YouTube 、D2Cブランド勧誘のため「D2C会議」を開催

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Facebookとインスタグラム(Instagram)が、D2C(Direct to Consumer:ネット直販)ブランドからの広告収入で荒稼ぎするなか、YouTubeは独自のアプローチを画策している。

今年4月、フィットネスウェアブランドのファブレティクス(Fabletics)やランジェリーブランドであるサヴェージ×フェンティ(Savage x Fenty)を有するテックスタイル(TechStyle)、インパーフェクト・プロデュース(Imperfect Produce)など、人気D2Cブランドの幹部およそ20名がYouTubeの事務所を訪れ、同社初のD2C会議に参加した。パフォーマンスアドバタイジング部門ディレクター、ニッキー・レットキー氏が仕切ったこの会議において、YouTubeは同社がターゲットとして狙うオーディエンスの実態、ブランドアウェアネスの向上や売上増といった優先事項の比較法、アドバタイザーに支出を促しやすいYouTube上の広告商品の種類などについて、ブランド創設者やリーダーから直接話を聞いた。

「丸々1日かけて、D2Cブランドの幹部たちとさまざまな話をした。我々のプランを説明し、顧客に対する理解の深め方といった、商品とは直接関係のない、より大きな課題について語り合い、彼らの世界で起きていることと我々のそれとをリンクさせた」と、レットキー氏は語る。「そのなかで、ひとつ、はっきりしたことがある。彼らは皆、パフォーマンスメトリックスにフォーカスしている。ブランドのパーセプションはもちろん気にしているが、最終的には、広告が新たな顧客、サブスクリプション、購入に結びつくか否か。そこがキーメトリックスとなる」。

YouTubeのこの動きは、時宜を得たものだ。D2Cブランド勢は現在、パフォーマンスマーケティングを重視し、飽和状態となっているFacebookおよびインスタグラムのプラットフォームに代わるものを探しはじめているからだ。Facebookは依然、多くのD2Cブランドのデジタル広告費の支出先として、圧倒的シェアを占めているが、マーケティングミックスはますます多様化しつつあり、ブランド勢は偏りを是正するべく、ほかのデジタルチャネルに加えて、従来のマーケティング法――OOH、ダイレクトメール、TV――にも目を向けている。YouTubeの親会社Googleにしてみれば、D2Cブランドに向けた資金投入は、キーワード検索と広告という、Facebookと同じくすでに飽和状態の主力サービスによる収益の効果的分配につながる。

D2Cにとっての優先事項

「[YouTubeには]昔からオーディエンスが付いているが、彼らは長らく、パフォーマンス広告にあまりフォーカスしていなかった――これは単に、GoogleによるYouTubeの売り方云々の問題ではない」と、テックスタイルのチーフメディアオフィサー、ローラ・ジョウコヴスキー氏は指摘する。テックスタイルは、サーチフィードに広告を掲載するYouTubeの新方式、ディスカバリー(Discovery)を最初に試したブランドだ。

クリエイティブが経費を抑えつつ、複数のオプションを繰り出しやすい状態にすることが、D2Cブランドにとっての最優先事項のひとつだと、レットキー氏は言い添える。実際、D2Cブランド勢は往々にして、Facebook、インスタグラム、Pinterest、Twitterなど、同時に複数のデジタルチャンネル上でマーケティングを実施している。これを受けて、GoogleはYouTube用の新たな広告フォーマットへの投資を開始した。そのひとつディスカバリーキャンペーンでは、ブランド勢に既存の広告をYouTubeのホームフィードをはじめ、Google上で再利用させている。

「どうしたら人々に行動を促せられるのか、そこに注力している。『いますぐ購入する』と書かれた広告を見せれば、その人が行動を起こす可能性を生じさせられる。それはつまり、弊社のクリエイティブにはふたつを同時に行なう必要があることを意味する――物語を伝え、ダイレクトレスポンスを引き出す、そのふたつだ」と、インパーフェクト・プロデュースのグロース部トップ、ジェレミー・グレウィッツ氏は語る。同社は美的理由からスーパーマーケットの商品棚に並べられない農産物を顧客に直接届ける事業を行なっている。「顧客の動きをトラッキングするには、クリック数とコンバージョン率を注視すればいい」。

手応えを感じるYouTube

先のD2C会議のおかげで、YouTubeは自身の強み――顧客視聴データ、マスオーディエンスへのリーチ力、そしてそのオーディエンスの新ブランドに対する探究意欲――をD2Cブランド勢が新規顧客をターゲットにするために必要なツールのひとつとして明確に位置づけできたと、レットキー氏は語る。氏いわく、会議は今年後半にもう一度開催するという。

「我々は引き続き、フィードバックの収集と対応にフォーカスしていく」と、レットキー氏は語る。

Hilary Milnes(原文 / 訳:SI Japan)