Google のナビアプリ、WPP提携で「広告ビジネス」を強化

Googleのナビゲーションアプリ「ウェイズ(Waze)」は、アドバイイングの巨人、グループ・エム(GroupM)を抱えるWPPとの新たな契約によって、広告ビジネスを強化しようとしている。

ウェイズと手を結んだことは、このアプリへの一意なアクセスをWPPに与え、エージェンシーとして容易にクライアントを取り込み、管理することができる。さらにWPPは、ウェイズが新しい広告フォーマットを開発し、広告機能を改良する手助けもすると、WPPの企業戦略ならびにデジタル開発担当シニアバイスプレジデントを務めるサンジャ・パルタロ氏は語る。

「我々は力を合わせて、クリエイティブとテクノロジー、両方の視点から、ウェイズの広告フォーマットやプラットフォーム全体を活用する方法を考え、ベストプラクティスを作り出す。ラジオや看板のような従来型のメディアを通じて、いま利用できるものと比べてよりよい体験をドライバーに提供し、ブランドにとっても、よりコンテクスチュアルでターゲット化された体験を提供することが目標だ」と、パルタロ氏は話す。

ウェイズの強み

ウェイズは、1億1500万人の月間アクティブユーザーを測定し、行動を促すことができる携帯電話向けの広告板として投入された。2017年12月、YouTubeの幹部で長年マーケティングを担当しているスージー・レイダー氏は、ウェイズに移動し、米国内の広告販売部門を率い、エージェンシーとともにビジネスを成長させる手助けをすることになった。ウェイズは、過去9カ月間に広告ビジネスを2倍にしたと主張しており、2018年5月には1万5000の小・中規模のビジネスだったものが現在の3万まで成長した。

WPPは、顧客を拡大する計画を持っている。パルタロ氏は、ウェイズの広告製品はクイックサービス方式のレストランやガソリンスタンド、小売店では「明らかなチャンス」になると話す。実店舗への客足が減少し、カーブサイド・ピックアップ(店舗に入らず駐車場などで商品を受け取れるサービス)が増加していることを考えれば、パルタロ氏は、伝統的に店での衝動買いで栄えているブランド向けのビジネスの成長に関心を持っている。

「衝動買いをする瞬間はなくなりつつある。ターゲット(Target)に足を運べば、何かを見つけるので、本当は欲しくないものを買ってしまう、あるいは買おうかと考えてしまうことになると、誰もが直感的に理解している。製品カテゴリーの多くは、瞬間ごとに生まれては消える。だが、人々がAmazonへ行くと、だいたいはリストを実行している。我々が関心を持っているのは、人々がクルマに乗っているときのなんとなく受動的な心理状態と衝動による突き動かしをどのようにとらえるかという点だ」と、パルタロ氏は語る。

安上がりな費用

ウェイズの広告は、効果的で安上がりだと証明されている。米DIGIDAYが2018年5月に入手した媒体資料によると、広告費用はビジネス広告で1ロケーションで1日あたり2ドルから始まる。ウェイズの広報担当者は、この価格設定はいまも同じだと言った。ローカル広告と、大手ブランド向けの価格はインプレッション単価(CPM)だ。媒体資料のなかでウェイズはさらに、広告主がウェイズ広告を通じた店舗への誘導が33%増えたと見ていることを謳っている。

ただし、広告がいつもユーザーに歓迎されるとは限らない。あるウェイズユーザーは米DIGIDAYの取材に対して、ロサンゼルスでは朝の通勤時間帯にマクドナルド(McDonald’s)のコーヒーの広告をしょっちゅう受け取るが、マクドナルドのコーヒーを飲みたいとは思わないと話した。別のユーザーもまた、不要なタコベル(Taco Bell)の広告が送られてくることについて不満を漏らした。3人目のユーザーは、最寄りでもなければ最安値でもない、つまり無駄なガソリンスタンドの広告を受け取っていると語った。

パルタロ氏は「多くの人にとってクルマのなかは神聖な場所なので、我々は強引なことはしたくない。そこは密接な環境だ。車内のキャンバスがどういうものかは知っているが、そこに何を表示するのが適切なのか、何が役に立つのか、何が受け入れられるのかを調べはじめたところだ」と述べた。

Googleとの関係

広告は、さらなるパーソナライゼーションを通じて改善されていく可能性はある。Googleに所有されてはいるが、Googleとウェイズはバックエンドは別物だ。広告主は、Googleデータを基にウェイズユーザーをターゲット化することはできない。1日のうちの時間、目的地、交通、天候をベースにウェイズをターゲット化することに限定されている。もちろん、ウェイズが広告ビジネスを成長させ続ければ、状況は変わるだろう。

Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)