「 Twitch に広告主が抱いてるのは、自信というより興味 」:あるTwitchインフルエンサーの告白

Amazonが提供しているライブストリーミング配信プラットフォーム、Twitch(ツイッチ)は間もなく、広告で溢れかえることになる。それは、オーディエンスが有料で広告表示を止めているところも例外ではない。

匿名性を保証する代わりに本音を語ってもらう告白シリーズ。今回は、あるTwitchインフルエンサーに話を聞いた。有料会員向けのアドフリー視聴を9月に終了するとした同社の決断は、ユーザーよりも広告主にフレンドリーなサイトへの大幅な方向転換のはじまりにすぎないと、氏は断言している。

米DIGIDAYはTwitchにもコメントを求めており、返答があり次第、アップデートする。

以下が氏の告白を簡明にまとめた抜粋だ。

――より多くのオーディエンスの眼前に、より多くの広告を出すことは、Twitchにとってプラスになりうる?

Twitchは近い将来、かなり広告主フレンドリーなプラットフォームになる。広告を見たくなくて金を払っている人にまで見せると決めたのが、その証だ。インフルエンサーのぼくとしては、興味深くはある。でも、良い決断とは言えないね。

ひょっとしたらTwitchの収入は増えて、それを受けてインフルエンサーも儲かるかもしれない。でも、有料会員にまで広告を無理やり見せるのは、どうかな。入る金が増えれば、当然、Twitchは潤うだろうけれど、YouTubeが広告主を重視するようになってどうなったのかは、覚えてるだろ。

いまのところ、TwitchはYouTubeよりもコミュニティ重視の、エンゲージ性の高い経験をくれるプラットフォームなのに。

――Twitchは広告を打つ場として適切?

Twitchに合うのは、いわゆるプロモーショナルパートナーシップだけじゃないかな。金を払って、自社の商品をストリームの背景に、たとえばゲームチェアのそばにさりげなく置いておくとか。それなら、うまく行くと思う。宣伝する商品がストリームに自然に溶けこむから。30分ごとに宣伝が出てくるのは目障りだし、オーバーレイは高い。

――Twitchの人気が高まるなか、インフルエンサーとしてのあなたに対する関心の高まりも感じている?

広告主がTwitchに対して抱いているのは、自信というより興味だと思う。ライブストリームは予測不能だし、容認できないもの、手に負えない可能性があるものはすべて、ブランドは不安視する。でも、フォートナイト(Fortnite)といったゲームの人気が高まったのを受けて、ブランドはTwitchの広告にもインフルエンサーにも関心を寄せるようになった。有名プレーヤーの絶大な影響力とフォロワー数を知って、それで興味を持ったんだ。

ただし、多くのブランドの場合、その興味が自信に変わったとは思わない。彼らにしてみれば、Twitchは米開拓時代の辺境地みたいなところで、怖いんだよ。例外は早くに参入したブランドで、たとえば(エナジードリンクブランドの)レッドブル(Red Bull)とか、アプルーバルやブランディングを気にせずに、リスクを受け入れて、トレンドにいち早く飛び乗れるところは、うまくやっている。

――広告主とのコンタクトに関して、Twitchは積極的に協力してくれる?

僕の場合、契約はTwitch経由じゃない。Twitchのプロフィールに載せているメールアドレス経由だ。今年の前半にも、あるゲーミングチェアの会社から直接、スポンサーになりたいという連絡をメールでもらった。その会社のクールな椅子に座ってゲームをしてもらえないかって。

僕が結んだ契約にはほとんど、Twitcher(ツイッチャー)もTwitchのマネージャーも絡んでいない。Twitchはいまのところ、ほぼ何もしない。とくに人気のあるストリーマーとの契約を仲介して、その分け前を取るだけだね。

――Twitchにおけるブランドセーフティが広告主を悩ませる問題なのは明らかだが、不正については?

成功しているTwitchインフルエンサーにはたいてい、大勢のサブスクライバーがついているし、だからフォロワー数をごまかすのは難しい。たとえば、いつでも好きなときに偽のオーディエンスを表示させられるボットネットを買ったとする。でもそれだと、自分が持っているサブスクライバーの数と、どう考えても合わない場合が出てくる。

Twitchに金を払って、わざわざ偽フォロワーを獲得したいなんて、まともな頭の持ち主なら、思うわけがない。Twitchのサブスクリプション費は1人当たり月額5ポンドで、そのうち半分はストリーマーに、残り半分がTwitchに行く。ということは、たとえば1回に100人のオーディエンスがいる振りをしようとしたら、経費は月に250ポンド……少なくない額だ。

それに、検索では人数が多いのに、実際のオーディエンスが少ないのは、結局のところ誰のためにもならない。怪しいと思う人間の出禁に関して、Twitchはこれまでかなり甘かったし、それを考えても、そんなリスクを冒すだけの価値はまずないね。

Seb Joseph(原文 / 訳:SI Japan)