これまで6秒までとされていたTwitterのプレロール広告。これが30秒以上と、飛躍的な長さで配信可能となっている。
プレロール広告が嫌いな人による反発を少なくしようと、即座にスキップできるオプションがつけられている、この長尺広告。2013年から提供されている「Twitterアンプリファイ(Twitter Amplify)」プログラムの一環として、パブリッシャーの動画投稿の前に掲載される。同プログラムの売上は、コンテンツのクリエイターとTwitterに等分されるという。
アンプリファイの提携先メディアの多くが、長時間の広告オプションとスキップボタンを2016年1月の第3週から公式ローンチしたことを認識していたようだ。Twitterは、この件に関してのコメントを避けた。しかし、米DIGIDAYに原文記事が掲載された2016年1月22日の翌日、同社COOのアダム・ベイン氏が、本記事の内容をツイートで認めている。
これまで6秒までとされていたTwitterのプレロール広告。これが30秒以上と、飛躍的な長さで配信可能となっている。
プレロール広告が嫌いな人による反発を少なくしようと、即座にスキップできるオプションも実装された、この長尺広告。2013年から提供されている「Twitterアンプリファイ(Twitter Amplify)」プログラムの一環として、パブリッシャーの動画投稿の前に掲載される。
「Twitterアンプリファイ」の提携先メディアの多くが、長時間の広告オプションとスキップボタンを2016年1月の第3週から公式ローンチしたことを認識していたようだ。
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Twitterは、この件に関してのコメントを避けた。しかし、米DIGIDAYに原文記事が掲載された2016年1月22日の翌日、同社COOのアダム・ベイン氏が、本記事の内容をツイートで認めている。
Yes, we are testing skippable video ads https://t.co/d6eFy2NBrN
— adam bain (@adambain) 2016, 1月 22
Twitter COO,アダム・ベイン
いかにも、我々はスキップ可能な動画広告のテストを行っている。
双方に好ましいメニュー
このアップデートは「Twitterアンプリファイ」を活性化させる可能性がある。なにしろ、6秒間にまとめなければならなかったプレロール広告は、制作ハードルが高かった。実際、テレビCMの尺は30秒が基本だし、それにYouTubeで好評のスキップボタンを掛け合わせることで、ブランドとユーザー双方にとって利益を損なわないメニューとなる。
違いを挙げるとするならば、YouTubeはスキップされた広告には料金は発生しない。一方、Twitterは少なくとも3秒以上観られた広告については、料金が発生するという点だ。
ソーシャルビデオ広告プラットフォーム企業グレイビヨ(Grabyo)社のCEO、ガレス・カポン氏は、「オンラインには、沢山の配信可能な15秒以上や30秒のスポット広告がある」と話している。「この施策によってTwitterは、より迅速に規模を拡大できるだろう」。
UXを邪魔するという意見も
しかし、Twitterにとって、この施策のためにネイティブ広告からは距離ができるのは否めない。「Twitterアンプリファイ」を開始した2013年、短いビデオの方がユーザー体験にフィットするだろうと考えられていた。
ソーシャルメディアエージェンシーのランドリー・サービス(Laundry Service)CEO、ジェーソン・スタイン氏は「Twitterは、プレミアムコンテンツの配信直前にブランドの動画広告を展開できる広告ネットワーク構築を模索中だ」と語る。「Twitterは、広告主がより多くのユーザーにリーチし、パブリッシャーのマネタイズを助けるために、ユーザー体験を邪魔するというアイデアを受け入れたのだ」。
収益でクリエーターに還元
「Twitterアンプリファイ」プログラムのメディア提携先には、フォックス・スポーツ(Fox Sports)やフルスクリーン(Fullscreen)、Vox、テッククランチ(TechCrunch)、バズフィード(BuzzFeed)や各種スポーツリーグなどが存在する。これらの提携先は、しばしばライブイベントや大きなカルチャーイベントなどで、「Twitterアンプリファイ」のビデオ配信を行ってきた。
たとえば、全米フットボール連盟(NFL)はフットボールの試合を「Twitterアンプリファイ」でシェア。アカデミー賞の授賞式も同様にシェアされている。いずれも、プレロール広告によってブランドから高額なスポンサーシップ料が支払われる。
関係筋によると、Twitterは、同プログラムの売上の30%を収益とし、残る70%をクリエイターに支払うという。これはYouTubeやFacebookなどの利用契約よりも、クリエイターにとって好ましい。そして、この好条件がより質の高いビデオコンテンツを同サービスに呼び込むことを意味し、提携先のメディアは「Twitterアンプリファイ」の展開で成功しているという。
エンゲージメントの高さも魅力
別のメディア提携先は、Twitterの月間リーチが3億2000万ユーザーで、YouTubeやFacebookと比べるとまだ少ないものの、そのファンのエンゲージ率は高いことに注目している。「インフルエンサーによるTwitter上のビデオコンテンツは、完全視聴やエンゲージメントがほかのプラットフォームよりも高い」と、ランドリー・サービスのスタイン氏。
Facebookも最近になって、より質の高いコンテンツを呼びこもうと、売上をシェアするビデオ配信サービスをローンチした。しかし、誰も好まないだろうとの懸念から、プレロール広告は配信していない。その代わり、「サジェステッドビデオ(レコメンド動画)」として、フィード上でスポンサードビデオを掲載している。広告表示により、これら提携先には売上の55%が与えられるという。
しかし、あるメディア企業は「Twitterアンプリファイ」が、現時点ではFacebookの「サジェステッドビデオ」よりも収益性が高いとしている。そして、業界関係者の多くが、たとえユーザー体験が高くならないとしても、Facebookは最終的にプレロール広告に乗り出さざるをえないだろうと考えている。
Garett Sloane (原文 / 訳:南如水)
Image by mkhmarketing(Creative Commons)