かつてはTwitterとして知られていたプラットフォームのXは、「X Blue」登録ユーザーに広告収益の支払いを行なっている。それによって、同プラットフォームにより多くのコンテンツクリエイターを引きつけようとしているのだ。
「報酬ポテンシャルを通じてコンテンツクリエイターたちにアピールすることで、X Blueの加入者を増やし、クリエイターにとってのXの印象を再構築できるかもしれない」と、マーケターやエージェンシー幹部、そしてクリエイターたちは考えている。
何人かのクリエイターは、Xが8月7日にクリエイターへの支払いを開始した後、数百ドルから数千ドルの支払いを受け取ったと報告している。支払いを受け取るための条件として、アカウントはユーザー認証されており、少なくとも500人のフォロワーを持っていなければならない。また、過去3カ月で300万のインプレッションを持つことで、クリエイターに広告収益の一部を受け取る資格が与えられる。同社は、クリエイターが引き出せる最低金額は以前の50ドル(約7292円)ではなく、10ドル(約1458円)から引き出せると説明している。
クリエイターへの報酬
アルヴィン氏(プライバシーを理由に、苗字は公開していない)は、@sondesixとしてオンラインで活動しており、Xで10万1000人のフォロワーを持つテック関連のレビュアーおよびインフルエンサーだ。彼は2月1日から7月31日まで、約1億6000万のインプレッションがあったといい、その期間で彼が受け取った金額は657ドル(約9万5千円)だった。
「ちゃんと支払いが行われることを確認したことで、引き続きXでコンテンツを制作し、報酬を受け取ることができるという希望を持つようになった」と、アルヴィン氏はDIGIDAYに語った。報酬のポテンシャルは、アルヴィン氏にXに対する希望を与えたものの、「ほかのX Blueのユーザーがお金を稼ぐためだけに、バイラルツイートを利用したエンゲージメントの増産を試みるのではないか」と、同氏に心配を抱かせている。
もう一人のクリエイター、AJオーカミ氏(@OkamiGames)の例を見てみよう。同氏のコンテンツはゲームに焦点を当てたもので、Xでは3万2000以上のフォロワーを持っている。彼は2023年2月から6月までのエンゲージメントレベルに基づいて、約0.17ドル/100Kインプレッションのレートで9510万のインプレッションを集め、それに対して162ドル(約2万3千円)の支払いを受け取った。
一方、コンテンツクリエイター兼ゲーム「NBA 2K」のストリーマーであるアルバノ氏(@_oFAB、セキュリティ上の理由で苗字を公開しないと述べた)は、X上で1万3000人のフォロワーを持っており、同氏は1万5000ドル(約218万円)以上の支払いを受け取った、と公に語っている。なお、アルバノ氏は本稿のためのコメントに応答しなかった。
これらについて、DIGIDAYはXにインタビューのリクエストをしたが、返答として受け取ったのは「うんち」の絵文字だった。
「Xのオーナーであるイーロンと彼のチームは、自分たちが何をしているのか全く分かっていないようであり、すべての変更がネガティブなものであるように感じる。クリエイターへの支払いでようやく何かポジティブなことをしたが、ほかのユーザー全員に対して機能を有料化しているため、(クリエイターに対する支払いも)まだ不快に感じる」と、オーカミ氏は述べた。
かつてはTwitterとして知られていたプラットフォームのXは、「X Blue」登録ユーザーに広告収益の支払いを行なっている。それによって、同プラットフォームにより多くのコンテンツクリエイターを引きつけようとしているのだ。
「報酬ポテンシャルを通じてコンテンツクリエイターたちにアピールすることで、X Blueの加入者を増やし、クリエイターにとってのXの印象を再構築できるかもしれない」と、マーケターやエージェンシー幹部、そしてクリエイターたちは考えている。
何人かのクリエイターは、Xが8月7日にクリエイターへの支払いを開始した後、数百ドルから数千ドルの支払いを受け取ったと報告している。支払いを受け取るための条件として、アカウントはユーザー認証されており、少なくとも500人のフォロワーを持っていなければならない。また、過去3カ月で300万のインプレッションを持つことで、クリエイターに広告収益の一部を受け取る資格が与えられる。同社は、クリエイターが引き出せる最低金額は以前の50ドル(約7292円)ではなく、10ドル(約1458円)から引き出せると説明している。
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クリエイターへの報酬
アルヴィン氏(プライバシーを理由に、苗字は公開していない)は、@sondesixとしてオンラインで活動しており、Xで10万1000人のフォロワーを持つテック関連のレビュアーおよびインフルエンサーだ。彼は2月1日から7月31日まで、約1億6000万のインプレッションがあったといい、その期間で彼が受け取った金額は657ドル(約9万5千円)だった。
「ちゃんと支払いが行われることを確認したことで、引き続きXでコンテンツを制作し、報酬を受け取ることができるという希望を持つようになった」と、アルヴィン氏はDIGIDAYに語った。報酬のポテンシャルは、アルヴィン氏にXに対する希望を与えたものの、「ほかのX Blueのユーザーがお金を稼ぐためだけに、バイラルツイートを利用したエンゲージメントの増産を試みるのではないか」と、同氏に心配を抱かせている。
もう一人のクリエイター、AJオーカミ氏(@OkamiGames)の例を見てみよう。同氏のコンテンツはゲームに焦点を当てたもので、Xでは3万2000以上のフォロワーを持っている。彼は2023年2月から6月までのエンゲージメントレベルに基づいて、約0.17ドル/100Kインプレッションのレートで9510万のインプレッションを集め、それに対して162ドル(約2万3千円)の支払いを受け取った。
一方、コンテンツクリエイター兼ゲーム「NBA 2K」のストリーマーであるアルバノ氏(@_oFAB、セキュリティ上の理由で苗字を公開しないと述べた)は、X上で1万3000人のフォロワーを持っており、同氏は1万5000ドル(約218万円)以上の支払いを受け取った、と公に語っている。なお、アルバノ氏は本稿のためのコメントに応答しなかった。
これらについて、DIGIDAYはXにインタビューのリクエストをしたが、返答として受け取ったのは「うんち」の絵文字だった。
「Xのオーナーであるイーロンと彼のチームは、自分たちが何をしているのか全く分かっていないようであり、すべての変更がネガティブなものであるように感じる。クリエイターへの支払いでようやく何かポジティブなことをしたが、ほかのユーザー全員に対して機能を有料化しているため、(クリエイターに対する支払いも)まだ不快に感じる」と、オーカミ氏は述べた。
よいコンテンツがエンゲージメントを生む
広告収益の一部をユーザーに支払う取り組みは、マスク氏の(Twitter)買収とリブランディング後に起きている問題を軽減しようとする試みのひとつだろうと、マーケターたちは注視している。加えて、ライバルであるメタ(Meta)のThreadsのエンゲージメントが小さなものである現状も、拍車をかけているのかもしれない。
ここ数年における記録的な速さでダウンロード数を達成したThreadsは、Xと競争する新しいアプリとして設計された。メタはXの苦境を利用してThreadsを作成したかたちだ。それに応じて、Xはクリエイターに報酬を提供する動きを見せているのだ。
「YouTube、TikTok、インスタグラム、Twitchのように、よいコンテンツがエンゲージメントを生むとXは信じているようだ」と、ブランド戦略エージェンシーであるVSAパートナーズ(VSA Partners)の戦略部長、マイク・リー氏は述べた。
また、「私の理解では、Xはあらゆる楽しみを提供するアプリであることを目指している。しかし、このビジョンを実現するためには、魅力的なコンテンツが必要であり、そのためにはプラットフォームにコンテンツクリエイターを引き付ける必要がある。同時に、Xがブランドを効果的に取り込むためには、ブランドにとって安全なエンゲージメントを提供する必要がある。それにはコンテンツとコンテンツクリエイターが必要だ」と続けた。
他社との差別化
Threadsのユーザーエンゲージメントは、センサータワー(Sensor Tower)のデータによれば、7月にローンチしてから大幅に減少している。
8月8日と8月9日の2日間で、アクティブユーザーの数は8月5日に比べて約20%減少し、ユーザーごとのプラットフォーム滞在時間は20分から10分に減少した。オーカミ氏とアルヴィン氏の両者は、Threadsが(クリエイターたちに)マネタイズの方法やバイラルコンテンツを見つける方法を提供していないため、「懐疑的だ」と述べている。
クリエイターに報酬を支払うことで、Xが他社とより差別化する道筋を作ることができるかもしれない。「Xはインターネットにおける(何でもありな)開拓時代の世界として振る舞いたいようで、それはレディット(Reddit)が今のようなマーケターや一般人にフレンドリーになる数年前のように感じる」と、広告エージェンシーのヒューズクリエイト(Fuse Create)のクリエイティブ戦略部長であるジャッキー・コスチュク氏は述べた。
[原文: X is trying to entice content creators and former followers back with payouts]
Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)