Snapchatは、同社が「3Vi」(vertical video views and interactive)広告と名付けた製品に対して、視聴1回あたり最低4セント(約4.4円)の料金を請求しようとしている。インタラクティブという部分は目新しく、クリック可能な広告であることを意味している。上方向にスワイプすれば、もっと長い動画の視聴やアプリのインストール、買い物ができるという。
広告主は現在、インタラクティブでない動画に対して視聴1回あたり2セント(約2.2円)以上支払っており、CPMは20ドル(約2200円)だ。それが、インタラクティブ広告については、人々が何らかのアクションを起こしたかどうかに関係なく、40ドル(約4400円)以上のCPMを支払うことになる、と広告主は述べている。
業界関係者によると、Snapchat(スナップチャット)は、新しいインタラクティブ動画広告のリリースに便乗して、CPMを2倍に引き上げようとしているという。
Snapchatは、同社が「3Vi(vertical video views and interactive)」広告と名付けた製品に対して、視聴1回あたり最低4セント(約4.4円)の料金を請求しようとしている。インタラクティブという部分は目新しく、クリック可能な広告であることを意味している。上方向にスワイプすれば、もっと長い動画の視聴やアプリのインストール、買い物ができるという。
広告主は現在、インタラクティブでない従来の動画広告に対して視聴1回あたり2セント(約2.2円)以上支払っており、CPMは20ドル(約2200円)だ。それが、インタラクティブ広告については、人々が何らかのアクションを起こしたかどうかに関係なく、40ドル(約4400円)以上のCPMを支払うことになる、と広告主は述べている。
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Snapchatのある広告主は匿名を条件に、「上方向にスワイプすればアクションを起こすことができるとはいえ、『3Vi』広告は大幅な値上げだ。現在のエンゲージメント率と比べると、価格の上昇幅は大きすぎる」と語った。
旧来のメニューも値上げ
この製品に詳しい情報筋によると、「3Vi」広告はまだごく初期のテスト段階にあり、一部の広告主しか利用できないうえに、価格設定はまだ変更される可能性があるという。だが、広告主の目が飛び出るようなことをSnapchatが行ったのは、この製品だけではない。
Snapchatのほかの主要広告製品として、自撮り写真にアニメ風のフィルターをかける「スポンサードレンズ(Sponsored Lenses)」がある。Snapchatは2015年、50万~70万ドル(約5500万〜7700万円)の料金でスポンサードレンズをスタートしたが、最近は70万ドル(約7700万円)以上で販売している、と情報筋は言う。広告主によると、レンズとインタラクティブ動画は、エンゲージメントではなく視聴に対して料金を支払うので、その価値はまだ未知数だそうだ。
こうした新しい広告については、メディアバイヤーからすると、その効果が不明なこともしばしばある。新しいインタラクティブ動画広告のなかには、インタラクション率が10%を下回るものもある、とある広告主は指摘した。
競合と比べて強気な設定
Snapchatのレンズに関しては以前から、ほかのオプションを調べるときに、しばしばユーザーがスワイプして見逃す懸念があった。ある広告主は、かつては1回あたりの視聴時間が平均3秒だったのが、いまでは2秒近くになりつつある。Snapchatは、一定時間が過ぎたあとの視聴に対して料金を請求する。つまり、広告の読込時間も料金に含まれるわけだ。
Snapchatは、この記事についてコメントを避けた。
ブランドは、Facebookとその姉妹サイトであるインスタグラムでは、2セント(約2.2円)未満で視聴を獲得できる。利用するターゲティング手法にもよるが、高くても10セント(約11円)どまりだ。
デジタルエージェンシーであるデジタスLBi(DigitasLBi)のソーシャル戦略担当シニアバイスプレジデントを務めるジル・シャーマン氏は、次のように語る。「FacebookやTwitter、インスタグラムのような非常に強力な動画製品と対決しているなかで、こんなことをすれば、Snapchatにとって微妙な状況になるだろう。キャンペーン後の意識調査で、価格決定モデルの妥当性が明らかになることを願っていると見られる。Snapchatは、自社が強い立場にあり、これはブランドが試したいと思う輝かしい対象製品であると考えている」。
驚異的な効果に愛用者も
一部の広告主は、Snapchatの広告料金には競争力があると述べる。そういった広告主の多くはリピート客で、Snapchatの広告製品を利用して成長してきた。米小売り大手のターゲット(Target)は最近、動画広告の購入を卒業し、ユーザーをショッピングページに誘導するインタラクティブ広告の購入に移行したという。エンゲージメントの水準に仰天したと語る広告主もいるほどだ。
米アドエージェンシーの22スクエアード(22squared)で事業開発担当ディレクターを務めるクリス・タフ氏は 、次のように述べている。「キャンペーンで目にしてきた数字は、認知度の観点からいえば驚異的だ。何百万回も視聴され、ほかのプラットフォームよりも、最後まで視聴される割合が高い。信じられないことだった」。
Snapchatは現在、アドテクを強化しており、キャンペーンの効果に関してブランドにレポートするために、サードパーティの測定会社と提携している。また、提携しているサードパーティのテック企業に向けて、ターゲティングを向上させてもっと効率よく広告を提供するのに役立つソフトウェアも開発しようとしているという。
「昨年の今頃、Snapchatは、ROI(投資利益率)の追跡能力の面で本当に後塵を拝していた。いまは、販売しているものがある程度の実績をともなっており、『広告を追跡して、ターゲティングを向上できる』と言っている」(シャーマン氏)。
Garett Sloane(原文 / 訳:ガリレオ)