Twitter Japanは14日、2017年の事業戦略に関する記者説明会を開催した。広告事業本部長 兼 日本・東アジア事業開発本部長の味澤将宏氏は今年の注力分野を動画広告と説明した。動画消費量の拡大傾向と動画広告市場がモバイル主体で伸びる予測が各所で出ている。動画トレンドは今年日本市場でも大きくなるだろうか。
Twitter Japanは14日、2017年の事業戦略に関する記者説明会を開催した。広告事業本部長 兼 日本・東アジア事業開発本部長の味澤将宏氏は今年の注力分野を動画広告と説明した。さまざまなプレーヤーが同分野に投資をするなか、Twitterは自社の特性である「いま」とマッチするライブ動画に注力するようだ。
味澤氏はライブ型やアーカイブ型の動画広告商品をTwitterがリリースしてきた経緯を指摘。これまではアーカイブ型の「プロモビデオ」が大きなボリュームを占めたが、今後はライブ動画を拡充すると説明した。「さまざまなプラットフォームが動画広告をリリースしているが、自社のプラットフォームの特性に合わせたものをつくっている」。
ライブストリーミングをめぐっては、2015年に買収したPeriscopeをTwitter本体に統合し、Twitter内でもライブ動画の視聴が可能になっている。ライブ動画中にミッドロール広告を挿入するという。ライブ中のミッドロール広告は今年始めにFacebookが開発しているとRecodeが最初に報じた。ライブの視聴者は集中力が高いと言われ、ミッドロール広告は効果が高い可能性はある。
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テレビを観ながらTwitterでつぶやくという利用の仕方が浸透しているが、ライブ動画プラットフォームの統合の後、ライブ動画の下に関連ツイートのタイムラインが出る仕様にし、Twitterで動画を観ながらツイートするという利用も促していると味澤氏は説明した。米Twitterは昨年、米NFLの毎週木曜夜のアメリカンフットボールや米大統領選討論会(全3回)、アカデミー賞授賞式などをライブ中継。ほかにもスポーツイベント、ミュージックビデオのメイキングビデオ、新商品発表などで活用された。味澤氏は「スポーツ、エンターテイメント、ニュースに適している。これを日本でも投資していく」と語った。
テレビとTwitterの興味深い関係
昨年はユーチューバーの芸能事務所UUUM(ウーム)と組んでYouTubeのイベント「U-FES」のライブストリーミングを行った。今年は春の選抜高校野球、東京ガールズコレクションなどのコンテンツを揃える予定だ。UUUMや東京ガールズコレクションは10代の若年層を貫くコンテンツであり、スマホ中心の情報接触を行いテレビが届きづらいと言われる層だ。
またニコニコ動画との協業も進めているという。「ニコニコ動画はライブ動画の製作に長けている。ニコニコ動画の製作とTwitterのリーチを組み合わせることを検討している。コンテンツ開発も考えている」と語った。ニコニコ動画のコンテンツもエンゲージメントの深いニッチ層とみられ、そこに差し込まれる動画は、広告主がキェンペーンでテレビ広告を補完する役割として期待する可能性がある。

Twitter Japan 広告事業本部長 兼 日本・東アジア事業開発本部長の味澤将宏氏(撮影:吉田拓史)
味澤氏は「Twitterは3月下旬から自身のブランドキャンペーンを行う」と語った。月間ユーザー数4000万からよりスケールを出すには自社のキャンペーンが必要と考えたそうだ。「Twitterはヘビーユーザーが多い。もっとツイートしないライトなユーザーにも広がっていきたい」と語った。
Written by 吉田拓史
Photograph by GettyImage