ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)が次に狙うのは、パーソナリティーを中心とするコンテンツシリーズの量産だ。同社は9月5日、NFLを中心とするウィークリー動画シリーズ「シムズ&レフコー:ザ・ショー(Simms & Lefkoe: The Show)」をスタートさせた。
ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)が次に狙うのは、パーソナリティーを中心とするコンテンツシリーズの量産だ。
総合スポーツメディアのブリーチャー・レポートは9月5日、NFLを中心とするウィークリー動画シリーズ「シムズ&レフコー:ザ・ショー(Simms & Lefkoe: The Show)」をスタートさせた。フットボール界で起きたその週の出来事をざっと振り返る番組だ。司会を務めるのは、NFLの元クォーターバック、クリス・シムズ氏と、ブリーチャー・レポートで長らく司会を務めてきたアダム・レフコー氏。番組が扱うのは、スタジオでの軽妙なやりとりや、選手へのインタビュー、NFLと選手のさまざまな側面を面白おかしく取り上げるフィールドコーナーなど。「シムズ&レフコー」は、NFLを主軸とするブリーチャー・レポートの新コンテンツシリーズの中核をなす存在で、同シリーズには、シムズ氏とレフコー氏が司会を務める3本のウィークリーポッドキャストなどがある。
「シムズ&レフコー」は、ブリーチャー・レポートが手がけてきた、タレント主導のほかのコンテンツブランドの志を継ぐ番組だ。これらのコンテンツブランドには、たとえば、オマー・ラジャ氏が監督する「ハウス・オブ・ハイライツ」や、クレイグ・マラムット氏とアダム・マラムット氏が監督するアニメ番組「ゲーム・オブ・ゾーンズ」と「グリッドアイアン・ハイツ(Gridiron Heights)」などがある。
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「我々が作りたいのは、オーディエンスの興味を反映するオリジナル番組だ」と語るのは、ブリーチャー・レポートでコンテンツ部門のシニアバイスプレジデントと務めるジョー・ヤナレラ氏。「我々は、オーディエンスとつながれる魅力的なタレントを抱えている。これからは、そのまわりにコミュニティーを築いていきたい」。
ソーシャル性やバイラル性
「シムズ&レフコー」の各エピソードの尺は15~20分。ブリーチャー・レポートのサイトとモバイルアプリ、YouTubeで視聴できる。クリップや番組の一部はブリーチャー・レポートのプロパティやYouTube、Facebookなどのプラットフォームにも配信される。同番組はいまのところ、スーパーボウルでも流されることになっている。
この番組は、「ジミー・キンメル・ライブ!(Jimmy Kimmel Live!)」や「ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン(The Tonight Show Starring Jimmy Fallon)」に似た、フットボール中心のトーク番組として企画された。各コーナーでは、選手がフィールド外で見せるさまざまな表情が紹介され、仲の良いチームメイト2人がお互いに関する知識をテストし合ったり、ニューヨーク・ジェッツの新人クォーターバック、サム・ダーノルド選手が地元のファンといっしょに市内をバスツアーしたりする。
「この番組の基本方針は、HBOの『リアル・スポーツ(Real Sports)』にはならない、だ」と、ヤナレラ氏は語る。「選手インタビューでは真面目な話題も扱うが、『シムズ&レフコー』は娯楽寄りの番組だ。楽しさと鋭さを併せ持つコンテンツを作りたい。そうすることで、ソーシャル性やバイラル性を高められるはずだ」。
コミュニティで差別化
「シムズ&レフコー」はブリーチャー・レポートにとって「スポーツベッティング」コンテンツへの進出を記念する番組でもある。同番組内には、ファンがレフコー氏のお金で試合に賭けるコーナーが用意されている。スポーツベッティングを合法化する州が増えているいま、オーディエンス間でギャンブルを標準化することが、その狙いだ。
「いまはまだ。非常に限られた州でしか合法化されていない」と、ヤナレラ氏は語る。「我々の狙いは、オーディエンスの皆さんに、実際にお金を賭けることなく、ベッティングというものにのめり込んでもらうことだ」。
ブリーチャー・レポートは「シムズ&レフコー」のために、新たな現場責任者1人と制作スタッフ数人を総勢20人のチームの一員として迎え入れたという。あくまで番組の中心的存在は司会の2人だと、ヤナレラ氏は述べる。
「ここのところ、略式のニュース・分析を扱うコンテンツが作られすぎている。誰もが同じことをしているため、突出するのが難しい」と、ヤナレラ氏は語る。「オーディエンスとつながれるタレントを育成し、そのまわりにコミュニティーを築けば、差別化を図れるはずだ。だからこそ我々は、そこへの投資を増やしつつあるのだ」。
Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)