多くのパブリッシャーがネイティブ広告の効果を証明する術を模索しているなか、英BBCが着目したのは顔認識システムだ。彼らは「クラウドエモーション(CloudEmotion)」というソフトウェアを導入し、ネイティブ広告に触れた5000人のオーディエンスに起きた感情的な反応を、意識的なものだけでなく潜在意識レベルのものまで測定した。
BBC.comのマーケティングキャンペーンのなかでテストが実施された、このシステム。その際に、対象となったのは、HSBC(香港上海銀行)、ダッソーシステムズ(Dassault Systèmes)、海南島観光といったクライアントのコンテンツだ。現在では、社内のネイティブ広告制作スタジオ「BBCストーリーワーク(BBC StoryWorks)」によって、より幅広いクライアントのために活用できるようになっているという。
多くのパブリッシャーがネイティブ広告の効果を証明する術を模索しているなか、英BBCが着目したのは顔認識システムだ。彼らは「クラウドエモーション(CloudEmotion)」というソフトウェアを導入し、ネイティブ広告に触れた5000人のオーディエンスに起きた感情的な反応を、意識的なものだけでなく潜在意識レベルのものまで測定した。
BBC.comのマーケティングキャンペーンのなかでテストが実施された、このシステム。対象となったのは、HSBC(香港上海銀行)、ダッソーシステムズ(Dassault Systèmes)、海南島観光(Hainan Island Tourism)といったクライアントのコンテンツだ。現在では、社内のネイティブ広告制作スタジオ「BBCストーリーワーク(BBC StoryWorks)」によって、より幅広いクライアントのために活用できるようになっているという。
6つの感情をWebカメラで認識
「クラウドエモーション」では、顔認識にWebカメラを利用。そのためテストは、デスクトップPCを介して実施された。カメラが捉える参加者の顔の動きが、「悲しみ」「困惑」「幸福」「恐怖」「拒絶反応」「驚き」という6つの感情に分類される。こうして測定された、オーディエンスの感情的リアクションが、秒単位でシステムに記録されていくのである。
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「BBC StoryWorks」のヘッドを務めるリチャード・パティンソン氏は、「企業のCMOたちはよく、コンテンツマーケティングにおいて、オーディエンスの反応を測るのが難しいと口にしていた」と語る。その上で「英国には、過去数十年に渡って放送局に重宝されてきた、オーディエンス反応指数(Audience Appreciation Index = AI)というものがある。これによって我々は番組への反響を、視聴率やその他の要素を複合した感情的指標として分析してきた」と、英国テレビ業界に特有の指標について説明した。
そして、この考え方と顔認識を絡めて「オーディエンスの感情を効果測定に用いることは、ブランド企業にとっては新たな領域となるだろう。このアプローチはページビューと滞在時間というこれまでの指標を超えた、より多くの評価マトリクスをもたらすものだ」と語る。
急成長するネイティブの売上
たしかに、ネイティブ広告制作スタジオとしての「BBCストーリーワーク」のローンチは遅く、ほかのパブリッシャーの後塵を拝しながらのスタートではあったかもしれない。しかし、こうしたテクノロジーへ貪欲に取り組む姿勢が功を奏してか、いまや彼らの追い上げは破竹の勢いだ。現在ではBBCの広告売上高全体の30%を同スタジオが占めるまでに成長しており、パティンソン氏はこれから数年のうちにこの比率が50%に達すると予想している。
なお、このテストの最中にBBCは、HSBCとのスポンサーコンテンツキャンペーンの内容を分析。「クラウドエモーション」の顔認識技術が測定した、このキャンペーンで最高潮に盛り上がった箇所は、HSBCブランドのラベルが明らかになった時点だったそうだ。
Jessica Davies(原文 / 訳:ワタナベダイスケ)
Photo by Thinkstock / Getty Image