いま、音声が話題だ。音声プラットフォームの調査企業ボイスラボ(VoiceLabs)は、2017年にAmazon Echo(エコー)やGoogle Home(ホーム)などの出荷累計が約3300万台に及ぶと予測している。このプラットフォームに対する大きな盛り上がりと、何が起こるのかについて、詳細を見ていきたい。
いま、音声が話題だ。音声プラットフォームのアナリティクスを提供する企業ボイスラボ(VoiceLabs)は、2017年にAmazon Echo(エコー)やGoogle Home(ホーム)などのデバイスが、世界規模で2450万台出荷され、出荷累計が約3300万台に及ぶと予測している。テキーラのパトロン(Patrón)やドミノ・ピザ(Domino’s Pizza)のようなブランドがそれに飛びつき、パブリッシャーたちもその理解に努めている。
EchoのOSとなるAlexa(アレクサ)は、昨年9月からイギリスとドイツで利用可能になった。その導入の2カ月後には、音声起動型Google Assistant搭載のスマートスピーカー、Google Homeが米国でローンチされているが、イギリスでのリリース日は決まっていない。
2017年、音声起動プラットフォームに対する大きな盛り上がりと、何が起こるのかについて詳細を見ていきたい。
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その感情的なつながりに、ブランドは好印象
CESでは音声認識が大きな話題になった。そこでは、音声アシストが冷蔵庫からテレビ、自動車に至るまで、すべてに組み込まれていた。ソーシャルアナリティクスを提供する企業クリムゾンヘキサゴン(Crimson Hexagon)によると、iOSにおけるバーチャルアシスタントのSiri(シリ)は、同イベント中、世界規模でのTwitterメンションでAmazonに勝っており、Amazonは僅差で2位に甘んじた(Amazonのメンションの3分の2はEchoについて、残りはAlexaについてだった)。
「AlexaはCESのいたるところで話題になった。人々は、通常、コンシューマーテクノロジーでは得られない感情的なつながりをAlexaともっている」とデジタスLBi(DigitasLBi)のモバイルストラテジスト、ラフェ・ブランドフォード氏は語る。おそらくそれが理由で、25万人もの人が、その音声起動アシスタントを求めているのだろう。「それは、通常そういった場に参入しないブランドにとっては刺激的だ」。
※Amazonのメンションの3分の2は「Echo」についてで、残りが「Alexa」だった
4人に1人がモバイルでの音声検索
世界中のインターネットユーザーの27%が先月、携帯電話で音声検索を利用している。これまでの乏しい技術体験が人々の興味を失わせているという事実がなければ、数値はもっと高くなっただろうと、グローバルウェブインデックス(Global Web Index)でトレンドマネジャーを務める、フェリム・マクグラス氏は語る。
見つけてもらうことが課題
米国のボイスラボの調査によると(回答者は複数の回答を選ぶことができる)、スマートスピーカーとしてのデバイスのもっとも普及している使われ方は、音楽やオーディオブックを再生することで、接続されたホームの要素をコントロールすることがその次にきている。
これらの人気のある「スキル(Alexaにおけるアプリ)」や「アクション(Google版スキル)」の多くは、デバイスにあらかじめロードされている。デベロッパーやブランドによって作られた他社製品はインストールが必要なため、ユーザーにそれらを見つけてもらうことが課題だ。Alexaには7000のスキルがあり、昨年6月の1000から拡大している。Googleはその数を発表していないが、推測では数百になるといわれている。
ボイスラボのCEOで共同設立者のアダム・マーチック氏によると、Alexaのスキルを発見してもらう方法のひとつは、Alexaのオンラインストアやアプリ、またはFacebook広告でAmazonが売り込むことであるという。ボイスラボは、プロモーションキャンペーン1サイクルで、宣伝されたスキルが500人から25万人の新規サブスクライバーを獲得、200%増を確認している。Googleは元の数字がより小さいが、Google Action(Google版スキル)の宣伝の1サイクルの新規ユーザー数は、1600人から3100人で、290%増だった。
プラットフォームはまだ収益化ができていない
ジュニパーリサーチ(Juniper Research)は、2021年までに音声支援プラットフォーム関連の年間広告費が120億ドル(約1.3兆円)を計上するようになると予測している。これは、2016年の予想費用の3000%を上回り、そのほぼ半分が北米での消費が見込まれる。
サブスクリプション、ポッドキャストに付随した広告主のようなメディアを中心にしたスポンサードコンテンツ、そしてブランドインテグレーションのほかにマネタイズを図る明確なルートはまだない。
しかし、ユーザーに向けられた広告は必ずしも良いユーザーエクスペリエンスを生むとは限らない。
「ブランド選好がない場合、パーソナルアシスタントが、飛行機やタクシーの予約のような、コモディティアイテムの購入、注文の意思決定を代わりに行うだろう」とブランドフォード氏は述べる。そして、Googleの検索ページに見られる複数の広告フォーマットが存在しない一方で、検索クエリの20%は音声によるものであることをGoogleは認識している。
Lucinda Southern(原文/ 訳:Conyac)