サブスクを加速させる、北欧媒体社のパーソナライズ戦略

ノルウェーのパブリッシャーで、30以上の雑誌タイトルを持つアラーメディア(Aller Media)はまだ、デジタル広告売り上げで支払いを賄っている。しかし、他のパブリッシャー同様に、紙媒体の雑誌の売り上げ減少の埋め合わせをするために、サブスクリプション収入をさらに増やすよう圧力を受けてもいる。

アラーメディアのニュースタイトル「タクプラデット(Dagbladet)」は、7万人の購読者を抱え、購読者に対してパーソナライズドされたコンテンツを表示する独自のアルゴリズムを過去6カ月をかけて構築した。いままでに学んできたことを会社全体に応用することを狙ってのことだ。

アラーメディアの製品ならびにサブスクリプション開発者であるクリストフ・シュミッツ氏は、バルセロナで2018年10月15日~17日(現地時間)に開催された英DIGIDAY主催のパブリッシングサミット(Publishing Summit)に登壇し、「有料コンテンツは超巨大で、乱雑だが、我々は何もかもを一度にやらなければならない。我々がやることにはすべて、スケールが伴わなければならない」と語った。

パーソナライズの中身

サブスクリプション型パブリッシャーにとって、広告売上とサブスクリプション売上の管理は、バランスを取るのが極めて難しい作業だ。タクプラデットのTOPページは、ノルウェーでは依然として重要なトラフィック牽引力だが、プレミアム(有料)コンテンツを表示できるスロットの数は限られている。アラーメディアは過去6カ月かけて、そのスロットに何を表示するかをテストしてきた。現在、テストはユーザーベースの50~60%を対象に行っているが、近々に対象を全ユーザーに拡大する計画がある。

Aller-Media

「タクプラデット」のTOPにある有料コンテンツ向けスロット(赤い枠)

アルゴリズムは4つの要素をもとにしている。コンテンツが投稿されたのはどれくらい最近なのか(ニュースサイトとしてこれは重要だ)、協調フィルタリング、すなわち似たようなプロフィールを持つオーディエンスが何を読んでいるか、インプレッション、すなわち記事が表示されながらクリックされなかったことが何回あるか、そして、ひとつの記事から読者が購読者になったことが何回あるか、の4つだ。

テストの結果、特に1カ月と3カ月のサブスクリプションを申し込む読者が大幅に増加したと、シュミッツ氏はいう(同社では週間や年間のサブスクリプションも提供している)。

読者のコンバートにつながるコンテンツの種類の理解は、当たり前のことだが、最大の関心事だ。以前のタクプラデットでは、セックススキャンダルや離婚を回避する方法を扱った記事がサブスクリプションをもたらす典型的な牽引役だったと、シュミッツ氏は述べる。テストの結果から、購読者たちはプレミアムコンテンツをもっと読み続けたいと思っていることがわかったので、解約を減らすことにつながりそうだ。

失敗の経験のうえに

アラーメディアが購読者向けにパーソナライズ化されたコンテンツを提供したのは、今回がはじめてではない。同社は1年に渡って、サードパーティのベンダーを使い、購読者に見せるコンテンツのパーソナライズ化を試みたが、残念な結果に終わった経験がある。

「それはまるでブラックボックスで、我々にはアルゴリズムがまったくわからず、信用できなかった」とシュミッツ氏は語った。

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Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)