「3つのC」が導く、 コンテンツマーケティング の未来:アビーム 本間充 ✕ NewsCred 八島智史・釜田俊介

誰でも情報が発信できる現代において、ユーザーのニーズに寄り添った、コンテンツマーケティングの重要性は年々高まっている。

しかし、「戦略なき」コンテンツマーケティングは、予算の無駄遣いにしかならない。マスマーケティングではリーチできない顧客に、コンテンツマーケティングなら「低コスト」でリーチできるという考えは、もはや「幻想」でしかないのだ。

そんななか、欧米の企業のあいだでは、「コンテンツマーケティング・プラットフォーム(Content Marketing Platform:以下、CMP)」の活用が一般的になりつつある。CMPとは、その名のとおりコンテンツマーケティングの効果・効率を最大化するシステムだ。

より具体的に表現するとCMPは、オウンドメディア(ウェブサイトやブログ、メールマガジン)やアーンドメディア(ソーシャルメディア)に利用するコンテンツの企画・制作・配信・分析を、費用対効果も含め、一括管理できるもの。そんなCMPの需要はいま、確実に高まっている。現在、そのグローバル市場におけるリーダー的企業のひとつがNewsCred(ニュースクレド)だ。

   

NewsCred-記事中

   

「『なぜこれを売るのか』『なぜこれを作るのか』といった、ストーリーを伝えることが重要になっている」と、株式会社アマナの執行役員、八島智史氏(TOP画像左)は語る。ビジュアルコミュニケーションを得意としてきたアマナは、NewsCredと日本市場独占パートナーシップを締結した企業だ。「これからは、お客様が感じるであろう『なぜ』に対して、小さなコミュニケーションを継続的に取り続ける、オウンドメディアのような方法が一番効果的だ」。

本稿では、アビームコンサルティング(ABeam Consulting)でデジタルトランスフォーメーション ビジネスユニット デジタルマーケティング セクター長を務める本間充氏(TOP画像中央)、株式会社アマナでNewsCredの事業統括を担当する執行役員の八島氏、そして同社でNewsCredのチーフ・ストラテジストを務める釜田俊介氏(TOP画像右)の鼎談から、これからのコンテンツマーケティングのあり方を読み解く。

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八島智史氏(以下、八島):本間さんは、長年、大手消費財メーカーで、デジタルマーケティングを担当されてきました。コンテンツマーケティングという言葉が日本で一般的になって、4~5年になると思います。いま、その現状をどのように捉えていますか?

本間充氏(以下、本間):オウンドメディアを使えば、コストがかからず、しかも自由にコンテンツマーケティングを実施できるという思い込みが、じつは幻想だったということがわかってきたところといえるでしょう。オウンドメディアを運営する多くの企業が、「このままだとうまくいかないんじゃないか?」と感じるようになってきた状態だと思います。

八島:社内の人間がブログを書く感覚でオウンドメディアを立ち上げて、コンテンツマーケティングを実施しようとしたものの、本当の意味でのマーケティング活動にはなっていないことがだんだん顕在化してきた、ということですね。

本間:そんななかでも、成功に向かう企業は「コンテンツマーケティング自体が失敗だった」とは考えていない。彼らはきちんと要素分解できているので、「いま取り組んでいるやり方・体制だと、うまくいかないかもしれない」という認識なんです。この問題点の捉え方が今後の明暗を大きく分けるのではないかと思いますね。

雑誌や本のコンテンツは、基本的にすべてプロによって作られています。一方、インターネット上のコンテンツは、プロのものとアマチュアのものが混在している状況です。それにもかかわらず、オウンドメディアのコンテンツは「ノンプロ」でも構わないという状況が、多くの企業で不思議と受け入れられている。オウンドメディア運営では、すべてのコンテンツを「企業が自力で作らなくてはならない」と思い込み過ぎているんでしょうね。

   

「オウンドメディアにもQAが必要だ」と語る本間氏

「コンテンツマーケティングが失敗なのではなく、正すべきはその方法だ」と本間氏

   

釜田俊介氏(以下、釜田):オウンドメディアによるコンテンツマーケティングがうまくいっていない企業の大きな原因のひとつは、過度な内製主義にあるということでしょうか?

本間:そうです。ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアのうち、広告主企業は、ペイドメディアのプロでしかない。それも、コンテンツに関しては、制作のプロである代理店や制作会社に作ってもらったものを最終判定者として確認しているという形でしか関与していません。にもかかわらず、オウンドメディアだったら、自分たちだけですべてのコンテンツを作れると思ってしまった。そんなところでしょうか。

釜田:なるほど。そう考えると、オウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングの多くが、ある種の行き詰まりに直面している理由も、必然的に理解できますね。

「3つのC」と呼ばれる手段

本間:企業が、インターネット上にコンテンツを持ちはじめた当初、Webサイトは広報部が作ることが多く、クオリティもそれほど高くなかったですよね。もともと広報部がプロダクトアウトしているものって、社内広報誌、投資家向けの文書、企業紹介パンフレットが主で、クオリティはハイレベルでなくてもよかった。なぜなら、基本的には読者が明確で、対面で手渡すときに、口頭で説明をしながら使う、副読本的なメディアだったからです。

そういったメディアしか作ったことがない人たちが、その対極にあるマーケティングのためのオウンドメディアを作りはじめたことに対する混乱がまだ残っていると感じます。そろそろ企業のWebサイトは、すべて内製でやるのではなく、「ここまでは自社内で作り、ここから先は外部のプロに依頼する」といった線引きのジャッジメントが必要な時期だと思います。

八島:僕らも、オウンドメディアを運営するのに適切な部署がどこかわからない、というご相談をよく受けます。

本間:オウンドメディアもその企業の製造物です。製造物である以上、クオリティアシュアランス(Quality Assurance[QA]、品質保証)が必要ですが、昔もいまもなぜかそういった意識はない。しかし、企業としてトータルで製品やサービスのクオリティを謳うのであれば、自社のWebサイトで展開するインターネットコンテンツも、きちんと品質を担保しなければいけないのです。

釜田:確かに、品質の担保のためには「仕入先」の厳選が必要ですが、日本のコンテンツマーケティングの文脈においては、オウンドメディアに掲載する記事の「仕入れ先」が吟味されていない印象があります。たまたま知っているライターに頼むなど、閉じた関係性のなかで、完結してしまうことが多いのかもしれません。

NewsCredでは、コンテンツの「仕入れ」に関して、Create(クリエイト)、Collaborate(コラボレート)、Curation(キュレーション)を意味する、「3つのC」と呼ばれる手段を用意しています。Createは、企業目線で新規にコンテンツを制作すること。Collaborateは、外部のエキスパートが第三者的目線も交えて書き下ろすもの。Curationは、外部メディアが制作した権利処理済みの既存の記事からキュレーションして、その企業の文脈に合った形で届けるものです。これらを目的に応じて使い分けることで、クオリティを維持しつつ、記事にバラエティを持たせることができます。

本間:Create、Collaborateは言うなれば記者プール型のサービス、Curationは記事プール型のサービスとも言えますよね。後者は特に、日本企業のコンテンツマーケティングにもフィットしたサービスだと思います。

 

 「NewsCredなら、コンテンツのクオリティと多様性を担保することができる」と語る釜田氏

「NewsCredなら、コンテンツのクオリティと多様性を担保することができる」と語る釜田氏

ROIの最適化が容易に

八島:NewsCredは、コンテンツマーケティング・プラットフォームであることが一番の核としてありますが、そもそもコンテンツマーケティング、オウンドメディア運営の効率化・最適化を図ることが最大の目的です。当然そのなかには、費用対効果という視点も内包しています。

本間:自社でコンテンツを作る場合、キャッシュアウトしていないと言いつつも、社内の人件費は使っているんですよね。社内原価を含んだROIまできちんと意識している人なら、アマチュアの社員に書いてもらうより、外部のプロにクオリティの高いものを書いてもらって、100倍アクセス数を稼いだ方が事業貢献高いよね、という計算をしているはず。

釜田:いまは幸いなことに、企業が自分でメディアを運営し、タッチポイントが作れる時代なので、自社で戦略を立てて、ROIを可視化できるところまでトライすることも可能です。そういったソリューション、フレームワークをNewsCredはたくさん持っています。社内原価を含んだ費用対効果まで考えて、オウンドメディアでいいの? コンテンツマーケティングでいいの? ということを検討している企業には、NewsCredは非常に理にかなったサービスだと思います。

本間:オウンド「メディア」という以上、企業もメディア型の事業の仕組みは理解しなければならない。メディア型事業は、コンテンツのクオリティが大前提にあって、あとからマネタイズが来るカルチャー。マネタイズありきで、それに合わせたクオリティでコンテンツを作ることはありえないのです。

今後は、あらゆる企業がきちんとQAされたオウンドメディアを運営し、発信していくことが当たり前になってきます。そうなると、自社製造物として、自社のプロダクトやサービスのクオリティに合わせて、トータルにQAされていることが重要になってきます。作っているプロダクトのクオリティは高いのに、Webサイトだけクオリティが低ければ、お客様にネガティブな印象を与えかねないですからね。

   

「コンテンツマーケティングの効率化と最適化が、NewsCredの目的だ」と語る八島氏。

「コンテンツマーケティングの効率化と最適化が、NewsCredの目的だ」と語る八島氏。

   

八島:NewsCredでは、毎年「ベストコンテンツマーケティングブランド50選(The NewsCred Top 50 Award)」というランキングを発表しています。ビジュアル、コンテンツ、費用対効果が優れているか、という3つの審査基準を軸に選出しており、2018年版もすでに発表されました。2018年9月27日に開催するイベント「ThinkContent TOKYO 2018」では、本間さんにご登壇いただき、それぞれのブランドについて、どこがどのように優れているのか、解説をしていただこうと思っています。

本間:ページビュー以外の尺度で議論することは、コンテンツマーケティングへの理解を深めるうえで、いい入口になります。しかもオウンドメディアに代表されるコンテンツは企業の大切な資産なので、その価値まで含めて議論できる場にしたいですね。

釜田:オウンドメディアは、一定の時間をかけて累計的にその価値を蓄積できる「ストック型」のタッチポイントであるため、中長期的に続けていかなくては意味がない。「ベストコンテンツマーケティングブランド50選」は、クリエイティブだけではなく、取り組み自体を評価するというところが、一般的な広告のアワードと異なる点です。

また、年々明らかにランキングを上げてきている新興勢力があって、そういった潮流が感じられるのも興味深いところです。ミレニアル世代をターゲットにしている企業はやはり急成長しています。すでによく知られている代表的なところで言うと、ワービー・パーカー(Warby Parker)でしょうか。

彼らはECで主にサングラスを売っているのですが、SNSを使ったコミュニケーションがとんでもなく上手。また、購入するとどれだけの利益が社会貢献活動に還元されるのかが視覚化されるなど、ミレニアル世代に効くポイントです。ブランドにストーリーがあって、ストーリーをベースにしながら、しっかりコミュニケーションを取っている。

八島:「なぜこれを売るのか」「なぜこれを作るのか」といった、「なぜ」を訴求できない企業は、どんどん信用負債が大きくなりそうです。ストーリーを伝える手段は数多ありますが、お客様が感じるであろう「なぜ」に対して、小さなコミュニケーションを継続的に取り続け、費用対効果を見ていくオウンドメディアのような方法が、いま一番求められている気がします。

本間:紙メディアでよく使われる言葉に「読後感」という言葉がありますが、これはコンテンツマーケティングにおいても重要な要素です。たとえば「お客様への接客ポリシーや、モノづくりの背景などを紹介するコンテンツを読んだユーザーはどう思うだろうか」――その読後感を踏まえて、カスタマージャーニーを設計すべきです。

いままではアドテクノロジー主導、かつCPM重視で、なんとなくアクイジション(顧客獲得)したね、で終わっていました。それでは次につながらない。NewsCredのようなサービスを利用して、ちゃんとメディアのプロのノウハウを理解するところからはじめれば、オウンドメディアのコンテンツマーケティングはもっと深めていけるはずです。

ストーリーやコンテクストの重要性

本間:あらゆる分野で社会変革が続く現代は、事業拡張とか事業変更する企業って、どのカテゴリでも出てくるはずです。となると、「なぜ〇〇の企業だったはずなのに、△△に取り組んでいるの?」という疑問は、必ずユーザー側から出てくる。

たとえば、「なぜカメラのフィルムメーカーだったはずなのに、なぜ化粧品を製造販売しているの?」といったようにです。「なぜ」を「だから」に変えるのは、非常に大変なことですが、それを促すのがオウンドメディアにおける、コンテンツマーケティングの重要な役割のひとつになるでしょう。

釜田:事業内容と範囲がハイコンテクスト化するほど、ストーリーが必要になってきます。

本間:いまは、誰と付き合いたくて、誰に買ってほしいかを決めないと、ユーザーは振り向いてくれないし、コミュニケーションできない。そこに気づいている/気づいていないで、大きく差がついていくはずです。

八島:toC、toBのマーケティングだけでなく、たとえばリクルーティングなどにおいても、コンテクスト、ストーリーは欠かせないものになっています。広義の意味でのコンテンツマーケティングは、中長期的な視野に立って、取り組むべきものだと、僕らは考えています。だからこそ、目的やゴールを達成できる方法を選ぶべきで、それを僕らはNewsCredを介して、ご提供したいと思っているのです。

釜田:マーケターの方々には、企業として何を伝えていくべきか、自社のコアな価値は何なのかという部分にこそ、頭脳と労力を優先的に使ってほしいと思っています。それ以外の部分は、NewsCredにお任せいただくことで、効率的にコンテンツマーケティングを実施する助けになれればいいですね。

   

原稿最終段_digiday2018_2516

▼八島智史
株式会社アマナ / 執行役員 兼 株式会社アマナデザイン / 取締役 事業統括担当

2010年 株式会社アマナ入社。企業/ブランドのプロモーション・ブランディングにおけるプロデュース業務を経て、主にデジタルコンテンツ・デジタルマーケティングなどの事業開発や部門立ち上げを担当。アマナグループのオウンドメディア「ビジュアルシフト」の立ち上げも務めるなど、近年はコンテンツマーケティング事業に従事。2017年より、NewsCredの国内事業統括の担当も務める。

▼釜田俊介
株式会社 アマナデザイン / 取締役

NewsCredコンテンツマーケティングアドバイザリーサービス担当。株式会社アマナインタラクティブ新卒入社。プロデューサーとして、モバイルメディア事業、コンテンツマーケティング事業などに従事。2016年より株式会社アマナデザインに転任。現同社取締役。

▼本間充
アビームコンサルティング株式会社 デジタルトランスフォーメーション ビジネスユニット デジタルマーケティング セクター長 ディレクター

 

大手消費財メーカーを経て、2015年アビームコンサルティングに入社。多くのMarketingおよびDigital Marketingの経験と、データ分析の実績多数。東京大学大学院数理科学研究科 客員教授。ビジネス・ブレークスルー大学 客員講師。

なお、NewsCredが運営するオウンドメディア「NewsCred Insights by amana」では、コンテンツマーケティングの最新トレンドを随時更新している。また、NewsCredでは9月27日(木)に、コンテンツマーケティング関連イベント「ThinkContent TOKYO 2018」を開催。興味ある方はどちらも要確認だ。

Sponsored by アマナNewsCred

Written by 内藤貴志
Photo by 渡部幸和(TOP画像、記事中上から2枚目、5枚目)、川合穂波(acube)(記事中上から3枚目、4枚目)