Snapchat で「短尺動画」を再利用、米メディアの動画戦略 :「ようやく置き場所を見つけた」

Facebookのニュースフィードにリリースされた古いビデオを使って収益を生む新しい方法をインサイダー(Insider)は見つけた。再編集し、Snapchat(スナップチャット)上で配信するというのが、彼らの方法だ。

たとえば、フード・インサイダー(Food Insider)が制作した2分の長さのジュニアーズ・チーズケーキ(Junior’s Cheesecake)を紹介する動画がある。これは2017年7月にリリースされて以来、Facebook上で再生回数1900万回、YouTube上で430万回を稼いだ動画だ。インサイダーの動画チームは、この動画をSnapchat用に再編集した。現時点ですでに480万人のユニークビューワーがいると、インサイダーは述べている。スナップ社(Snap)が「パブリッシャー・ストーリー」と呼ぶ、ディスカバー(Discover)上のチャンネルの一部として、この再編集版は流された。インサイダーは毎日配信される動画のなかに表示される広告から収益を得ている。

Snapchat以外のプラットフォームでも公開されたコンテンツをディスカバー上で配信することをスナップが許可したことで、インサイダーをはじめとするパブリッシャーたちが、ソーシャル上で配信した過去のビデオを使って収益を上げることが可能になった。かつて、Facebookのニュースフィード上では、このような動画(2分未満、正方形、字幕付き)が溢れていたが、Facebookのアルゴリズム変更によって、こういったビデオの価値は下げられてしまった。そこで、これらをほかのモバイル動画プラットフォームで再利用している。

「短尺動画の置き場所」

「Facebookはいまや、より長い動画にフォーカスを据えている。YouTubeは常にそうであった。このタイプのストーリーテリングの置き場所として、我々はSnapchatに注目しはじめた。そして、マネタイズできる」と、インサイダー社のビデオ部門責任者であるトニー・マンフレッド氏は語る。「我々にとって、パブリッシャー・チャンネルにおける非常に大きな発見となっている。やっと、このタイプのストーリーテリングの置き場所を見つけたのだ」。

マンフレッド氏によると、インサイダーは何千個という単位で短い動画コンテンツを抱えているという。毎日配信される彼らのチャンネルにフィットするようなコンテンツをそのアーカイブから常に探しているという。彼らのチャンネルでは1日に3つのストーリーと21のスナップがフィーチャーされるが、これらすべてがFacebookから持ってきた古い動画となっているわけではない。しかしもちろん、そこに活用できるライブラリができたことは良いことだ。「いくつかの大きいものはアーカイブ主導であったりする」と、マンフレッド氏は言った。

Snapchat上ではインサイダーは毎日更新されるストーリーに加えて、毎週更新される5つのビデオ番組も持っている。カーズ・インサイダー(Cars Insider)とアート・インサイダー(Art Insider)がその例だ。彼らによると、Snapchatでは黒字となっているという。

スティッキーなユーザーたち

これらの番組など、すべてのコンテンツを合計して、インサイダーは370万人のサブスクライバーを抱えており、1日に1万5000人を増やしているという。ユニークビューワーを見てみると、毎日更新されるストーリーは2月に2400万人のユニークビューワー数を記録している。

一度視聴をはじめたユーザーたちは、ちゃんと繰り返し視聴してくれていると、インサイダーは述べる。彼らのデイリー・チャンネルでの平均視聴時間は51秒だ。5つの番組に関しては、1分から95秒となっている(彼らの典型的なデイリーチャンネルコンテンツは、約2分から3分の長さだ。毎週更新の番組は平均して3分となっている)。

ディスカバー以外で公開したコンテンツがディスカバーでも公開できるようになったことで、より安く、より効率的なプログラム運営をSnapchatでできるように道を探っている。多くの場合、Snapchat限定のコンテンツを作るための10人編成のチームをなくし、社のビデオ業務担当部門の管轄下へと入れることを意味している。100人のスタッフ編成でビデオ部門を抱えるインサイダーも、同様のアプローチをとっている。

「プラットフォームはすべて、重要だと思っている。そしてYouTube編集、Facebook編集が必要になることが分かっている。Snapchatもそこに並ぶことになるだろう」。

サムネイルが特に重要

またビューワー数、滞在時間の増加に貢献しているのが、サムネイルの画像に目を引くものを選ぶことだ。ユーザーたちはディスカバーを閲覧しているとサムネイルが目に入る。YouTubeと同様、目を引く画像はより多くのユーザーがクリックすることになり、チャンネルへとユーザーを引き込むことになる。ディスカバー上のコンテンツクリエイター数が最大規模になっているいま、サムネイルは目立つためにも重要な手段である。

「人々の目を引くサムネイルを使いたい。しかしまた、見ると同時に、彼らが得られるもの(コンテンツの種類)が確実に分かることも重要だ」と、マンフレッド氏は言う。

Sahil Patel(原文 / 訳:塚本 紺)