Facebookの真のライバルは、いまだTwitterなのかもしれない。「Instant Articles」を通したパブリッシャーとの連携や、Snapchatとの連携で、Facebookは業界の大人から若い世代まで幅広く好評を得ている。
そんな状況にあってもなお、相変わらずTwitterの不透明な「認証済みアカウント」システムについて不満をこぼしているユーザーが多いのは、その根強い人気を表しているのだろう。そして同時に、これはなかなか解き明かされないネット業界の謎として知られている。
本記事では、Twitterがどういった基準で憧れの認証マークを特定のユーザーに与え、なぜそれが毎度取り沙汰されるのかを考察したいと思う。
Facebookの真のライバルは、いまだTwitterなのかもしれない。「Instant Articles」を通したパブリッシャーとの連携や、Snapchatとの連携で、Facebookは業界の大人から若い世代まで幅広く好評を得ている。
そんな状況にあってもなお、相変わらずTwitterの不透明な「認証済みアカウント」システムについて不満をこぼしているユーザーが多いのは、その根強い人気を表しているのだろう。そして同時に、これはなかなか解き明かされないネット業界の謎として知られている。
本記事では、Twitterがどういった基準で憧れの認証マークを特定のユーザーに与え、なぜそれが毎度取り沙汰されるのかを考察したいと思う。
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なぜ、いまだ「認証済みアカウント」が取り沙汰されるのか?
Twitterの「認証済みアカウント」とは、Twitterのアカウント名の脇に付いているチェックマークのこと。基本的には芸能人やスポーツ選手、政治家など著名人にのみ発行されるもので、Twitterがその本人であることを認めた証になる。このシステムがあることで、いわゆる「成りすまし」のアカウントと「本人」のアカウントを区別することができる。
しかし、いまだこのシステムの不透明性についての疑問が無くならない。どのような基準で、そのチェックマークを付与しているのか不明なのだ。以前、Twitterはユーザーが認証マークの申請ができる公式ページを公開していたが、2010年に閉鎖。このことについてのTwitterの問い合わせページがとても曖昧で、より疑問を深めるのである。
なぜ、この問題が重要なのか?
2009年にTwitterが認証マークを作成した時、それはすぐにユーザーの憧れのバッジとなった(Facebookもすぐにこれを真似した)。認証マークを与えれば与えるほど、より多くの人が求めた。出版社やジャーナリストにとって、自らのプロフィール写真の横に認証マークがあれば、読者や広告主の信頼度がより増すからだ。旅行情報メディア「Skift」の設立者であるラファト・アリ氏はこう話す。「認証マークは人々が自社を新たな情報源として見てくれる信頼の証になる。旅行代理店業界では認証されたということはとても重要だ」。
実際、Twitterは何と言っているのか?
このことについてTwitterの公式問い合わせページでは多くを語っていない。あるいは、故意にそうしているのかもしれないが、認証条件は絶えず更新しているとし、フォロワー数やツイート数は条件に含まないという。一般からの要請は受け付けておらず、メディア、政府、音楽や演劇など、「注目分野」のアカウントへ、認証マークを継続的に与えているそうだ。米DIGIDAYは、現在、Twitterに詳しい説明を求めており、回答があり次第、情報を更新していく。
希望するユーザーは、どんな苦労をしているのか?
外部の人間からすると、この認証プロセスは恣意的に見えてもしかたがないかもしれない。音楽雑誌「The Fader」の代表者アンディ・コーン氏は当初、「The Fader」のアカウントが認証マークを受けるには、広告費として$15000(約150万円)を払わなければならないと、Twitterから伝えられた。小さな独立出版社が払える額ではない。その後、コーン氏はたまたま、Twitterの社員とSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト:テキサス州で開かれるIT分野のフェスティバル)にて話す機会があり、その問題について説明した。すると、同社員は会社に電話をかけ、1時間後には「The Fader」は認証マークを与えられたというのだ。
認証アカウントの多くは、ジャーナリストたち
事実、認証されているアカウントの1/4はジャーナリストたちだ。申請をしていないにも関わらず、ツイッターは長いあいだ、多くのジャーナリストたちに認証マークを与えてきた。コーン氏の場合は、2012年に自発的に認証を受けた。一方、元「GigaOm」(テクノロジー情報メディア)であり、現在は雑誌「フォーチュン」のジャーナリストであるマシュー・イングラム氏は、認証されるにあたって、2日に渡り、複数の書類を書かなければならなかったという。
認証されるということは、どういうことなのか?
イングラム氏は次のように話す。「そこまで大きな利益はあるとは思えないが、ジャーナリストにとって自分がどんな人物なのかを証明する事ができるから、人とコンタクトを取る際に役立つはずだ。また、認証されているアカウントを持っていると驚かれるので、コンピューターや携帯電話の修理の際、より良いサービスを受けられるかもしれない」とも話した。
少しややこしそう
実際Twitterは、中小企業や同業他社メディアのアカウントについて、認証はしていない。先述の旅行情報メディア「Skift」のアリ氏が、同メディアのアカウントを申請したときに、Twitterの担当者から次のような説明を受けたという。Twitterは、小さな企業や業界メディアが、しっかりとした利益団体であるかどうかを判断出来ないため、方針を定めていないと。しかし、不動産メディア「Curbed」やIT情報メディア「TechCrunch」などのアカウントは、認証を受けているのは不思議だ。
今後は、どうなるのか?
これらの恣意的とも取られかねない対応のバラつきは、Twitterがまだ若い会社であるため、多くの優先事項をいかにこなすかを模索している段階という可能性はある。しかし、新しく成長著しい企業にとって、この不透明性が思わぬリスクとなる可能性もあるかもしれない。米リサーチ会社DCNの最高経営責任者、ジェイソン・キント氏は、「次世代のコンテンツブランドが、このような不透明性のために不利益を被らないように注視している」と、話す。
すべてが少し馬鹿げている
そもそも部外者であるジャーナリストにとって、Twitter認証を受けること自体が少し矛盾している。これが理由でTwitterから脱退したジャーナリストもいるほどだ。ニュースメディア「The Awl」の創設者の一人であるクワイアー・シチャ氏は「ツイッターに認証されるかどうか心配していることほど、格好悪いことはない」として、認証を拒否。同じように認証マークを拒否した人たちの話を記事にしている。
Lucia Moses (原文 / 訳:小嶋太一郎)
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