#サブスクライブサンデイ を発明した、米・新聞社の狙い

2019年のサイバーウィーク(Cyber Week)の期間中、ボストン・グローブ(The Boston Globe)が新規獲得したサブスクリプションのうち、16%はとある特定のアイデアに起因するもののようだ。このアイデアはボストン・グローブのひとりのビジネスレポーターが考えついたものだ。

ボストン・グローブを含む多くのニュースパブリッシャーたちがサイバーウィーク中に、サブスクリプションの宣伝を行った。多くが特別価格を設定しての宣伝だった。そんななか、ボストン・グローブのレポーターたちは特に「サブスクライブサンデイ(Subscribe Sunday)」に注力した。これはグローブが抱えるビジネスレポーターのひとり、ジャネール・ナノス氏が2018年のサイバーウィーク中に思いついた非公式のホリデーだ。

業界を巻き込んで実施

今秋、グローブの編集長と詳細について詰めたあと、ナノス氏は社内のオーディエンス開発部門とウェブ部門と協力し、サブスクライブサンデイのマーケティングのトーンとマナー、そしてTwitter上でシェアできるマーケティング素材を制作した。また、サブスクライブサンデイ特別セールをクリックしたユーザーたちをトラッキングしやすくするためのホームページも開発した。彼らが準備した特別セールは6カ月のデジタル・アクセスがたった1ドル、という内容だった(ボストン・グローブの1年サブスクリプション契約は通常、1日1ドルである)。

グローブはもともと、サブスクライブサンデイを自社のみのキャンペーンとして捉えていたが、昨年構築した業界のグループも活用することを決断した。これは報道の自由の重要性について業界の300社の異なるパブリッシャーと連携してエディトリアルを出すというプロジェクトのときに生まれたネットワークだ。ナノス氏の同僚たちはグローブ以外も巻き込んだキャンペーンのマーケティングメッセージングとアセットをこれらのパートナーのために開発した。

ナノス氏によると、40の異なるニュースルームが参加したという。公式な取り組みとして参加したところもあれば、公式度はそれほど高くない参加社もあった。ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)のPR用Twitterアカウントは、サブスクライブサンデイについてツイートした。デモイン・レジスター(Des Moines Register)とメイン・プレス・ヘラルド(The Maine Press-Herald)は、Twitterを使って独立したギフトページを宣伝した。ヴァージニアン・パイロット(The Virginian-Pilo)のレポーターたちも、Twitter上でサブスクライブサンデイをプロモーションする投稿をシェアした。テキサス・トリビューン(The Texas Tribune)のCEOであるエヴァン・スミス氏もツイートしている。非営利法人であるテキサス・トリビューンはサブスクライブサンデイ用に何かのキャンペーン的な取り組みを行うということはしなかった。

キャンペーンは成功した

グローブがサイバーウィーク中に販売したサブスクリプションのうち、16%はサブスクライブサンデイの成果だったと、ナノス氏は言う。具体的な数字は明かさなかった。グローブのサブスクライバーベースの大半はデジタルだ。先月、グローブは15万のデジタルサブスクライバーを突破したという。

ナノス氏の上司たちにとってもキャンペーンは成功したと考えられており、類似のキャンペーンを2020年にも行う計画をしている。しかし、新規のサブスクライバーを獲得する以上に、今回のキャンペーンメッセージによって動かされたユーザーたちから得ることができたデータには長期的により価値があると、彼女は考えているようだ。

「このメッセージを活用する人々の調査を行えるか、彼らから今後のために何を学べるか。このグループからさらに何かを学ぶことができるか、そしてどうやってこのグループへのサービスを改善することができるか」と、彼女は語った。

ギフトとしての提案も計画中

消費者収益にフォーカスしはじめたニュースパブリッシャーたちの多くは、ローカルなニュースが危機的な財務状況にあることを消費者たちに説明する必要があると結論づけている。たとえば、先日のギビングチューズデイをローカルニュースパブリッシャーたちが直面している問題の認知を高めるため、そして寄付金を募るために多くのパブリッシャーたちは活用した。

自分自身のためにサブスクリプションを購入する人々を超えて、ほかの人々へのギフトとしてサブスクリプションをプレゼントすることになればサブスクライブサンデイも、さらにその意義を高められるかもしれないと、ナノス氏は言う。

「サブスクリプションを贈り物としてだけ考えるのではなく、民主政治に自分なりに貢献する、という意義も含まれる」。

Max Willens(原文 / 訳:塚本 紺)