TikTok にとって、2020年には大きな期待が待ち受けている : 有望なルーキーの現状を棚卸し

Z世代が多数を占める、推定10億人越えのユーザーを抱えるTikTok(ティックトック)。世界規模のメディアセンセーションとなったこのアプリを、マーケターやパブリッシャーたちが追いかけている。2020年業界の中心的な注目を集めることになりそうだ。しかし、大きな注目には大きな責任も伴う。バイトダンス(ByteDance)のTikTokには、大きな需要と予算が流れてこんできている。これまでメディア業界で繰り返されてきた流れを鑑みると、2020年はTikTokにとって困難が伴う年となりそうだ。

TikTokは急速に台頭した。アプリ解析企業のセンサータワー(Sensor Tower)のデータによると、同アプリはのダウンロード数はすでに15億を超えている。広告対応のプラットフォームとしてマーケットに入るなかで、成長に伴う痛みは不可避だ。TikTokはちょうど1年前にはじめて公式に広告キャンペーンを請け負った。ここ6カ月のあいだにも、このプラットホームには大量の広告が増えている。同時に、広告主にとってフレンドリーになるような数多くの機能もテストされている。

現状の不足ポイント

現在、TikTokで広告を配信しようとすると、彼らのセールス部門を通さなくてはいけない。しかし、マーケターたちが独自に広告を購入できるセルフサービスの広告モデルが現在ベータ版のテストを行っており、2021年までにはローンチする予定だ。

「セルフサービスのプラットフォームは出発点としては良い。しかし我々としては年齢と属性以外でターゲットができるようになる、といったより高度なターゲティング機能を搭載してほしい。CRMも取り組んでほしい。これらの機能が搭載されてくれると嬉しい」と、PMGのソーシャル部門ディレクターであるカーリー・カーソン氏は語った。

さらに広範な点では、ハーマン・デジタル(Herrman Digital)のプレジデントであるデイビット・ハーマン氏やその他のバイヤーたちは広告パフォーマンスや測定に関してTikTokの透明性不足を嘆いている。「私の広告が誰をターゲットにしているか、どうやってコンバージョンをトラッキングすればいいかがわからない。データも持てない。ブラックフライデーには1万ドル(約110万円)をTikTokに投入した、しかし何が起きたのかは知ることができない」。

差別化できている点

ほかのプラットフォームと差別化ができているひとつの機能にクリエイターマーケットプレイス(Creator Marketplace)があると、ハーマン氏は指摘する。これを使ってキャンペーンにパートナーとして起用するクリエイターを広告主たちが見つけることができる。「この点でTikTokは最前線を行っている。しかし、正直言うと、特定のニッチ分野を検索する機能があってほしい。たとえば、教師、看護師、スポーツについて語るクリエイターといった具合だ。そういった検索をすることは、いまはできない。手作業で見つけるしかない」と、彼は言う。

アイプロスペクト(iProspect)ソーシャルメディア部門責任者でありバイスプレジデントのジョーダン・ジェイコブソン氏のように、多くのバイヤーたちは広告APIを提供するにあたってTikTokが急ぐ必要はないと考えている。中小企業の広告主たちを引きつけたいと思った時に取り組むだろう。

しかし一般論で言うと、TikTokのAPIを公開し、サードパーティーのパートナーを追加して、測定やブランドセーフティに取り組むことは、広告主を喜ばせるだろう。「TikTok側で、モニタリングのためのレポート機能や測定機能に関するブランドセーフティの追加機能があることは非常に重要になるだろう」と、カーソン氏は言う。

忘れてはならないこと

2020年にTikTokが対処しなければいけない問題がもうひとつある。広告主たちのニーズに応えると同時に、ユーザーたちのクリエイティブな楽しみを薄めてしまわないことだ。

「TikTokを素晴らしいプラットフォームとしている特徴は、コンテンツがすべてプラットフォームに適したものになっていることだ。それが広告在庫が増えすぎたことで薄まってしまうと悲しい」と、カーソン氏は語った。

Deanna Ting(原文 / 訳:塚本 紺)