プラットフォームはパブリッシャーたちに新しいスキルの習得を求める。そんな最新スキルのひとつが、Snapchatコンテンツチームをゼロから、しかも素早く立ち上げていくことだ。
男性向けのライフスタイルトピックを扱う「スリリスト(Thrillist)」も、そうしたパブリッシャーのひとつとなる。これから、6名で構成されるSnapchatチームを立ち上げ、イベント、フェスティバル、街案内の動画などを制作していくという。同社はまだ、メディア名義のSnapchatアカウントをまだ取得していないが、今夏の終わりまでにアカウントを立ち上げ、毎日コンテンツを更新していくことを目指している。
プラットフォームはパブリッシャーたちに新しいスキルの習得を求める。そんな最新スキルのひとつが、Snapchatコンテンツチームをゼロから、しかも素早く立ち上げていくことだ。
男性向けのライフスタイルトピックを扱う「スリリスト(Thrillist)」も、そうしたパブリッシャーのひとつとなる。これから、6名で構成されるSnapchatチームを立ち上げ、イベント、フェスティバル、街案内の動画などを制作していくという。同社はまだ、メディア名義のSnapchatアカウントをまだ取得していないが、今夏の終わりまでにアカウントを立ち上げ、毎日コンテンツを更新していくことを目指している。
「いつでも何か新しいことに着手するときには、自分のブランドを理解することが非常に重要だ。それによって、プラットフォームに自分のメディアを定着させることができる」と、同社プレジデント、エリック・アッシュマン氏は語る。だからこそ、彼らは3番手の社員で、編集部の意見を明確に理解するデビッド・インファンテ氏をSnapchatチャネル創設責任者にした。
Advertisement
「ディスカバー」は目指していない
「スリリスト」は選ばれたパブリッシャーがコンテンツを提供するSnapchatのセクション「ディスカバー(Discover)」のパートナーは目指していない。というのも「ディスカバー」は、制作上の要求が厳しく、同プラットフォームに対して決められた最低額の広告収益をもたらさなくてはならないのだ。
Snapchatが「ディスカバー」を拡大する、もしくは別の公式パブリッシングプログラムを提示した際、彼らは何ができるのかをテストするための足場として、プライベートチャネルに目を向けていると、アッシュマン氏は語る。
いま現在、「スリリスト」は、最終的にそのチャネルを広告パッケージに加えることで、1日に100億にも及ぶSnapchatのビューを自社のブランッドコンテンツ用に掠め取ることを目論んでいるのだ。
Facebook動画とは異なる体験
ニューヨークを拠点にする「スリリスト」は、地元都市ガイド、エンターテインメント、グルメ、カルチャーについてのトピックを、ブランド色を強く打ち出したデジタル体験に集約している。彼らは自身の情報発信場所として相応しいプラットフォームを追い続け、ごく最近ではFacebookのライブ動画にも取り組みはじめた。
「毎日異なる10秒のSnapchat動画を投稿しても、ストーリーの語り口として、それはFacebook上の2分間の動画とは、まったく異なる」と、アッシュマン氏は説明した。
インファンテ氏は、プロデューサー2名、エディター2名、イラストレーター2名の計6名のメンバーからなるSnapchatチームを目指している。このチームは、Facebookのライブ動画やほかのデジタル動画プロジェクトに携わる35名の動画部門からは、完全に切り離される予定だ。
Snapchatチャネル運営の課題
Snapchatチーム立ち上げの課題は、それがまったく未知のものであり、その扱いに誰も長けていないところにある。「スリリスト」は、動画を通じてストーリーを伝えられるプロデューサーとエディター、それにフィルター、レンズ、描画ツールなど、Snapchatの加工機能を最大限に活用できるグラフィックデザイナーを求めている。
Snapchatには、ロジスティックかつ技術的な課題もある。動画、画像などのすべてのコンテンツ作成は、アプリ上で行う必要があり、編集作業がやりづらい。同アプリ内でアカウントを宣伝する方法も限られている。「スリリスト」をフォローするためには、正確なユーザーネーム、この場合は「Thrillist」を知っておく必要があるのだ。
見つけてもらうこと、その取り組みすべてから生まれる影響力を堅実に作り出し、それを評価することが困難であるために、多くのブランドが独自のSnapchatアカウントの設定に及び腰になっていると、VMLでソーシャルメディア・ディレクターを務めるチャド・マーティン氏は語る。
「Snapchatチャネルの運営は非常に難しい。数多くのコンテンツと多額の投資が必要だ」と、マーティン氏は述べる。「パブリッシャーは、しっかりしたリーチをもっているため、ブランドが彼らとパートナーを組むことは、興味深い取り組みだろう」。
いまだ明確でない広告規定
Snapchatはこれまで、個人のチャネル上にブランドコンテンツを投稿して、収益を得るようなパブリッシャーに関する方針を決定していない。しかし、DJキャレドやケンダル・ジェンナーのようなセレブリティが、Snapchatでブランドについて言及し、大金を手にしている。
Snapchatが、自身の取り分を主張するまで、パブリッシャーたちがそのプラットフォーム利用して、お金を稼ぐことをどこまで許すのかは明らかではない。だからこそ「スリリスト」は、それがより強固なパブリッシングプラットフォームに発展することを期待して、いま参入するのだと、アッシュマン氏は述べる。
「彼らが話し合いのテーブルにつくときに、我々はその場に立ち会いたい。Snapchatは素晴らしいコンテンツを常に作り続けるパブリッシャーを求めている。そして『スリリスト』は、Snapchatで何ができるのかを明らかにしたいのだ」と、アッシュマン氏は語った。