3カ月間のうち2度も、Facebookはアルゴリズムに微調整を加えた。
今回は、友人や家族からの投稿をパブリッシャー向けの投稿よりも優遇している。Facebookによるオーディエンス開発戦略の構築に、ますます力を入れてきているパブリッシャーにとっては、嬉しくないニュースだ。
成功しそうな、そして失敗しそうなパブリッシャーまたはコンテンツを紹介したい。
3カ月間のうち2度も、Facebookはアルゴリズムに微調整を加えた。
今回は、友人や家族からの投稿をパブリッシャー向けの投稿よりも優遇している。Facebookによるオーディエンス開発戦略の構築に、ますます力を入れてきているパブリッシャーにとっては、嬉しくないニュースだ。
なにしろ、Facebookからのトラフィックが、全体の3/4以上を占めているパブリッシャーもいるのだから。
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こうしたFacebookの動きに対して、当然ながら、Twitterでは警戒が広がっている。こんな投稿もされた。
Can we dub the coming Facebook news feed change with a name?#Friendmageddon#Sharemageddon#NewsFeedmageddonhttps://t.co/SoU49Dr1Ri
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2016年6月29日
これからFacebookのニュースフィードの呼び名変えていい?
しかし、すべてのパブリッシャーやコンテンツが同じように作られているわけではない。そのため、この逆境を乗り越え、他社を出し抜くことができるパブリッシャーやコンテンツタイプもあるだろう。
成功しそうな、そして失敗しそうなパブリッシャーまたはコンテンツを紹介したい。
Winners / 勝者たち
シェアできるコンテンツ:この最新のニュースフィード変更のポイントは、エンゲージメントが減少している状況と、そのトレンドトピックニュースセクションが政治的に偏っているとの非難が背景にある。そのため、Facebookはパブリッシャーのコンテンツよりも、家族・友人からの投稿を優先したのだ。人々は、自分が個人的に知っている人による投稿を共有する可能性が高い。つまり、高いシェア率を持つパブリッシャーなら、良い影響がありそうだ。
それは、たとえばバイラルサイト「リトル・シングス(LittleThings)」がよく取り上げる、元気が出たり、感動できたりする記事やトピックのことで、悲観的なニュースではない。 「陸軍兵士の帰国、義足を必要とする子供のための募金呼びかけは高いシェア率を獲得している」とリトル・シングスの共同創設者ジョー・スペイサー氏は述べた。「飛行機墜落事故のニュースではそうはいかない」。
動画:Facebookはニュースフィードを動画配信に偏向させてきており、一部のパブリッシャーには、ライブ動画作成向けの費用さえ負担しているほどだ。今回の移行により、マッシャブル(Mashable)からニューヨーク・タイムズ(The New York Times)に至るパブリッシャーは、人々を満足させる動画作成を急いでいる。Facebookが望むものを提供しているこれらの企業にとって、そうした行為は利益を生み出すことを意味するからだ。
調査企業ニュースウィップ(NewsWhip)のデータを米DIGIDAYが分析したところ、動画は記事のリンクよりも7倍以上シェアされる可能性が高い。Facebookがフィード上で動画を好み続ける限り、動画に大きく賭けているような、BuzzFeed、アップワーシー(Upworthy)やNowThis(ナウディス)といったパブリッシャーたちが恩恵を受け続ける可能性がある。
直接アップロードされるコンテンツ:Facebookは直接投稿を行うパブリッシャーに見返りを与えてきている。おそらく同社がそうしたコンテンツを支持しており、読み込みもより早いためだろうが、パブリッシャーのサイトに戻る、昔ながらのリンクよりも、そのコンテンツに対してより多くのアクションが人々によって起こされることが、ニュースウィップによって明らかにされている。
コンテンツパブリッシャーが、記事の素早いローディング機能を擁するインスタント記事で投稿を行うことが多くなると、よりエンゲージメント率が高くなり、ニュースフィードでそのコンテンツがさらに再循環されるようになることを示唆している。
Losers / 敗者たち
中規模のパブリッシャー:Facebookにそのトラフィックの多くを依存する大きなサイトは、多少影響を受けるかもしれない。だが、ダイレクトオーディエンスを構築するための、より多くの要員を依然として擁しており、別のプラットフォームからもトラフィックを獲得できる。しかも、Facebookとも密接に協力しあっているはずだ(または、もちろんFacebook上で自らの投稿を広めるためにお金を支払うこともできる)。
小規模のパブリッシャーははじめからFacebook上で非常にわずかなオーディエンスしかもっていないので、彼らもこの変更を乗り切るだろう。小さな企業でありながら、拡大にあたってFacebookにそこそこ依存している企業がもっとも影響を被ると、バーティカル旅行サイト「スキフト(Skift)」の創設者兼CEO、ラファット・アリ氏は述べる。
「規模が小さくFacebookに大きく依存している場合、もうおしまいだ」と、彼は語る。「多くのバーティカルパブリッシャーのように規模が小さくても、Facebookが占めるオーディエンスの割合が小さいのなら、つまり我々『スキフト』のように、その重要度が低いのであれば、意に介することはない」。
ニュース:最新のニュースフィードの変更は、ありふれた、逆ピラミッド型ニュースに重点をおいていないように思われるが、だからといって、すべてのニュースが消える運命であるということではない。ニュースウィップによると、強い反応を引き出し、幅広いオーディエンスに語りかける、もしくはニッチ分野で専門知識を持っているオリジナルで、よくまとめられた記事はこれまで成功してきている。
ある視点を伝えたり、経験を詳しく述べたりする記事は、読者たちが自分たちのアイデンティティや意見を表現する役に立つため上手くやっていけると、ボストン・グローブ(The Boston Globe)のソーシャルメディアディレクター、マット・カロリアン氏は語る。
「パブリッシャーにとって、読者が友人と会話を開始するとっかかりになるコンテンツを公開することが、ますます重要になるだろう」と彼はいう。「それが長くても、短くても、人々が友人とそれについて語れる記事を配信する、そうすれば、大丈夫だ」。しかし、ありふれたニュース速報や、更新では、成功する見込みは薄い。