アドプラットフォーム事業者のSupership(スーパーシップ)株式会社は3月13日、アドベリフィケーションやブランドセーフティに関する実証実験を開始した。このプロジェクトは、Momentum(モメンタム)株式会社とソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が参加する、3社共同の取り組みとなる。
アドプラットフォーム事業者のSupership(スーパーシップ)株式会社は3月13日、アドベリフィケーションやブランドセーフティに関する実証を開始した。
アドベリフィケーションとは、プログラマティックバイイングにおいて、広告主が意図しない掲載面やコンテキストへの広告掲載を規制したり、不正ボットへの広告配信を排除したりすること。思い掛けないブランド毀損を防止することで、ブランドセーフティを実行できるとともに、価値あるimpに対する広告配信を実現できる。
このプロジェクトは、Supership以外に、Momentum(モメンタム)株式会社とソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(以下、SNC)が参加する、3社共同の取り組み。Momentumはアドベリフィケーションのスペシャリストとして、SNCはソニーグループに対して自社のアドプラットフォームの活用を推進する担当として、領域を分けている。
プロジェクトの背景
今回の取り組みは、そもそもSupershipとSNCでソニーグループの広告配信効率の向上に向けたアドプラットフォーム協業をしているところからはじまる。なおSupershipは、国内最大級のアドプラットフォーム事業者だ。そのため、両社には信頼関係もできており、さらにSupershipにはサードパーティーとの取り組みでリッチなデータが保有されていることから、その関係性を深めることになった。
また、Momentumは国内唯一ともいえる、アドベリフィケーション事業者となる。国外には、いくつか競合は存在するが、日本語のコンテキストを正しく解析できるという点で、国内ではMomentumが圧倒的な優位性を誇っている。
実証の内容は、「ブランドセーフティ」と「アドフラウド(不正ボット検知)」の2種類。具体的に前者は、DSPが広告配信のリクエストを受け取る際に、Momentumのタグがリクエスト内容を把握し、不適切な枠の場合は広告主のクリエイティブの代わりにフィラー(Momentum社の自社広告)を掲載するという内容。後者は、テスト配信をした結果、全体のインプレッションのうち「価値あるもの」の量をログ集計・分析する内容になるという。
変容する業界ニーズ
「意図しない掲載面で広告が悪目立ちしてしまうと、ブランド毀損が起こる。ユーザーからの反発が起こり、イメージダウンに繋がるのだ」と、Momentum株式会社の代表取締役社長、高頭博志氏は、現在の業界ニーズについて説明する。「そんななか、マーケターのアドベリフィケーションのニーズが高まっている」。
バイサイドの実情を、SNCのUX企画運営部門データインテリジェンス&メディアグロース部の事業開発マネジャーである山本琢也氏は、次のように語る。「広告主としてのソニーグループのブランド毀損をしないよう、出稿先の掲載面には常に注視している」。
また、Supershipの広告事業本部長である宮本裕樹氏も、テックベンダーとして「ブランド認知型の広告のみならず、獲得重視型の広告でも配信面をケアする時代になってきた。広告主はどうしてもコンバージョンに目線が行きがちだが、プログラマティックで信頼性を築かなければ、ブランドメッセージが間違った形で伝わってしまう」と、補足した。
業界不正をなくすため
このプロジェクトの長期的な展望について、Supershipの宮本氏は「広告主は質だけでなく量も求める。だが、本当にプレミアムなメディアだけに高額予算を支払って出稿しても、十分なリーチを確保できないこともある。だから、中規模のメディアにも掲載面を広げ、広告主には質と量を担保し、メディアサイドにもしっかりと収益化できる状態を担保していきたい」と語る。それに対して、SNCの山本氏は、「この取り組みをきっかけに、業界のデジタル広告の不正をなくしていければ」と、付け加えた。
なお、実証は3月22日に第1弾を終了。今後もさらなる実証を重ね、精度を上げていくという。実証結果の詳細と今後の展望を踏まえた、3者の鼎談記事は、こちらにて公開している。

左からSNCの山本氏、Supershipの宮本氏、Momentumの高頭氏
Sponsored by Supership
Written by 広告制作チーム
Image by GettyImage(TOP画像)、渡部幸和(本文中)