オンライン広告のビューアビリティ(可視性)は低く、状況は悪化しているのかもしれない。少なくとも、最近公開された複数のレポートを見る限り、そのような印象を受ける。
広告評価会社ミートリクス(Meetrics)によれば、ヨーロッパにおいて、厳密な意味でビューアブルな(全体の50%が1秒以上視認された)広告の割合は、2015年第3四半期の63%から第4四半期には58%に下落したという。
国別にみると、下げ幅が最大だったのはオーストリアで、ビューアブルな広告の割合は70%から65%に減少した。イギリスの状況はさらに深刻で、2015年第4四半期、米インタラクティブ広告協議会(IAB)と米メディア・レイティング・カウンシル(MRC)の基準でビューアブルだったディスプレイ広告は、わずか50%だった。
オンライン広告のビューアビリティ(可視性)は低く、状況は悪化しているのかもしれない。少なくとも、最近公開された複数のレポートを見る限り、そのような印象を受ける。
広告評価会社ミートリクス(Meetrics)によれば、ヨーロッパにおいて、厳密な意味でビューアブルな(全体の50%が1秒以上視認された)広告の割合は、2015年第3四半期の63%から第4四半期には58%に下落したという。
国別にみると、下げ幅が最大だったのはオーストリアで、ビューアブルな広告の割合は70%から65%に減少した。イギリスの状況はさらに深刻で、2015年第4四半期、米インタラクティブ広告協議会(IAB)と米メディア・レイティング・カウンシル(MRC)の基準でビューアブルだったディスプレイ広告は、わずか50%だった。
Advertisement
ビューアビリティはプログラマティック広告購入だけの問題ではないが、間違いなく関連している。ミートリクスで国際ビジネス担当ディレクターを務めるアナン・ジョシー氏によると、イギリスではプログラマティック広告の売上がドイツやオーストリアよりも多いことも、調査結果に影響しているという。
また、読み込みに時間のかかるHTML5広告が増えたことで、ユーザーは広告が読み込まれる前にページの下にスクロールするようになり、ユーザーが目にする広告が少なくなったのも原因だという。
これはつまり、デジタルメディア上には「人々の目に触れる広告」が不足していることを意味する。1万社のパブリッシャーから集めた月間50億のインプレッションを3年間にわたって収集したクアントキャスト(Quantcast)によれば、ビューアビリティ率が80%以上の広告はヨーロッパの広告在庫のわずか3%しかない。
クアントキャストのイギリス担当ディレクターであるマット・ホワイト氏は、「広告主は当然、『ビューアビリティは100%がいい』というはずだ。テレビCMでもそんなことはありえないが、オンラインに対しては期待水準が高くなる」と述べ、次のように指摘した。
「市場の現状に基づいて、現実的な目標を定める必要がある。広告の半分はゲームサイトに掲載され、商品の購買可能年齢にすら達していない15歳の男の子の目に触れるといった状況だ。これではリターンは減るばかりだ」。
こうして浮かび上がるのは、不都合な真実だ。広告主がビューアビリティ保証を望むならば、支出を増やすしかない。クアントキャストによれば、75%以上のビューアビリティを保証する広告の価格は、通常のRTB(リアルタイム入札)広告在庫の2倍だ。痛い出費である。
しかし、ビューアビリティは最低条件でしかない。広告主は自社の広告を、1秒といわず、もっと長く見てほしいと思うのはあたりまえだ。ミートリクスの調査によれば、理想としたいのは10~20秒だという。
インテグラル・アド・サイエンス(Integral Ad Science)の研究者たちはIPGメディア(IPG Media)との共同研究で、ディスプレイ広告を7秒間視認できた場合、広告想起率(アド・リコール)が38%にまで上昇することを発見した。リッチメディア広告では、7秒間視認できた場合の広告想起率は39%だった。一方で、MRCのビューアビリティ基準ぎりぎりの広告は、80%以上の人が思い出せなかった。
出典:インテグラル・アド・サイエンス、閲覧者が標準的なバナー広告を思い出す確率の予測値
Lucinda Southern (原文 / 訳:ガリレオ)
Image via THinkstock / Getty Images