「バチェラー」クイズで熱狂を生む ベッチェス・メディア:スポンサードで収益化も

人気番組「バチェラー(The Bachelor)」を、視聴者はさまざまな予想を立てながら、毎週のエピソードを楽しんでいる。ベッチェス・メディア(Betches Media)は、このファンたちの行動を活用する形で、今月から毎週のポッドキャストにセットでインタラクティブ・クイズを導入しはじめた。

ザ・べチェラー・ファンタシーゲーム(The Betchelor Fantasy Game)と呼ばれるこの新しいゲームは、ベッチェスの編集部、そしてスポーツゲーミングのプロデューサーであるファンハブ(FanHub)によって作成されている。ゲームでは「第一印象のバラを受け取る女性は最後のホームタウンまで残るか?」といった質問が尋ねられる。ゲーム参加者たちは毎週、新しいエピソードが放送される前に自らの予想をもとにクイズの回答を送信する。その週のクイズ正答数がもっとも多い参加者は、ベッチェスのコマースストアで使える25ドル相当のクレジットを獲得できる。シーズンの最後には、クイズ優勝者がひとり選ばれ、ショップ・ベッチェス(Shop Betches)で使える250ドル相当の商品券、ベチェラー・ジャージー、そして彼らの唯一の広告主であるお菓子ベンダーのスキニーポップ(SkinnyPop)から賞品パッケージが贈られる。

ザ・ベチェラー・ファンタシーゲームではスキニーポップがブランドとしてフィーチャーされているが、ページ上の広告はほかにはない。これは特別ポッドキャストも含めた、昨年のベッチェス・メディアの「ザ・べチェラー」関連のコンテンツに対するスキニーポップとの独占スポンサー契約関係を拡大した形だ。ほかにも「バチェラー」のウェブ上でのまとめ、専門のインスタグラムチャンネル、ニュースレターにプライベートFacebookグループなどが展開され、人気テレビ番組「バチェラー」を扱った。

これまで、1万3000人が登録してべチェラー・ファンタシーに参加してきた。これはベッチェスとスキニーポップによって最初に設定された5000人から1万人の参加者を集めるというキャンペーンエンゲージメント目標を超える数字だと、ベッチェスのブランドパートナーシップ部門バイスプレジデントであるショシャーナ・カトラー氏は語った。ファンハブのレポートでは、現時点ではこの登録ユーザーのうち85%に当たる1万1150人がすでにシーズン前予想を完了しているという。

「投資対効果を証明したかった」

ソーシャルメディア上の活動を越えてエンゲージメントレベルを測定した場合、ベッチェス・メディアのような小さい独立系メディア企業が運営する、視聴者の高い興味を引きつける広告キャンペーンの価値は、さらに高いものになる可能性があるとカトラー氏は言う。

「我々にとっては新しい種類の投資対効果を広告主のために形成する非常に面白い手法だった」と、カトラー氏は続ける。「カスタマイズされたコンテンツで、ソーシャルメディアファーストの環境では、それをトラックするのは難しいことを我々は知っている。我々は投資対効果を得ていることを(クライアントに)常に証明したかった」。

ベッチェスのサイトにおける「バチェラー」の各回まとめ記事はほかの番組まとめ記事の3倍のビュー数を獲得していた。これが広告キャンペーンの出発点だった。2019年、スキニーポップは「べチェラー」ポッドキャスト、サイトの「ザ・バチェロレッテ(The Bachelorette)」と「バチェラー・イン・パラダイス(Bachelor in Paradise)」関連の記事の独占パートナーとなった。

カトラー氏によると。「ベチェラー」ポッドキャストは2018年にローンチされた。そのリスナー数は2018年から2019年にかけて305%増加した。各エピソードの平均ダウンロード数は7万5000回となっている。

スポーツ観戦と似ている

「バチェラー」の視聴者たちは、毎週のエピソード放送をリアルタイムで視聴し、それがスポーツ観戦と似ていることにベッチェスが気付いたと、カトラー氏は説明する。アメリカでは3月に行われる勝ち抜きの大学バスケットボール・トーナメントが通称「マーチ・マッドネス(3月の狂気)」と呼ばれ、大きな熱狂を呼ぶが、ベッチェスは類似のスタイルを作り、シーズンを通してオーディエンスのエンゲージメントを促進する企画を作りたかったという。

2020年、スキニーポップは2019年と比べてベッチェス・メディアへの広告予算を12.5%増加させた。ベッチェスは収益に関する数字をこれに加えてはくれなかった。

2011年に創立されたベッチェス・メディアは現在、29人のフルタイムのスタッフを抱えている。彼らは9のインスタグラムアカウントを持っており、合計で810万人のフォロワーを持つ。メインのアカウントのフォロワー数が680万人だ。2019年のあいだ、ベッチェスによると彼らのウェブサイトは毎月200万人のユニーク訪問者を引き寄せた。コムスコア(Comscore)のデータでは、ベッチェスの2019年3月から11月のあいだの月間ユニーク訪問者数は25万人となっている。この数字の不一致は、コムスコアに数字を報告する公式な関係を持っていないのが理由だと、ベッチェスは説明した。

ベッチェス・メディアの収益のほとんどは広告売り上げとパートナーシップから来ている。カスタマイズキャンペーン収益の80%は彼らのソーシャルメディアチャンネル関連であり、残りのカスタマイズキャンペーンはベッチェスのポッドキャスト関連となっている。

スポンサーとの関係が重要

「ひとつのヒットプラットフォームを持つことで、ブランドを自分たちの望む方法で定義づけることができるチャンスが得られる」と、ブランド・コンサルタント企業プロフェット(Prophet)のパートナーであるジェシー・ピュアウァル氏は「ベチェラー」を中心に据えたキャンペーンについて語った。「企画がはじまった1年目に、軌道に載せるためのコツは1社のパートナーを持つことかもしれない」と、スキニーポップが初期から関わっていたことを指摘する。

ピュアウァル氏は、長期的にはベッチェスもほかの広告主やスポンサーを求めるかもしれないと付け加える。「多くの組織を使って、彼らのイメージをより広範なオーディエンスへと届けるにはどうしたら良いかが分かれば、ベッチェスにとって素晴らしいことになるだろう」。

Tim Peterson(原文 / 訳:塚本 紺)