2015年8月20日発表された「Twitterオーディエンスプラットフォーム」。その機能では、Twitterのプロモツイートを動画広告、ネイティブアド、バナー広告、そして前画面広告として、Twitter以外のアプリにも配信できるという。あくまでTwitterのツイートのフォーマットを模した、この広告スタイル。全世界のTwitterユーザー3.1億人を超えて、提携アプリのユーザーを加えた7億人ほどのユーザーに行き渡せることができる。
2015年8月20日、Twitterはこれまで「Twitterパブリッシャーネットワーク」と呼んでいたアプリ向けアドネットワークを「Twitterオーディエンスプラットフォーム」に改名すると発表した。
もちろん、これはただイメージチェンジをはかっただけではない。新しい機能も追加されている。特に着目したいのは、これまでのプロモツイートとともに動画広告、ネイティブアド、バナー広告、そして前画面広告として、Twitter以外のアプリにも配信できることだ。これによりプロモツイートが、全世界のTwitterユーザー3.1億人を超えて、提携アプリのユーザーを加えた7億人ほどのユーザーに行き渡ることとなる。
また、これらの広告は、あくまでTwitterのツイートのフォーマットを模したものであり、それに慣れているユーザーは、エンゲージメントしやすくなっている。つまり、この発表の背景には、Twitterの広告ビジネスが優れており、15億人のユーザーを保持するFacebookを牽制する思惑があると考えられる。
(※追記:こちらの箇所に認識の誤りがありました。「Twitterオーディエンスプラットフォーム」は、プロモツイートとTwitterが運用するアドネットワークの連携を容易にするサービスです。プロモツイートを外部に配信するものではありません。誤記についてお詫び申し上げます。詳細は、同社リリースにてご確認ください)
Advertisement
Twitterの発表によると、このようにTwitterのプロモツイートと「Twitterオーディエンスプラットフォーム」を合わせてキャンペーンを行う企業は、通常の倍以上の広告視聴者数を獲得し、広告費用も通常の30%ほどまで抑えられるという。
左は従来のプロモツイート。真ん中と右が、プロモツイートを全画面広告やインタースティシャル広告(ページとページの間に表示する形の広告)などにして、提携アプリに配信したもの。
このアップグレードをいち早く試した企業は、百貨店のメイシーズ、家電メーカーのサムスンやスピーカー製造のJBLの3社。Twitterによると、これらの企業のキャンペーンは、目標の倍以上の結果を残したとのことだ。
「私たちはTwitterでいつも行っていることをしているだけだ。しかし現在は、より多くの人へ広告を届ける方法がある」と、JBLのTwitter広告を管轄するデイブ・スピナイト氏は語る。従来のTwitterのプロモツイートのみで獲得する閲覧者数と比べ、70%の増加があったという。
JBLは長い間、Twitterの広告を使用しており、米男子プロバスケットボール「NBA」のコミュニケーションサイトの動画スポンサーでもある。ターゲットユーザーは8%の割合で広告をクリック。これは業界平均の15倍だとスピネイト氏は話す。Twitterの高いエンゲージメントが結果に繋がったと、彼は推測する。
デジタルエージェンシーSapientNitroで、メディア・サービスを統括するショーン・ブラック氏は、「Twitterのターゲティングの方法が、より多くの消費者へ広告を拡散させる鍵となり、さまざまなプラットフォームが恩恵を受けている」と語る。「Twitterは7億人という数字を日々伸ばしていくだろう」。
「この宣伝方法は、TwitterやFacebookのようなプラットフォームによって、より洗練されていくだろう。ユーザーのオンライン行動をよく把握し、ユーザーの日常的な習慣に基づく広告の拡散方法となっている」と、ブラック氏は語る。
メイシーズは、キャンペーン中に広告へのエンゲージメントが8%ほどあったという。サムスンはTwitterの視聴者へ向けた動画広告の視聴者数は、365%も高かったと語る。
先日、Twitterは自動再生型の動画広告を開始した。このフォーマットはオーディエンスプラットフォームを通じて入手可能だ。また、Twitterによると広告料は動画が画面に完全に収まっているときでないと課金はされないとしている。
Garett Sloane(原文/訳:小嶋太一郎)