TikTok、新たな AR 広告フォーマットで Snapchat に追随

人気の動画アプリ、TikTokが、新しいAR(拡張現実)広告フォーマットの公開準備を整えつつある。TikTokは、インスタグラムやSnapchatのような同種のプラットフォームに並ぼうと、広告製品の開発を急ピッチで進めているのだ。

計画に詳しい人々からの情報によると、この「ARブランドエフェクト(AR brand effect)」広告は、広告主が提供するインタラクティブな視覚効果をTikTokユーザーが自身の動画に追加し、周囲の物理環境とやりとりできるようにするものだという。たとえば、ズームするとクルマがキッチンのテーブルの長さに広がったり、部屋の中を跳ね回る広告主のマスコットキャラクターとクリエイターがやりとりしたりできるという。

この広告はクリックでき、ユーザーが動画を撮影するときに再生される音楽をフューチャーする。正式公開時に製品名が変更される可能性があるが、世界公開は2020年第3四半期中の予定で、価格は未定だ。

TikTokの広報担当者は次のように話す。「我々は常に、コミュニティにクリエイティビティと喜びをもたらす新たな方法を探求している。クリエイティブ効果は、ユーザーが自己表現をする楽しい手段であり、ブランドにとってはブランドのクリエイティブ効果でキャンペーンにインタラクティブ要素を追加できる。我々は、ブランドのためにこの価値ある体験を継続できる方法を試行し、それができたときには詳細を共有するつもりだ」。

競合の広告ロードマップに追随

新しい広告製品によってTikTokは、SnapchatのARフォーマットである「スポンサードレンズ(Sponsored Lens)」や「ワードレンズ(Word Lenses)」、インスタグラムのARフィルターと肩を並べることになる。ただし、インスタグラムのARフィルターは、まだ広告製品ではない。

TikTokはすでに「ブランデッドエフェクト(Branded Effect)」と呼ばれる製品を提供している。これは、ユーザーが動画に、顔や手の動きをもとにした2Dアニメーションレンズを追加できるようにしたものだ。米DIGIDAYは2019年、こうした効果の利用にかかるコストは10万ドル(約1072万円)で、TikTok社内のクリエイティブチームによって制作されたとレポートした。Snapchatがスポンサードレンズを公開した当初のコスト――米国内での全国展開に1日約50万ドル(約5362万円)といわれた――は、多くの広告主にとって手が出せるものではなかった。だが、時間が経つにつれ、Snapchatはこれを広告オークションに導入し、価格を下げ、CPMベースでの課金にした。スナップ(Snap)は、2020年4月に行った決算発表で、(すべてがスポンサードではないものの)レンズを利用している人々は前年より85%以上増え、広告主がAR製品を購入する方法としては、セルフサービスが顕著だと述べた。

TikTokは、他のソーシャルプラットフォームが敷いた広告ロードマップに急いで追随しようとしている。一方でユーザー数は急増しており、調査会社のセンサータワー(SensorTower)によると、2020年3月に、AppleのApp StoreとGoogle PlayにおけるTikTokアプリとその中国国内版であるドウイン(Douyin)のダウンロード数が20億回を超えたという。

「よりスピード感を持って対応」

メディアエージェンシーであるスターコム(Starcom)のパフォーマンス部門マネージング・パートナー、ポール・カサミアス氏は、新しい広告製品の導入において、TikTokは競合するソーシャルメディアプラットホームと類似した道をたどると同時に、「よりスピード感を持って対応している」と述べている。「スケールを伴いながら前へ進んでいく彼らの能力には、実に驚くべきものがある。正しいやり方をすれば、今後6カ月から1年のうちに、彼らは巨大なプレイヤーになるだろう」。

DIGIDAYでは先日、TikTokが、広告主と著名なインフルエンサーをリンクさせ、クリエイターたちがCTA(call-to-action)ボタンを表示できるようにする新しい広告フォーマットをテストしていると報じたが、新しいAR効果広告のニュースはこれに続くものになる。

Lara O’Reilly(原文 / 訳:ガリレオ)