バイドゥ(百度)は中国最大の検索エンジンだ。「中国のGoogle」と呼ばれることも多い同社の2016年第1四半期の売上は、前年同期比24%増の158億元(約2678億円)だった。 マーケティングに関して、バイドゥのしくみ […]
バイドゥ(百度)は中国最大の検索エンジンだ。「中国のGoogle」と呼ばれることも多い同社の2016年第1四半期の売上は、前年同期比24%増の158億元(約2678億円)だった。
マーケティングに関して、バイドゥのしくみはGoogleに似ているが、多少違う点もある。以下、バイドゥの3つの主要広告コンポーネント(検索、バイドゥユニオン、ブランドゾーン)について、ブランドとパブリッシャーがどのように使えるか解説する。
まずはじめに、ブランドやパブリッシャーが知っておくべきことは?
バイドゥは検索エンジンとして誕生したものなので、そのプラットフォーム上において検索エンジン最適化(SEO)が欠かせない。Googleと同様、バイドゥに最適化するためには、品質の高いコンテンツを持ち、バイドゥに合わせたテクニカルSEO要件を満たし、さらに、中国政府の検閲制度に関する法律に従うことが必要だ。
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有料検索やPPC(Pay Per Click)広告について見てみると、スポンサードアドはキーワード入札に基づいて販売され、オーガニックな検索結果よりも上位に表示される。バイドゥは、誰もが無料でアカウントを開設できるGoogleアドワーズのような管理者ツールを提供していない。政府による規制のため、マーケターは営業許可の申請と(外国企業ならば)入札資金のデポジット(保証金)が必要だ。その後、バイドゥがアカウントを開設する代理人を指定するのだが、これには1週間ほどかかる。アカウント開設後、マーケターがログインしてアカウントを管理できる。
1つの漢字が5つ以上の意味を持つ場合があるので、欧米のマーケッターは、現地スタッフを雇ってコンテンツの校正をしてもらい、正しい言葉が使われていることを確認すべきだろう。
バイドゥユニオン(百度联盟)とは?
バイドゥユニオンは、Googleディスプレイネットワークのようなものだ。バイドゥが所有、運営する検索製品、音楽プレーヤー、デスクトップアプリのほか、パートナー企業のサイトでも広告を表示することができる。バイドゥのアルゴリズムが、ターゲットオーディエンスのデモグラフィックデータ、位置情報、閲覧履歴に基づいて、広告を表示する場所と形式を決定する。広告フォーマットとしては、バナー、テキストリンク、動画、フルスクリーン、リッチメディアなどがある。
バイドゥユニオンの一部であるバイドゥワンメン(网盟)は、 60万のWebサイトからなるネットワークだ。簡単にいえば、ユニオンは広告主向け、ワンメンはパブリッシャー向けということになる。ワンメンのしくみはGoogleアドセンスに似ていて、広告料、広告フォーマット、最高額を支払った広告の掲載位置の決定権はコンテンツサイトにある。
バイドゥブランドゾーン(品牌专区)のしくみは?
バイドゥブランドゾーンは、バイドゥの検索結果のいちばん上に表示され、特定のブランドを取り上げる。この小さなブランディングセクションは、企業の基本情報、新製品、そのブランドの製品を購入できるウェブサイトを教えてくれる。ブランドゾーンを購入することで、ブランドは公式サイトへのビジター増を期待できる。
たとえば「BMW」と打ち込むと、BMWの最新モデルや企業サイト、関連広告を見ることができ、試乗の予約もできる。
価格は?
バイドゥの3年前の 発表によれば、価格は最高で月額10万元(約168万円)だ。これ以降、価格の改定はまだされていない。
Yuyu Chen(原文 / 訳:ガリレオ)
Image courtesy of WIKIMEDIA COMMONS