らせばよい。「フルタイムのスタッフを解雇する決断は、それに比べるとより表向きの会社へのダメージがある」と同氏は付け加えた。
クリエイターを囲む難点
年月を経て、BuzzFeedがクリエーターをフルタイムのスタッフとして抱える上で経験した難点のひとつは、「クリエーターが人気になりフォロワーを増やした結果として、BuzzFeedを離れて独立し、自分のプロジェクトを展開する点だ」とプロバス氏は言う。この例のひとつが、現在、ABCのコメディーシリーズ「アボットエレメンタリー(Abbott Elementary)」のクリエーター兼スターであるクインタ・ブランソンだ。
フルタイムスタッフが次々と流出したことは「衝撃的だった」とプロバス氏は言い添える。さらに、BuzzFeedはコンテンツクリエーターが大量に辞めたときに大きな反動を受けた。クリエーターたちは、辞めると同時にクリエイティブに関するコントロール、自由、所有権が足りない、と仕事形態に関する同社の批判を語る動画を公開したのだ。
BuzzFeedのCEOであるジョナ・ペレッティ氏は、5月9日に行われた決算会見のなかで、「BuzzFeed Newsの閉鎖と180の雇用削減を含む会社の再編後、クリエーターこそが会社の未来の成長に繋がる」と述べた。
なぜBuzzFeedは起用するクリエーターの数を増やすのか
「2023年の第1四半期に、BuzzFeedの短編コンテンツの視聴者数はインスタグラムリールとYouTubeショートの両方で10億回の視聴数を突破した」と、BuzzFeedのプレジデントであるマルセラ・マーティン氏は決算会見で述べた。それらの動画のほとんどすべてがクリエーター主導であり、ペレッティ氏は決算会見のなかで、「クリエーター主導のコンテンツは、クリエーターを特徴としないコンテンツと比較して動画あたりの視聴数を2倍にした」と述べた。
「フルタイムスタッフとフリーランススタッフの両方を持つ柔軟なコンテンツ制作モデルは、パブリッシャーが市場の状況に応じて適応することを可能にする」と、リテラリーメディア(Literally Media)のCEOであり、元テイストメイド(Tastemade)のプログラミングとネットワーク部門の責任者かつ、元コンデナストエンターテイメント(Condé Nast Entertainment)プレジデントであるオレン・カッツェフ氏は言う。
特定の四半期または年の数カ月間においては、パブリッシャーたちはほかの時期よりも多くのコンテンツを制作する。「それは、第3四半期と第4四半期に増加する広告需要に加えて、CPM、RPMなどのマネタイゼーション要素によるものだ」とカッツェフ氏は付け加える。「柔軟な雇用モデルがあることで、コンテンツ制作、そして報酬を受け取ってコンテンツを作る人々を調整することができ、需要に対応することができる」。
クリエイターと親密な関係を作る
インフルエンサーマーケティングエージェンシーのバイラルネーションタレント(Viral Nation Talent)のプレジデントであるジョナサン・チャンティ氏は、同社がクリエーターと結ぶ契約の90%がこの柔軟なモデルを持っていると言う。
BuzzFeedは今年、クリエーターのためのより多くの対面イベントを主催する予定だ。「それはコンテンツ作成の機会として、また外部のタレントとの深い関係を発展させるためのものだ」と、BuzzFeedのフードブランドであるテイスティ(Tasty)とライフスタイル部門のゼネラルマネージャーであるハンナ・ブリッカー氏は言う。
6月、テイスティは一週間の対面イベントを主催。そこでは、同社のレジデンシープログラムに参加する7人のクリエーターのための最新のアイデアによるブレインストーミングが行われた。また、同社は75人以上のクリエーターのためのイベントをロサンゼルスで行った。「今年後半には、テイスティはその場でコンテンツを作るためのフードフェスティバルを主催する予定だ」と、ブリッカー氏は言う。
パブリッシャーとクリエーター間の契約に「定型」はない
米DIGIDAYは、短編動画コンテンツの制作に関してクリエーターを起用するためにパブリッシャーに通常どのくらいの費用がかかるかを知るため、これらの取引を交渉した経験のある6人のクリエーターエージェンシーとメディアエグゼクティブに話を聞いた。
それによると、パブリッシャーとクリエーターの取引は通常、2つのカテゴリに分けられるという。ひとつ目は長期パートナーシップで、パブリッシャーはクリエーターと協力してさまざまなソーシャルプラットフォームとさまざまな形式のコンテンツを制作し、報酬は通常、収益共有となっている。もうひとつは、1回限りの手数料でのタレントパートナーシップ取引で、クリエーターは既存の番組に参加したり、特定のシリーズに出演したりする。
匿名で取材に応じてくれたメディアエグゼクティブによると、収益共有取引はクリエーターに彼らの動画から生まれる広告収入の最大75%を提供されるという。タレント手数料は、エピソードごとに数百ドルから数千ドルの範囲だ。
しかし、「定型の取引はない」とこのエグゼクティブは言う。それは米DIGIDAYが本稿のために取材したすべてのクリエーターエージェンシーと、メディアエグゼクティブが同意する観測だ。クリエーターが得られるお金は、「クリエーターが誰であるか」「彼らのレートがどれだけであるか」「クリエーターがパブリッシャーのためにどれだけのコンテンツを作るか」「取引がどれだけ続くか」に依存する。ブランドスポンサーが関与している場合、取引は数千ドルから数十万ドルまでの範囲だ。しかし、「最近はその範囲の高い領域で行われる取引の数が減っている」と、エグゼクティブたちは指摘する。
匿名で取材に応じてくれたクリエーターを抱えるタレントエージェンシーのエグゼクティブは、「大きなデジタルパブリッシャーとの取引は定まった手数料を1度受け取るフラットフィー契約が通常だが、時々パフォーマンスに結びついたボーナスがある」と言う。パブリッシャーとクリエーターの契約金額は数百ドルから7桁(数百万ドル)までの範囲であり、「それはクリエーターがどれだけ有名なのかと取引の規模による」と同氏は言う。
「クリエーターは通常、ブランデッドのTikTok動画に対して5000ドル(約70万円)から1万ドル(約141万円)を請求することができる」と、広告エージェンシーのクリスピンポーター+ボガスキー(Crispin Porter + Bogusky)のインフルエンサークリエーターマーケティング部門シニアバイスプレジデントであるジェイ・パウエル氏は言う。しかし、「クリエーターのマネージャーがそこから最大20%の手数料を取ることがある」と同氏は付け加えた。
[原文: BuzzFeed expands creator network to produce more content while keeping fixed costs down]
Sara Guaglione(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)
Illustration by Ivy Liu