Twitterは、一般ユーザーの数を増やし、毎日利用してもらうための努力は忘れていないようだ。話題になる人気ツイートばかりに頼るのではなく、一般ユーザーがTwitter上での会話により参加しやすくなるようにプロダクトデザインチームは新機能をテストしている。
トランプ大統領やカニエ・ウェストが問題発言をツイートすることで、Twitterはメインストリームでの注目を集め続けている。しかし一般ユーザーの数を増やし、毎日利用してもらうための努力は忘れていないようだ。話題になる人気ツイートばかりに頼るのではなく、一般ユーザーがTwitter上での会話により参加しやすくなるようにプロダクトデザインチームは新機能をテストしている。
ライブ機能や動画機能をこの数年間宣伝してきたTwitterだが、いまのフォーカスは会話、そして健全さにあるようだ。それに応じる形で、新機能を試すだけでなく、Twitterのコアとなっているツイートへの返信といった機能のデザインも変更している。今回の新機能は、いまだテスト中だが、すべてのユーザーがステータスを表示する機能、そして返信スレッドを色分けするというデザイン変更が含まれている。以前にも報じられたように、こういった要素は夏から試験運用を行ったきた。そして、最近になって、Twitterのディレクターたちがこれらのテストの目的について語りはじめた形だ。それによると、これらの新機能は、Twitter上の会話により文脈を加えることが目的のようだ。
ふたつの会話の特性
「パーティで大人数を巻き込んだ会話をして楽しむこともできれば、少人数で親密な会話をすることもできる。それは会話の幅や深さということではなく、現時点でTwitter上でこのふたつの(種類の)会話を持つことが難しい、ということだ。ユーザーには軽くて、いきいきとした会話もしてほしいし、望む人には深い会話も持って欲しい。Twitterにとって大事なのは、ユーザーがどのような会話に時間を費やしたいか、ということだ」と、Twitterのデザインディレクターであるマイク・クルゼニスキー氏は言う。
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誤った情報の拡散については、Facebookばかりが注目を集めがちだが、Twitterも偽情報の拡散の原因として挙げられる。オープンな「会話」のためのプラットフォームを運営し、それを保護するという仕事は人種差別、性別差別、いじめ、その他あらゆる種類のネガティブな言動の肥溜めとなっていると、トップ・エグゼクティブたちの何人かは認める。
TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏は先日、Twitterが「パブリックな会話の健全さを向上させる」べきであると発言している。
ステータス表示はより便利に
Twitter上の会話(そして広告ビジネスに貢献する、プラットフォーム滞在時間)の量を増やすために、他の方法も探している。現在テストされている方法のひとつが、ステータス表示だ。ユーザーがいまどこにいるのか、ユーザー自身の最近のニュースは何か、といった情報をシェアできるのだ。これはSlackや昔のAIMと似ている。ユーザーの中には「いま会議中」といった具合に、ユーザーネームを変更する人がいるが、これがこの機能のインスピレーションであったと、クルゼニスキー氏は言う。この機能を少しバージョンを変えたものが現在、選挙の候補者を対象に運営されている。どの地域のどの議員として立候補しているのかを表示するというものだ。
Twitterユーザーにとってはもちろん、ブランドたちにとってもステータスは便利になるだろう。人々がツイートをしているときにどこにいるのか、推測する必要なく判明するからだ。ツイートが投稿されたときのステータスをツイートに表示させるか、ステータスが変われば消えるようにするか検討中だと、クルゼニスキー氏は言う。
フォローしているユーザーがオンラインかどうかを表示するアイコン表示もテスト中だ。まとめて表示することで、オンラインユーザーのリストをタイムラインのトップなどで確認することができるようになるだろう。Twitterのプロダクトマネージメントディレクターであるサラ・ヘイダー氏は、この機能は選択したユーザーのみが利用するものになるだろうと説明する。
返信ツイートのデザイン変更
返信ツイートのデザイン変更にも取り組んでいる。自分によるスレッド化された会話のひとつにフォローしているユーザーが返信をした場合、その返信は緑色で表示されるといった具合だ。もともとの自分のツイート群は青で表示される。これによって会話スレッドの一部をスワイプで表示させなくしたり、折りたたんだりすることができる。そして会話の流れを理解しやすくするのだ。これによって自分がはじめた会話のマネージメントをより簡単にすると同時に、人の会話のどこに参加するのかを決めやすくなる。少なくともほかのユーザーによる会話の流れを理解しやすくなるはずだと、ヘイダー氏は言う。
Twitter is experimenting internally with some features to make conversations more approachable, including color-coding (you’re blue, people you follow are green) and indented threads. #FCFestival pic.twitter.com/KpqaFMD4K9
— Harry McCracken (@harrymccracken) October 22, 2018
Twitterは会話に参加しやすくするための機能を社内で実験中だ。インデントされたスレッドや色分け(自分は青で、フォローする相手は緑)などがこれに含まれる。
このデザイン変更によってより見やすくなる最近の人気ツイートの例をヘイダー氏は挙げてくれた。たとえば、ノッティングハムで誰かの結婚指輪を見つけた男性が、持ち主を見つけようとしてツイートする、ということが最近あった。しかし、大量の返信を見てみると。彼がどんなアドバイスを他のユーザーたちから受け取ったのか、理解するのは困難であった。返信と本人によるツイートが入り乱れるこういったツイートは、このデザイン変更によって、ぐっと見やすくなるだろうとのことだ。
Kerry Flynn(原文 / 訳:塚本 紺)