TikTokの新検索サービス――同社の広告マネージャー経由のみのベータ版だったが、8月第4週から全広告主の利用が可能になった検索連動型広告トグル――は、いまだ初期段階にあるが、その手軽さと発見性へのフォーカスがいずれもブランド顧客を抱えるエージェンシー幹部らを惹きつけている。
TikTok上での検索は2022年を通じてますます注目されており、マーケター勢は検索に関する最新の消費者行動、つまり検索エンジンとしてTikTokを使う若年層の傾向を、自身の利益のためにどう活用できるのか、その術を見出そうと努めている。
今回の検索連動型広告トグル導入を受けて、エージェンシー幹部らはTikTok上でのソーシャル検索に対する関心の高まりが今後、オーガニックだけでなく、ペイドへのフォーカスにも繋がることを期待している。
説得力があり、負担のかからない非常に優れた検索統合
新たな検索連動型広告トグルは、TikTokのブログ投稿によれば、広告主がすでに同プラットフォーム上で配信しているインフィードクリエイティブを使用するもので、当該広告に関連する事物を検索したユーザーにそれを提供するという。
エージェンシー幹部らによれば、このトグルへの関心を引くために同プラットフォームは広告主にインセンティブは与えていないという。幹部らは、「利用の手軽さ(広告主は同機能をオンまたはオフにするだけでいい)は同プラットフォームにとって間違いなく、ピッチの好材料になるだろう」と言う。また、「エージェンシー側にしてみれば、持ち上げるのが大変な重石ではない」と、PGRメディア(PGR Media)のパフォーマンスマーケティング部門ディレクターであるレイチェル・サンター氏は話す。
さらに、「説得力があり、負担のかからない非常に優れた検索統合だ」と、デロイトデジタル(Deloitte Digital)のソーシャル、コンテンツ、インフルエンサー部門マネージングディレクターであるケニー・ゴールド氏も評する。「見るからにシンプルなプロダクト。悪い意味のシンプルではなく、理解しやすいという意味でのシンプルだ。発見性を重視しており、ほかのソーシャルチャネルと重複しない多くのオーディエンスがいる、という事実も重視している。優れたリーチ手段だ。TikTokはこれを自身のセルフサーブ型プラットフォームに本気で浸透させたいのだろう」。
TikTokの新検索サービス――同社の広告マネージャー経由のみのベータ版だったが、8月第4週から全広告主の利用が可能になった検索連動型広告トグル――は、いまだ初期段階にあるが、その手軽さと発見性へのフォーカスがいずれもブランド顧客を抱えるエージェンシー幹部らを惹きつけている。
TikTok上での検索は2022年を通じてますます注目されており、マーケター勢は検索に関する最新の消費者行動、つまり検索エンジンとしてTikTokを使う若年層の傾向を、自身の利益のためにどう活用できるのか、その術を見出そうと努めている。
今回の検索連動型広告トグル導入を受けて、エージェンシー幹部らはTikTok上でのソーシャル検索に対する関心の高まりが今後、オーガニックだけでなく、ペイドへのフォーカスにも繋がることを期待している。
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説得力があり、負担のかからない非常に優れた検索統合
新たな検索連動型広告トグルは、TikTokのブログ投稿によれば、広告主がすでに同プラットフォーム上で配信しているインフィードクリエイティブを使用するもので、当該広告に関連する事物を検索したユーザーにそれを提供するという。
エージェンシー幹部らによれば、このトグルへの関心を引くために同プラットフォームは広告主にインセンティブは与えていないという。幹部らは、「利用の手軽さ(広告主は同機能をオンまたはオフにするだけでいい)は同プラットフォームにとって間違いなく、ピッチの好材料になるだろう」と言う。また、「エージェンシー側にしてみれば、持ち上げるのが大変な重石ではない」と、PGRメディア(PGR Media)のパフォーマンスマーケティング部門ディレクターであるレイチェル・サンター氏は話す。
さらに、「説得力があり、負担のかからない非常に優れた検索統合だ」と、デロイトデジタル(Deloitte Digital)のソーシャル、コンテンツ、インフルエンサー部門マネージングディレクターであるケニー・ゴールド氏も評する。「見るからにシンプルなプロダクト。悪い意味のシンプルではなく、理解しやすいという意味でのシンプルだ。発見性を重視しており、ほかのソーシャルチャネルと重複しない多くのオーディエンスがいる、という事実も重視している。優れたリーチ手段だ。TikTokはこれを自身のセルフサーブ型プラットフォームに本気で浸透させたいのだろう」。
オーガニックコンテンツの重要性を強調
もっとも、この検索連動型広告トグルの利用がCPMにどう影響するのかは、エージェンシー幹部にも見えておらず、現段階では何とも言えない。これに関し、米DIGIDAYはTikTokに質問を送ったが、すぐに回答は得られなかった。
「この新サービスの魅力は第1に、ユーザーの検索内に登場するオーガニックコンテンツという、広告主がすでに同プラットフォーム上でオーガニックな配信に努めているものをベースにできる点だろう」と、エージェンシー幹部らは説明し「その背後に有料コンテンツも容易に用意できるようになる」と言い添える。
「TikTokは同プラットフォームにおけるオーガニックコンテンツの重要性を強調するという点で極めてよい仕事をしている」と、メカニズム(Mekanism)でチーフイノベーティブオフィサー兼パートナーを務めるブレンダン・ガーン氏は話し、「我々はTikTokの検索連動型広告をすでに実践しており、オーガニックを介した同プラットフォームに対する関心増への期待は今後も引き続きフォーカスすることになるだろう」と付け加える。
TikTokへの検索連動型広告導入は、検索とソーシャルの繋がりをより強く意識する広告主側の動向を受けてのことだ。エージェンシー幹部らによれば、これはソーシャル内での検索統合に向かう大きな流れの一部であり、マーケターとエージェンシーが自身のオーガニックコンテンツを周知するための一助として、消費者の検索時にそれらを登場させるべく、検索キーワードや検索行動、検索意図の活用努力により多くの時間を投じている、という動きが背景にあるという。
検索におけるコンバージョンはすでに起きている
「これは誰かの検索と、その検索との関連性が極めて高い広告をマッチングさせるということ。そこが非常に興味深い」と、ロンドンのVMLY&Rでソーシャルメディア部門トップを務めるクリスティナ・ミラー氏は指摘し、「まだクライアントのために検索連動型広告トグルをアクティベートしていないが、検索におけるそうしたコンバージョンは全体としてすでに起きている」と話す。「人々がこの先、そうした広告に、そうしたブランド/プロダクトディスカバリーによりいっそう受容的になることは、容易に想像できる。というのも、それはそもそも、彼らが積極的に探し求めているもの、積極的に検索しているものだからだ」。
また、ミラー氏はこう続ける。「ブランドの観点で言えば、私が自身のコンテンツを、たとえばホットチョコレートのレシピを探している人に提供できても、その人にとってはベイリーズ(Baileys)のホットチョコレートは、私がいまこの検索連動型広告トグルを使って彼らの前に出せるオプションとして、最高のものとは思わないかもしれない。しかしそこは問題ではない。重要なのは、それはまさに我々がオーガニックにしようと努めていることであり、この機能はそれを保証してくれる、という点だ」。
クリエイティブエージェンシーのハッピーラッキー(Happylucky)でストラテジーディレクターを務めるシドニー・マッジ氏もこの考えに同意する。「TikTokでは長らく、こちらはコンテンツを配信し、それが『おすすめ』に届くことを、運を天に任せて祈るしかなかった」と同氏は話す。
また、「面白いと思ってもらえるオーガニックコンテンツ、しっかりとしたオーガニックコンテンツを作れば、きっと火が付いてくれるはず。これまでは、そう願うしかなかった。それがいまや、優れたオーガニックコンテンツを作れば、同様の有料コンテンツを作れるし、そうなれば、運を天に任せるしかなかったことが、もっと確実なものになる。これまでの検索では、それは期待できなかった」と言い添えた。
[原文:With TikTok’s new search ad toggle, agency execs see marketers accelerating organic search efforts]
Kristina Monllos(翻訳:SI Japan、編集:島田涼平)