アドテク企業のトレマー・インターナショナル(Tremor International)は、業界が新時代に近づきつつある時期においてネクセン(Nexxen)にリブランディングし、5年にわたるM&Aで形成された企業アイデンティティに統一性を持たせた。
ネクセンのCEOで業界のベテランでもあるオファー・ドラッカー氏は、同社のエンドツーエンドのプラットフォームと動画に関する専門知識を反映するために、「新しいアイデンティティが考え出された」と説明する。
同社の遍歴は以下のとおり(日本円表記は現在のレートで換算)。
- 2017年:トレマー・ビデオ(Tremor Video)がDSP資産をタプティカ(Taptica)に5000万ドル(約69億8590万円)で売却
- 2019年2月:タプティカがリズムワン(RhythmOne)を1億7600万ドル(約245億9036万円)で買収
- 2019年6月:タプティカからトレマー・インターナショナルにリブランディング
- 2020年:トレマーがSSPのアンルーリー(Unruly)を買収
- 2021年:トレマーがアドサーバーのスペアアド(Spearad)を1470万ドル(約20億5372万円)で買収
- 2022年:トレマーがDSPのアモビー(Amobee)を2億3900万ドル(約333億9045万円)で買収
ドラッカー氏は、米DIGIDAYの独占インタビューに応じ、競争が激化する市場でどのように差別化を図るのか、CTVの進化はディスプレイ広告のプログラマティック取引をどのように反映するのか、そしてM&A状勢について話してくれた。
インタビューには読みやすさを考慮して編集を加えてある。
アドテク企業のトレマー・インターナショナル(Tremor International)は、業界が新時代に近づきつつある時期においてネクセン(Nexxen)にリブランディングし、5年にわたるM&Aで形成された企業アイデンティティに統一性を持たせた。
ネクセンのCEOで業界のベテランでもあるオファー・ドラッカー氏は、同社のエンドツーエンドのプラットフォームと動画に関する専門知識を反映するために、「新しいアイデンティティが考え出された」と説明する。
同社の遍歴は以下のとおり(日本円表記は現在のレートで換算)。
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- 2017年:トレマー・ビデオ(Tremor Video)がDSP資産をタプティカ(Taptica)に5000万ドル(約69億8590万円)で売却
- 2019年2月:タプティカがリズムワン(RhythmOne)を1億7600万ドル(約245億9036万円)で買収
- 2019年6月:タプティカからトレマー・インターナショナルにリブランディング
- 2020年:トレマーがSSPのアンルーリー(Unruly)を買収
- 2021年:トレマーがアドサーバーのスペアアド(Spearad)を1470万ドル(約20億5372万円)で買収
- 2022年:トレマーがDSPのアモビー(Amobee)を2億3900万ドル(約333億9045万円)で買収
ドラッカー氏は、米DIGIDAYの独占インタビューに応じ、競争が激化する市場でどのように差別化を図るのか、CTVの進化はディスプレイ広告のプログラマティック取引をどのように反映するのか、そしてM&A状勢について話してくれた。
インタビューには読みやすさを考慮して編集を加えてある。
◆ ◆ ◆
――とくになぜいま、リブランディングを行ったのか? 買収したさまざまなブランドのあいだで混乱があったと感じていたのか?
アンルーリーの買収後にアモビーを買収し、(新ブランドを)にエンドツーエンドのテクノロジーを反映したものにしたいと考えた。統合という大変な力仕事をした後、つまりDSPのひとつ(トレマー)が終わりを迎え、ナレッジを一方から他方へと移し変えたわけだが、我々の手の内には非常に多くのツールや機能があり、それをクライアントや市場に説明することが難しいことに気づいた。
アンルーリー、アモビー、スペアアドなど、多くのブランドがあると、新人の営業担当者は少し戸惑う。そこで、人々が理解できるひとつの製品を構築する方が容易で、それを売る営業担当者のトレーニングもしやすいと考えた。
――ネクセンのCTV製品を高評価しているようだが、CTVはディスプレイ広告のようにオープンなプログラマティック市場で販売されるようになると思うか?
この世界は白か黒かではなく、多くのグレーゾーンが存在する。取引できる企業の小さなコミュニティ(またはサプライチェーン)が存在するだろうし、それはそれでいい。
CTVやストリーミングへの参入は増えており、インベントリー(在庫)から最高の売り上げを得るためには、プログラマティックに市場を開放する必要があると思う。ある者は扉を閉ざしてウォールドガーデンを構築し、ある者は扉を開いてプログラマティックを充実させるというように、両方が混在していくだろう。
CTVは、ますます高いパフォーマンス能力を示すようになると思う。(中略)人々はCTVを通じて結果を出そうとし、それがさらなる売り上げをもたらすだろう。
――この分野ではM&Aが活発化している。何社も買収してきた経験から、これについてどう考えるか?
いまはアモビーとの統合を完了させることに集中している。我々は、オーガニックにビジネスを成長させることを推進する一方で、M&Aも常に視野に入れており、それが物事の健全な見方だと思う。
――ネクセンの売却の見込みについては?
(ナスダック[Nasdaq]とロンドン証券取引所[London Stock Exchange]の両方で取引されている)上場企業のマネージャーとして、企業がオファーを出してきたら、それが有意義かどうかを確認する必要がある。よいオファーであれば検討する。それが受託者義務だからだ。
あくまで一般論だが、我々は会社を売却するプロセスには入っていない。(中略)誰かがやって来て小切手を書き、当社の取締役会が「OK」と言えば受け取るだろうが、そうしたことは、今現在我々のビジネスプランにはない。
[原文:‘Some will close their gates, others will open to programmatic’: Ofer Druker on the future of CTV]
Ronan Shields(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:島田涼平)