TikTokが、企業のSNSマーケティング戦略に欠かせない存在として急速に台頭している。同社のグローバルエージェンシーおよびアカウント担当責任者のカートゥーン・ワイス氏も「TikTokへの関心が爆発的に高まっているのは間違いない」とし、2021年はTikTokが信頼を勝ち取る年にしたいと意気込む。
TikTokが、企業のSNSマーケティング戦略に欠かせない存在として急速に台頭している。
米DIGIDAYは今回、DIGIDAYポッドキャストにTikTokのグローバルエージェンシーおよびアカウント担当責任者のカートゥーン・ワイス氏を招き、インタビューを行った。「TikTokへの関心が爆発的に高まっているのは間違いない」。ワイス氏はそう話し、続けて次のように抱負を語った。「2020年はいわばTikTokにとって『お試し』の年だった。2021年は『信頼』の年にしたい」。
TikTokは今年に入り大手エージェンシーのメディアバイイング部門であるIPGメディアブランズ(IPG Mediabrands)と3年契約を締結するなど、ワイス氏が言うところの「信頼」という意味では、好スタートを切っている。TikTokと大手エージェンシーの提携は、2月に発表されたWPPとの契約に続き2件目だ。
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上記のように、エージェンシーや広告主のTikTokに向ける眼差しは明らかに変化している。だが、TikTokの活用方法への理解が十分に進んだわけではない。WPPとIPGメディアブランズの場合、情報発信がメインとなりそうだ。IPGメディアブランズは、3カ月にわたり「クリエイターキャンプ」というキャンペーンを展開する。人気のTikTokユーザーを起用して行われるこの戦略的キャンペーンは、「クリエイターコレクティブ」というより大掛かりなプログラムの一環となっている。
「先進的で多様なクリエイターとブランドを結びつける新たな試みだ。戦略やベストプラクティスなどの面で、本当に必要な情報やアドバイスを得られる」とワイス氏は話す。
この記事では、ワイス氏へのインタビューの音源と、ハイライトをお届けする。なお、内容を明確にするため若干の編集を加えている。
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オーガニックの重要性
「現状として、オーガニックなアプローチに及び腰なブランドが大半だろう。だが、積極的に取り組むのが最善の結果を生むというのが私の考えだ。ペイドメディアであれば、誰がやっても一定の成果は出る。それでも、コミュニティを構築し、コミュニティとともに成長するというオーガニックな手法こそが、本物のパートナーを創出する」。
「『TikTokで一体何ができるんだ? 何をすればいいんだ?』と多くの企業が頭を悩ませている。我々に言わせれば、それは考え過ぎだ。『あまり考えても仕方がない。とにかくやってみよう。直感に従って飛び込んでみよう』という姿勢で臨めば良いと思う」。
TikTok参入のサポートを行う
「マーケティングコミュニティとして、TikTokを有効に活用できるコンテンツがどういったものか、これまで以上に積極的に発信し、ユーザー企業をサポートしていきたい。2021年は、そのためのインフラ整備が一層進む年になるだろう」。
「クリエイティブの大規模なテスト」
「各ブランドやエージェンシーが1〜2本、動画を投稿するだけでは不十分だ。数千本の動画を投稿して、そのなかから最適なコンテンツが大きくヒットするような状況が望ましい。いわばプログラマティックなクリエイティブの大規模なテストと言えるだろう。実際に大規模にテストして、何がヒットするのかを試してみて欲しい」。
[原文:TikTok’s Khartoon Weiss wants brands to stop overthinking their platform strategy]
TIM PETERSON(翻訳:SI Japan、編集:分島 翔平)