イベント「Digiday Live Podcast」で、ブリーチャー・リポート(Bleacher Report)のCRO兼CMOを務めるハワード・ミットマン氏は、Facebookコミュニティは縮小しつつあり、今回の改変はすべて、自社プラットフォームの保護を目的としていると述べた。同氏の話の重要部分を紹介する。
パブリッシャーにとって今年はロイヤルティが試される年だ。そして、Facebookのニュースフィード変更の反響が収まるにつれ、コンテンツへのニード(需要)をうまく作り出したものだけが平然としていられるだろう。1月24日(米国時間)に開催したイベント「Digiday Live Podcast」で、ブリーチャー・リポート(Bleacher Report)の最高リスク責任者(CRO)で最高マーケティング責任者(CMO)も務めるハワード・ミットマン氏は、Facebookコミュニティは縮小しつつあり、今回の改変はすべて、彼らが所有・運営しているプラットフォームの保護を目的としていると述べた。
「パブリッシャーたちは思い出しはじめているし、これは忘れてはいけないことだが、(Facebookは)彼らにとっての唯一無二ではない」と、ミットマン氏はいう。「2013年には、Facebookはパブリッシャーが持ちうる最高の友人だった。彼らがプレミアムコンテンツを評価し、それがコミュニティのエコシステムや共有にぴったりとはまっていたからだ。それは時間経過とともに変わり、ボリュームベースになっていった。Facebookはいま、万人のビジネスに適合しないかもしれない自社のビジネスのために必要なステップを取ろうとしている。それは我々を傷つけはしないが、危機にさらされているブランドはたくさんある」。
ミットマン氏の話の重要部分を以下に紹介する。わかりやすさのために編集を加えてある。
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コンテンツへのニードvsフィード
メディアの世界はふたつのカテゴリーに明確に分類されている。ニード(Need)とフィード(Feed)だ。ニードのほうがエンゲージメントやシェアの可能性、情熱が高い。もし私がブルームバーグ(Bloomberg)で働いていたら、この瞬間をとても楽しみにしていただろう。金融界に身を置いていてゼネラル・エレクトリック(GE)の株価の終値を知りたければ、ビープ音やランプの点滅、テキスト表示はそっちのけで、終値がいくらかを知ろうとする。それがニードであり、深く根付いた情熱であり、ここではタイミングがものをいう。スポーツもこれと同じだ。水平なバーティカルが存在し、コンテンツに直接触れようとする。我々が消費するコンテンツのうち、ニードによるものの割合はごくわずかだ。その他はすべてフィードだ。フィードは、喜んで消費はするが、自らが求めたものではなく、エンゲージもしないし、そのために時間もかけない。フィードを頼りにするか、ニードのあるプレミアムコンテンツに焦点を当てるか、ブランドは態度を明確にしようとしている。
アプリが「すべて」
デスクトップは、マディソン街におけるハイブランドショップの小売り体験と同じだと、私は見ている。お客はそこに行かなくてはいけないし、店の見栄えもよくなければならないが、それが本当のブランディングの練習になる。それは我々のビジネス全体のわずかな割合に過ぎない。アプリがすべてだ。アプリは我々にコントロールする力を与えてくれる。我々には豊富なデータがある。アプリは米国のスポーツ愛好家の鼓動する心臓だ。我々はソーシャルグラフを所有しているし、データについて適切な質問をするのがうまくなってきている。我々のオーディエンスの40%がアプリを使っている。分散されたウェブは死んではいない。提携モデルも死んではいないが、アプリは違うレベルの価値の認識につながる。
動画には絶えず評価が必要
Facebookの「Watch」タブは、2017年の登場時、大きなチャンスだった。この先どう展開するか、見極める必要がある。Netflix(ネットフリックス)やNBCになるのか? さらに、そのエコシステムのなかで我々がどこにはまるかも考えなければならないだろう。我々は動画を毎日評価し直している。我々にはハリウッドのような作品は作れない。我々もスタジオは持っているが、数は多くない。我々は、ユーザーコミュニティの期待に沿うコンテンツと、我々が伝えたいストーリーを作ることに、より注力している。ときにその作品は30分のエピソードになることもあれば、60分や6秒になることもある。
eコマースの将来性
我々はこれまで、ソーシャルを収益につなげる方向転換には成功してきた。我々は、ライブ体験やeコマースを通じて消費者がエンゲージし収益化につなげられる機会を作り出していると確信している。それは売り上げの急激な変動をもたらしうる。ブランドを進んでリスクにさらさなければならないこともあるのが、ライセンシングビジネスの現実だ。そうしたビジネスには知的財産に関するモグラたたきゲームもつきまとう。我々は知的財産を数多く所有している。モグラたたきゲームをする機会はたくさんあるが、私がこれまでに見てきた例には、言語道断で胡散臭いものが多い。
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Aditi Sangal(原文 / 訳:ガリレオ)