男性向けのライフスタイル情報サイト「アスクメン(AskMen)」。ここ数カ月の間、自社のネイティアドエージェンシーとともに、デジタルコンテンツの枠を超えた現実世界とリンクするような、進化版ネイティブアドを実施している。
その一例がアシックスの新たな商品である「Gel-Quantum 360」のキャンペーンだ。「G.E.L: Go Explore Life(人生を探検しに行け)」と称され、「アスクメン」のニュースレターやフィットネス記事などに動画広告が掲出されている。さらに興味深いのは、現実世界でもランニングイベントを開催していることだ。
ネイティブアドの次なる進化は、身体的な体験をも含むのかもしれない。
男性向けのライフスタイル情報サイト「アスクメン(AskMen)」。ここ数カ月の間、自社のネイティアドエージェンシーとともに、デジタルコンテンツの枠を超えた現実世界とリンクするような、進化版ネイティブアドを実施している。
その一例がアシックスの新たな商品である「Gel-Quantum 360」のキャンペーンだ。「G.E.L: Go Explore Life(人生を探検しに行け)」と称され、「アスクメン」のニュースレターやフィットネス記事などに動画広告が掲出されている。さらに興味深いのは、現実世界でもランニングイベントを開催していることだ。
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広告の数字を残すために
「アスクメン」の元編集長アルマンド・ゴメス氏が経営する、プロダクションのブランドフュージョンは、同サイトの編集面をここ数年で大きく変化させた。以前は「もっともセクシーな女性トップ99」というような「男性誌らしい」記事が目立ったものの、最近では、より社会的に妥当性のあるモダンな男性向けの記事を中心に構成している(2014年の『もっともセクシーな女性トップ99』という企画は、2015年度版では『もっとも傑出した女性トップ99』と表現された)。
魅力的な女性の写真もいまだに掲載しているが、「インスタグラマーの気の惹き方」などの記事イメージとして利用する程度だ。そして、多くの社会的に関連性の高い記事を配信することで良い数字もついてきている。2015年10月は4000万ページビュー(PV)を記録した。
またTOPページのデザインにおいても、広告コンテンツが編集コンテンツと同じように重視されている。2013年の後半に、ディスプレイ広告やブランデッドコンテンツが、一般記事と同じ大きさで表示されるデザインにリニューアルした。おかげで、いまではブランド企業が、全面広告を掲載できる紙の雑誌と同様に、出稿先のひとつとして検討している。
社内のネイティブアドエージェンシー
エージェンシー企業ホライゾンメディアのデジタルメディアディレクター、アレックス・ストーン氏もこのサイトに携わってきた。ほかのニッチな男性の話題を取り扱うサイトも、現在は彼が「go getter(自ら勝ち取りに行く者)」と呼ぶ、趣味や情熱を大事にする男性オーディエンスの争奪戦を始めたという。「『アスクメン』にはソーシャルやネイティブプラットフォームに分散されるような高品質の記事を生み出す能力があることは知られている。過去に行ったキャンペーンでも、我々と最高なパートナーシップを作り出すことができた」。
一方、先述のゴメス氏は「男性向けのデジタル・ライフスタイルサイトを運営するスリリスト(Thrillist)という企業が、数年前に内部でネイティブアドエージェンシー立ち上げたように、我々はほかの企業内部にあるネイティブアドエージェンシーを見てきた。そこで感じたことは、『このビジネスで成功するにはネイティブアドしかない』ということだ」と語る。「しかし、単に広告を消費することをやめた。我々は現在ネイティブ動画やネイティブオフラインイベントをローンチし、ネイティブコンテンツと協調させている」。
そして、拡大するネイティブアド
「アスクメン」のネイティブコンテンツのマネージャーであるジョナサン・サンダルス氏によると、アシックスのような企業は、新たに進化した同メディアに最適なのだそうだ。アシックスの中核となるオーディエンスを見たところ、ライフスタイルとして走っている人は少なく、多くは走ることに対してとても真剣な人たちばかりで、複数のマラソン大会に出場していることがわかったからだ。
「そのような人たちは、とても小さいコミュニティで靴に関する記事を読む。そのため我々は通常どおりのコンテンツではなく、実際に彼らに靴を履いてもらうことにした。レースやランニングのイベントである『ショアロードシリーズ(Shore Road Series)』を含む、このイベントはフィットネスの専門家であるジェフ・ヘイルヴィ氏が主催。アメリカ中のランニングクラブとパートナーシップを組んで実施されたが、50以上もの異なる計画があった。ローンチされた週には、すでに700人ほどがキャンペーンの『実験的』要素を試していて、総数で30万人にリーチしたと聞く」。
今後「アスクメン」はバーボン・ウイスキーを製造するジムビームなどの企業からの依頼を受ける予定だ。サンダルス氏は、ジムビームが「騎士道的精神の実践方法」などの記事を配信していることから、典型的な「アスクメン」コンテンツだという。「しかしほかの企業も進化していて、冒険をしたがっている」とサンダルス氏は話した。
Shareen Pathak(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image courtesy AskMen