パブリッシャーやブランドはこれまで、コンテンツ拡散を行うためにSnapchat(スナップチャット)の「ディープリンク」をTwitterやFacebookに自由に掲載してきた。だが、ライバルのソーシャルメディア・プラットフォームで、Snapchatアカウントをクロス・プロモーションする時代は終わりを告げようとしているようだ。
Twitterでは、「ミック(Mic)」や「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」がすでに、Snapchatアカウントに直接リンクする読み取り可能なQRコード「スナップコード」をプロフィール画像として用いるのをやめた。インスタグラムでは、Web上の著名人(ウェブセレブ)たちが、自分のSnapchatへのディープリンクを以前のように投稿できなくなっている。また情報筋によると、いくつかの大手ブランドは、FacebookやインスタグラムでSnapchatアカウントのプロモーションを「しないように」言われたという。
パブリッシャーやブランドはこれまで、コンテンツ拡散を行うためにSnapchat(スナップチャット)の「ディープリンク」をTwitterやFacebookに自由に掲載してきた。だが、ライバルのソーシャルメディア・プラットフォームで、Snapchatアカウントをクロス・プロモーションする時代は終わりを告げようとしているようだ。
Twitterでは、「ミック(Mic)」や「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」がすでに、Snapchatアカウントに直接リンクする読み取り可能なQRコード「スナップコード」をプロフィール画像として用いるのをやめた。インスタグラムでは、Web上の著名人(ウェブセレブ)たちが、自分のSnapchatへのディープリンクを以前のように投稿できなくなっている。また情報筋によると、いくつかの大手ブランドは、FacebookやインスタグラムでSnapchatアカウントのプロモーションを「しないように」言われたという。
リンク削除の圧力がある?
「インスタグラムは外部リンクを禁じようとしています。インスタグラムのプロフィールにSnapchatのリンクを貼れなくなった。やろうと思っても不可能だ」と語るのは、ジ・アンプリファイ(TheAmplify)の最高経営責任者(CEO)ジャスティン・レズバニ氏だ。ジ・アンプリファイは、インスタグラムやSnapchatで多くのインフルエンサーが利用するプラットフォーム技術を手がけている。
Advertisement
Snapchatのユーザーはいまや1日1億人以上。しかしSnapchatには、ユーザーが簡単にアカウントを見つけるための効率的な検索機能がない。Snapchatのアカウントをフォローするためには、ユーザーは正確なアカウント名を知っているか、リンク、またはスキャンできるスナップコードを利用する必要がある。
そのため、多くのブランドやパブリッシャー、ウェブセレブたちは解決策を求め、Twitterのプロモーションツイートを利用してきた。そんな彼らがいま、Snapchatへのリンクを削除するようにと圧力を受けている、と情報筋は語る。たとえば「ハフィントン・ポスト」は、Twitterのプロフィールアイコンを使ってSnapchatアカウントを宣伝していたが、いまはもうやっていない。なぜ方針を変更したのか、同社へコメントを求めたが返事はなかった。
各プラットフォームの対応
Twitterのポリシーに詳しい情報筋によると、スナップコードの掲載はルール違反ではないが、決して歓迎はされていないという。Twitterは、パブリッシャーやブランドにとってプラットフォームの混乱を引き起こす可能性があるとして、そうしたSnapchatプロモーションをしないよう求めている。
Facebookには、パブリッシャーやブランドが同サービスのプロフィールやカバー写真で、「サードパーティー」のプロモーションをすることを禁じる明確なポリシーがある。それは、Facebookがパブリッシャーを対象として2016年4月に発表した、ブランドデッドコンテンツに関するルールの変更で明示された方針だ。
Facebookはさらに、インスタグラム上や「Messenger(メッセンジャー)」内に限らず、ユーザーによるSnapchatの宣伝の仕方について厳しい態度を採っていることでも知られている。いくつかの報道によると「Messenger」では、Snapchatのリンクはスパムとみなされるため、共有することが禁じられているそうだ。
今回がはじめてではない
「これらのプラットフォームは、ほかのプラットフォームから自分のところへ注目を集め続けるよう設計されている。ほかのプラットフォームのオーディエンスを構築することは、インスタグラムにとって最大の利益にならない」と、レズバニ氏は語る。
この件に関して、TwitterからもSnapchatからもコメントは得られなかった。Facebookは、声明の代わりとして、「ブランデッドコンテンツ」に関するルールを指摘した。
それぞれのプラットフォームが互いの口を封じようとするのは、これがはじめてというわけではない。たとえば、インスタグラムの写真はTwitterには表示されず、リンクが示されるだけだ。Facebookでは、YouTube動画が小さなサムネイルとして表示されるのに対し、自社のネイティブな動画は派手に宣伝される。Snapchatに至っては、外部のソーシャルメディアに接続させないだけでなく、ユーザーがちゃんと飛べるリンクを投稿することすら認めていない。
スナチャも競争にさらされている
筋金入りのSnapchatユーザーやパブリッシャーは、Snapchatが内部検索機能をアップグレードしてくれることに期待をかけている。そうすれば、外部プロモーションへの依存度を下げられるからだ。
グラフィックデザイナーで、ソーシャルメディアのファンの間では「CyreneQ」として知られるSnapchatのインフルエンサー、サイリーン・キアムコ氏は次のように述べている。「Snapchatは、コンテンツやブランドを作ってくれる人を確保するために、ほかのソーシャルメディアを必要としている。ほかのプラットフォームがSnapchatのディープリンクを禁じることで、Snapchatがユーザー検索システムを作ることにつながるかもしれない」。
キアムコ氏は、Twitterのプロフィールアイコンとしてまだスナップコードを利用しているので、それをやめるよう全員が言われたわけではないようだが、ディープリンクが機能しなくなっていることにはキアムコ氏も気づいている。「Snapchatも競争にさらされている。それは理解できるし、まったく気にはしていない」と、キアムコ氏は言う。
Garett Sloane(原文 / 訳:ガリレオ)