リセールマーケットプレイスのStockX(ストックエックス)は、オンラインでのスニーカー、アパレル、コレクターズアイテムをオンラインで販売し、数百万ドルの収益を生み出してきた。そしてこのほど、顧客ははじめて、直接商品を手に取ることができるようになる。
2016年に設立された同社は10月の第2週、ニューヨーク市のドロップオフ店舗で、初の「ショッパブル・エクスペリエンス」を開始すると、プレジデントで共同創設者のグレッグ・シュワルツ氏は米モダンリテールに語った。この店舗は、ジョーダンブランド(Jordan Brand)やナイキ(Nike)などトップスニーカーブランドを約50SKU(在庫管理単位)を取り揃える。品揃えは、「その週やその日に入手可能な商品」によって変化すると、シュワルツ氏は語った。
この新サービスは、これまでeコマースに特化してきたStockXにとって大きな変化を意味する。実際に、2020年には18億ドル(約2680億円)を同社のサイトで売り上げた。ニューヨーク市、ロンドン、東京、香港の4つの実店舗を構えるが、これらは出品者が商品を預け、より迅速に検証を受け、より迅速に支払いを受け取るためのものだった。しかし、StockXのファンはさらに多くのものを求めていると、シュワルツ氏は言う。
「多くの人が店舗に入ってきて最初に質問するのは、『試着したり買ったりできるものはないのか?』というものだ。そのため、それをテストし、実現させることに興奮している」と同氏は語る。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
リセールマーケットプレイスのStockX(ストックエックス)は、オンラインでのスニーカー、アパレル、コレクターズアイテムをオンラインで販売し、数百万ドルの収益を生み出してきた。そしてこのほど、顧客ははじめて、直接商品を手に取ることができるようになる。
2016年に設立された同社は10月の第2週、ニューヨーク市のドロップオフ店舗で、初の「ショッパブル・エクスペリエンス」を開始すると、プレジデントで共同創設者のグレッグ・シュワルツ氏は米モダンリテールに語った。この店舗は、ジョーダンブランド(Jordan Brand)やナイキ(Nike)などトップスニーカーブランドを約50SKU(在庫管理単位)を取り揃える。品揃えは、「その週やその日に入手可能な商品」によって変化すると、シュワルツ氏は語った。
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この新サービスは、これまでeコマースに特化してきたStockXにとって大きな変化を意味する。実際に、2020年には18億ドル(約2680億円)を同社のサイトで売り上げた。ニューヨーク市、ロンドン、東京、香港の4つの実店舗を構えるが、これらは出品者が商品を預け、より迅速に検証を受け、より迅速に支払いを受け取るためのものだった。しかし、StockXのファンはさらに多くのものを求めていると、シュワルツ氏は言う。
「多くの人が店舗に入ってきて最初に質問するのは、『試着したり買ったりできるものはないのか?』というものだ。そのため、それをテストし、実現させることに興奮している」と同氏は語る。
ストリートウェアカルチャーと実店舗の相性
StockXは7年前に、スニーカーを中心とするマーケットプレイスとして開設された。買い手は商品に入札するか、売り手が求める最低価格で購入し、StockXは売り手から取引手数料を徴収する。現在では、ハンドバッグや、ゲーム機、時計、アクションフィギュア、トレーディングカードなど多くのカテゴリーの商品を販売している。コレクターや投資家のあいだで熱烈な信奉者を獲得しており、2021年前半には38億ドル(約5660億円)の評価額で2億5500万ドル(約380億円)を調達した。さらに2022年にはストリートウェアカルチャーへの関心が高まるなか、過去最高の収益を叩き出した。
StockXは現在、ホカ(Hoka)やアディダス(Adidas)など数百のトップブランドを販売している。新しい購買体験を実現するため、販売スタッフ、フルフィルメントセンターのスタッフ、マーチャンダイジングのスタッフからのおすすめに基づいて商品を選択する。可能な限りリーチを広くするため、店舗には商品の複数サイズを取り揃えているとシュワルツ氏は述べる。
「これは従来型の小売店ではないので、必ずしもすべての商品、フルサイズの場所があるわけではないが、より幅広い品揃えができる商品に焦点を当てることから出発していく」と、同氏は述べている。
ニューヨーク市のソーホー地区でこのサービスの実験した後、「ほかの小売店舗でも運用を開始し、各店舗で提供する在庫も増やしていく予定だ」と同氏は付け加えた。
リテールコンサルタンシーのリコンリテール(Rekon Retail)の創設者であるレベッカ・コンドラット氏は、StockXのようなブランドがビジネスに店頭販売を取り入れるのは「非常に理にかなっている」と米モダンリテールに語った。StockXはストリートウェアの愛好家を対象顧客としているため、「このカルチャーは基本的に、即座に満足感を得ることが求められる。アプリで買い物をして、QC(品質管理)を経て配送され、自宅に届くまで待っていては、それは得られない」と、同氏は述べる。
リセールプラットフォームは長年にわたり、さまざまな方法で実店舗での販売を試してきた。ザ・リアルリアル(The Real Real)は現在、ニューヨーク市で3店舗とラグジュアリー委託販売オフィスを運営しており、ファッションフィル(Fashionphile)はウェブサイトによると、米国17州で数店舗を運営している。アメリカンイーグル(American Eagle)のように、ショップ・イン・ショップでリセールを実験的に行っているアパレル企業もある。
在庫保管ビジネスも本格化
StockXは実店舗だけでなく、より広範にわたる変革を進めつつある。これまでは買い手と売り手との仲介としてビジネスを行ってきた。売り手は未使用の商品をStockXに送付し、StockXがそれらの商品を検証してから、買い手に送付する。しかし最近は、売り手の代わりに在庫を保管するビジネスを開始した。
現在は、ニュージャージーに新しいエクスプレスフルフィルメントセンターを設置し、従来よりも多くの商品を保管している。このセンターに商品を保管し、あらかじめ検証してから、新しいエクスプレス配送サービスであるエクスプレスシップ(Xpress Ship)を使用して配送するようになった。認定済みの商品には宇宙船のアイコンが付いており、24ドル95セント(約3720円)の手数料で3営業日以内に配送される。
StockXは、このサービスをはじめるために「何四半期も費やし」、保管能力を増強し、サプライチェーンプロセスを改修し、新しい追跡技術を採用したとシュワルツ氏は語る。現在は、施設の近くに居住している出品者、StockXのネットワークでレベル4およびレベル5に属する出品者、または200以上の商品を販売した出品者の商品を保管している。エクスプレスシップは顧客の間で「初期段階で広く受け入れられている」と同氏は述べている。
将来的に、エクスプレスシップは米国全体でより多くの出品者に開放される予定だ。また、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋など世界各地にも展開していきたいと、シュワルツ氏は語る。現在のところ、このサービスはスニーカーに限られているものの、ほかのカテゴリーにも広げられることが期待されている。
[原文:StockX is testing out physical retail with its first ‘shoppable experience’ in New York City]
Julia Waldow(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via StockX