バイアコムはなぜ、ライブイベントに注力するのか?

バイアコム(Viacom)は、サマーフェスティバルの開催に積極的だ。MTV、コメディーセントラル(Comedy Central)、ニコロデオン(Nickelodeon)といったケーブルテレビ局を擁する同社は、6月だけでも、米国で3つの新しいライブイベントを計画している。「ニコロデオン・スマイルフェスト(Nickelodeon SlimeFest)」、MTVの「ヨー! MTV ラップス(Yo! MTV Raps)」放送開始30周年記念イベント、それに「ビッドコン(VidCon)」だ。ビッドコンはユーチューバーらが集うフェスティバルで、バイアコムは2月、ユーチューバーのハンク・グリーン/ジョン・グリーン兄弟からこのイベントの運営権を獲得した。

バイアコムが関係するイベントはほかにもある。ロサンゼルスで4日間に渡って行われる「BETエクスペリエンス(BET Experience)」は、2017年には13万人以上の観客を集めた。コメディーセントラルが主催する「クラスターフェスト(Clusterfest)」では、コメディアンのジョン・モラニー氏やアーティストのウータン・クラン氏などのパフォーマンスが予定されている。バイアコム傘下のブランドが2018年度に開催するイベントをすべて合わせると、その数は前年度より135%も多い。

もっとも、イベントがバイアコムの収益全体に占める割合はわずかだ。直近の四半期決算では、同社の収益はおよそ31億5000万ドル(約3460億円)だった。一方、イベントの収益は、商品の売上などと同じく付帯収入として計上されるが、その金額は1億6800万ドル(約184億円)だった。ただし、前年同期と比べれば、米国内でも米国外でも大幅に増えている(それぞれ26%および36%増)。また、2018年には2倍近くに増加し、2019年には「2桁の伸び」を示すとバイアコムは予測している。

「健全な成長を続けている」

イベントは、大勢のオーディエンスも引き寄せる。2017年には、バイアコム傘下のブランド名で開催されたイベントを訪れた人の数は、2016年から54%増えて200万人を突破した。2018年にはさらに増加する見込みだという。

「このビジネスは健全な成長を続けている」というのは、バイアコムでマルチプラットフォーム戦略および運営担当エグゼクティブバイス・プレジデントのジェイソン・ジョーダン氏だ。「CEOのボブ(ロバート・バキッシュ氏)を筆頭に、全員がライブイベント戦略に注力している」と同氏は語った。

ジョーダン氏によれば、イベントは、番組の制作に欠かせない有能な人材と接触できる機会を増やしてくれるという。こうした人材には、有名なスターだけでなく、ビッドコンに押し寄せる将来有望なユーチューバーたちも含まれる。「すばらしい共生関係ができている」と、ジョーダン氏はいう。「(ビッドコンに)参加するクリエイターは、自分たちのブランドを育てるためにやって来る。そんな彼らに、新しい機会が提供される。『(バイアコム傘下の)ブランドと一緒に仕事をするチャンスが得られるかもしれない』と、彼らは考えるのだ」。

Snapchatともいい相性

イベントは、Snapchat(スナップチャット)などのプラットフォームで配信できるコンテンツを生み出す場にもなった。バイアコムは最近、Snapchatとのコンテンツ契約を更新し、BETエクスペリエンスなどのイベントを「ストーリー(Stories)」で配信することにした。

「Snapchatなどのプラットフォームは、このようなコンテンツを非常に好む」と、ジョーダン氏はいう。「このようなコンテンツが、彼らには適しているのだ」

さらに、イベントで獲得したオーディエンスデータを、ライブイベントの参加者をターゲットにしたいと考える広告主に販売することもできる。

バイアコム傘下のケーブルテレビ局は、それぞれ独自のイベントを開催している。そこで、ジョーダン氏のグループは、提携先を見つけるなどの支援を彼らに提供している。コメディーセントラルが、スーパーフライ(Superfly)と提携してクラスターフェストを運営しているのは、その一例だ。また、オーディエンスや市場の調査を行って、イベントの開発にかかる時間を短縮できるよう支援している。ほかにも、バイアコムのマーケティングパートナーソリューショングループに対し、彼らが広告主に売り込みをかける際に役立つ情報を提供している。

「ライブイベントでは、予測を立てることが必要だ」と、ジョーダン氏はいう。「我々は、ブランドが予算を立て、費用、利益、成長について検討できるように支援している」と語った。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)