RETAIL

「テクノロジーや店頭戦略へ再投資し、原点回帰を目指す」: eBay ブラッドフォード・シェルハマー氏

世界最古のeコマースプラットフォームのひとつとして、eBay(イーベイ)が原点に立ち返ろうとしている。

近年、Amazonなどのライバルに後れを取っていたeBayだが、パンデミックが再生にひと役買ったことは間違いない。eBayへの関心が再び高まり、その結果として売上は増加し、全世界のユーザー基盤が拡大した。2020年第3四半期には、米国のマーケットプレイスで販売された商品の総価値が前年同期の73億3000万ドル(約7550億円)から33.4%増加し、97億9000万ドル(約1兆90億円)に達した。

バイヤーエクスペリエンス責任者のブラッドフォード・シェルハマー氏は「eBayにチャンスが舞い込んできた」と話す。「eBayにとっては変革の1年だった」。手にした命綱を無駄にしないため、eBayは現在、パーソナライズドショッピングアルゴリズム、バーティカルショッピング体験といった機能を拡充し、ショッピングプラットフォームを改良している。目的はWebサイトとアプリをアップデートし、現代の出店者と購入者を引き付けることだ。

米DIGIDAYの姉妹サイト、モダンリテール(Modern Retail)に、eBayの最新の計画、マーケットプレイスへの関心を維持するというミッションについて、シェルハマー氏が語ってくれた。なお、以下のインタビューは読みやすさを考慮し、若干、編集を加えている。

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──2020年はeコマースが大きく伸びた。eBayは命綱を投げ込まれた気分なのではないか?

創業25周年という節目に、多くの人が我々のもとに戻ってきたり、eBayをはじめて発見したりしている。多くの場合、必要に迫られてのことだが、これは本当に素晴らしいことだ。また、世界中の出店者に販売機会をもたらすという中核ミッションに立ち返る必要性にも気付くことができた。さらに、プラットフォームの「心地良さ」を強調する興味深いマイクロトレンドをじかに体験した。需要を満たす目的で早期に参入してきた中小企業や個人セラーのあいだで見られたトレンドだ。

──出店者にフォーカスした新しいミッションの中身は?

新たにCEOに就任したのジェイミー・イアノーネ氏は、かつてeBayを利用していたこともあり、新しいミッションのテーマは「原点回帰」だ。これはテクノロジーや店頭戦略への再投資を意味する。我々はしばらく、業務や物流で勝負し、他社のようになることを目指していた。

近年に犯した間違いのひとつは、中古品やコレクターズアイテムなど、eBayのいわば「主力商品」とされている興味をそそるカテゴリーに消極的だったことだ。我々は今、より良いブランド体験を生み出すことで、これらのバーティカルを再び強化する機会を得ている。

──このミッションを実行するため、どのような機能に注力していくのか?

現在、新しいセラーの流入が起きており、eBayで売るのは簡単ではないという声が聞かれる。これは、ちょっとした噂や少数意見ではなく、はっきりしたニーズだ。そこで、出品の手続きを容易にするツールやウェブとアプリの体験を切り替えられるツールを作りたいと考えている。また、ペイパル(PayPal)から離れ、独自の決済システムを構築しようとしている。

さらにわかりやすいユーザーコンポーネントが、iOSおよびAndroidアプリの改良だ。多くの顧客が求めていたダークモードに対応した。

──これから重視するカテゴリーは?

我々の戦略は、シーズンごとに商品を入れ替える未使用新品販売から脱却し、新品同様に整備された再生品を重視することだ。現在、再販、ビンテージ、コレクターズアイテムといったカテゴリーが急拡大している。人々がものだらけの家で過ごしているためだ。そこで我々も、今取り組むべき動きのひとつとして高級時計やスニーカーカテゴリーの顧客に注意を払っている。これらのカテゴリーは我々の売上の大きな部分を占めているためだ。

他社との競争は熾烈だが、中古品の販売はeBayから始まったものだ。我々には世界中にオーディエンスがいるという利点がある。これを生かすための鍵が高級品の第三者認証だった。

2021年には、このような機能をさらに充実させ、出店者の事業拡大を支援したい。いくつかのスタートアップが成長し、我々に迫ろうとしている。古参企業としては試練のときだ。当面の目標は、もっと機敏に動くことができるところにまで達することだ。

[原文:‘We have an opportunity to pivot back’: eBay’s vp of buyer experience Bradford Shellhammer on the company’s path forward

GABRIELA BARKHO(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:分島 翔平)