去る2015年10月26日、民放テレビ番組を見逃し視聴できるサービス「TVer(ティーバー)」が、鳴り物入りでリリースされた。本サービスはデスクトップ端末向けの配信だけでなく、専用アプリも用意され、限られた番組のみだが気軽にスマートフォンでも楽しめるものとなっている。
それから、約1カ月半。株式会社ジャストシステムは、2015年12月10日に発表した「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2015年11月度)」内にて、スマートフォンを介したテレビ番組視聴についての調査も実施した。
同社の調査員は「TV視聴アプリは『TVer(ティーバー)』が登場したことで、少し動きがあるのではないかと思い、調査をしてみることにしました。コンテンツを視聴するデバイスが今後どう変わっていくか、注目したいと思います」と述べている。
去る2015年10月26日、民放テレビ番組を見逃し視聴できるサービス「TVer(ティーバー)」が、鳴り物入りでリリースされた。本サービスはデスクトップ端末向けの配信だけでなく、専用アプリも用意され、限られた番組のみだが気軽にスマートフォンでも楽しめるものとなっている。
それから、約1カ月半。株式会社ジャストシステムは、2015年12月10日に発表した「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2015年11月度)」内にて、スマートフォンを介したテレビ番組視聴についての調査も実施した。
同社の調査員は「TV視聴アプリは『TVer(ティーバー)』が登場したことで、少し動きがあるのではないかと思い、調査をしてみることにしました。コンテンツを視聴するデバイスが今後どう変わっていくか、注目したいと思います」と述べている。
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以下、その箇所を引用して、考察してみよう。
TV視聴アプリに好意的 26.6%
インターネット上で15歳から69歳の男女1100人を対象に実施された本調査。フィーチャーフォン利用者も含めた調査対象者のうち、「TV視聴アプリを現在利用している」と答えたのは11.4%となった。加えて「TV視聴アプリを知っており、興味がある」という回答は15.2%。テレビ視聴アプリに対するポジティブな意見は、あわせて26.6%となっている。
「TVer」の番組閲覧は、もちろん無料。専用アプリのダウンロードにしても、完全無料ということを考えると、この結果は決して多いとはいえないだろう。
スマホのTV視聴が増える 47.3%
また、テレビ視聴アプリを「知っている」、もしくは「すでに利用している」ユーザーに対して、アプリによってテレビ番組の視聴機会が増えるか否かも問いている。そこで「増えると思う」と回答したのは16.2%。「少しは増えると思う」と回答したのは31.1%となった。ポジティブな意見を合計すると47.3%となるが、ネガティブな意見の合計52.7%に僅差で負けた。
これは、まだまだスマートフォンでテレビを視聴するという行動が一般的となっていないがゆえの結果なのだろうか。しかし、テレビ局各社とも10番組/週程度の配信で、基本的に放映後1週間程度しか視聴できないとしており、スマートフォンによるテレビ視聴という習慣を本気で根付かせたいのかは疑問といえる。
TV番組が面白い 53.7%
その一方、テレビコンテンツに関する興味は、完全に失われたわけではないようだ。その魅力について聞いた設問に対しては、「番組の企画や構成がおもしろい」が53.7%、「最新の情報や世の中の流行を知れる」が43.9%、「番組の知名度が高い」が36.6%という回答が続く。
しかし、どの理由をとっても、多くて半数。ほとんどの設問が過半数以下と、ユーザーの冷ややかな態度が透けて見えるような結果となっている。
スマホでのテレビ視聴という習慣
2015年、黒船「Netflix」「Amazonプライムビデオ」などが上陸し、日本のテレビ好きなユーザーが好むコンテンツの品揃えを拡充するなど、ネット主体の動画陣営は着実に橋頭堡を築きつつある。また、人気ユーチューバーをはじめ、Webを主戦場とした動画コンテンツが一般的にも話題になることが多くなった。
今回の調査結果を見ると、いまのところスマートフォンでのテレビ視聴という習慣が一般的になるには時間がかかりそうだ。それをくつがえすためにも、広告付きで配信するのなら、限定的な配信という戦略を取らずに、一気に開放してもいいのではないだろうか。
しかし、デジタルデバイスでの視聴が進めば「視聴率」という指標は、過去のものとなる可能性も高い。つまり、すべての数字が洗い出されることになるわけで、そうなれば大きな変革が起きることは間違いないだろう。
Wrriten by ワタナベダイスケ
Image from ThinkStock / Getty Images