Facebookの悪夢のようなニュースフィード改変からまだ立ち直れていないパブリッシャーにとって、Snapchatは救いになるかもしれない。Snapchatは、パブリッシャーのご機嫌取りに本腰を入れはじめた。
Facebookの悪夢のようなニュースフィード改変からまだ立ち直れていないパブリッシャーにとって、Snapchatは救いになるかもしれない。Snapchatは、パブリッシャーのご機嫌取りに本腰を入れはじめた。
1月18日、新たに就任したSnapchatのプラットフォームコンテンツ責任者マイク・スー氏は、パブリッシャーへのeメールで、長年の功労者ジョシュ・ストーン氏が、新たな役職メディアパートナーシップ責任者に就任したことを発表した。ストーン氏の今後の仕事は、ディスカバー(Discover)参加パブリッシャーとの日常的な提携を監督することだ。以前はディスカバー参加パブリッシャーのひとつ、ミトゥ(Mit)の幹部だったスー氏は、これと同時に、初のパブリッシャーサミットの開催を発表し、プラットフォーム上でのパブリッシャーの成功をサポートすることに強い関心を示したと、複数のパブリッシャーが証言した。なお、サミットの詳しい内容や開催日時は明らかにされていない。
「エバン(・スピーゲル氏。SnapchatのCEO)が以前の収支報告で述べたとおり、コンテンツは2018年の3つの最優先課題のひとつです。そして、みなさんのSnapchatでの成功がその核心です。ですから、我々は今後、より積極的にみなさんの成功を後押ししていくつもりです。新たな提携の形を模索し、売上目標の達成を支援し、コンテンツの質の向上とオーディエンスリーチの拡大のために積極的に意見交換やベストプラクティスの実践を行います。もちろん、現在提供しているサポートも継続していきます」と、スー氏はメールで述べた。
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パブリッシャーの不安
パブリッシャーがSnapchatとの関係に対して抱いている不安が、このメールの背景にある。ユーザーのアプリ利用時間は停滞しており、同社はつい先日、コンテンツ部門の24人を一時解雇したばかりだ(ただし情報筋によると、レイオフは組織改革の一環で、Snapchatはいまもコンテンツ部門を増員しているという)。
Snapchatがキュレーションセクションであるディスカバーを創設して3年が経過した。CNN、ピープル(People)、BuzzFeedなど、厳選した数十のメディアをフィーチャーしてきたディスカバーだが、ここ数カ月でCNNとコメディーセントラル(Comedy Central)が撤退。CNNは売上への不満を明かしており、噂ではSnapchatはパブリッシャーの撤退がさらに続くことを恐れているという。ディスカバー以外でも、Snapchatは最近、一般ユーザーのコンテンツとメディアパブリッシャーやブランドのコンテンツを分ける仕様変更を発表しており、アプリでの後者の露出は減少しそうだ。
Snapchatはディスカバーの提携規約を一部変更し、パブリッシャーがこのセクションから得る広告収入を制限できるようにした。Snapchatはメディア企業にTV番組風のコンテンツ制作を促してきたため、テキストベースのパブリッシャーは同プラットフォームでの先行きに不安を抱いている。
本記事の取材に際し、こうした経緯についてSnapchatにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
スー氏によるメール全文
スー氏がSnapchatに加わったのは2017年12月。メディアパートナーシップ部門の設立は、先日のFacebookニュースフィード改変のずっと以前から進められてきたものだ。しかし、Facebookがニュースフィードでのニュースの優先順位を下げると表明したことで、パブリッシャーはいま、よい知らせを求めて右往左往している。
「(Snapchatは)明らかにパブリッシャーに媚びている。彼らにとっては素晴らしい偶然のはずだ」と、メールを受け取ったあるパブリッシャーは述べた。
メールの全文は以下の通り。
ディスカバー参加パブリッシャーのみなさん!
今日は自己紹介と、2018年にはじまるエキサイティングな取り組みについてお知らせしたいと思います!
わたしの役割
私は(Snapchatコンテンツ担当バイスプレジデントの)ニック・ベルのチームの一員として、パブリッシャーストーリーを含むプラットフォームコンテンツとプロダクトを担当します。エバンが以前の収支報告で述べたとおり、コンテンツは2018年の3つの最優先課題のひとつです。そして、みなさんのSnapchatでの成功がその核心です。
ですから、我々は今後、より積極的にみなさんの成功を後押ししていくつもりです。新たな提携の形を模索し、売上目標の達成を支援し、コンテンツの質の向上とオーディエンスリーチの拡大のために積極的に意見交換やベストプラクティスの実践を行います。もちろん、現在提供しているサポートも継続していきます。
ジョシュ・ストーン
取り組みの一環として、みなさんともこれまでたびたび一緒に仕事をしてきたジョシュ・ストーンが、新設されたメディアパートナーシップ責任者の役職に就任します。この役職は、パートナーとともに、戦略的関係を深化させ、ニーズや懸念を理解し、パートナーシップを発展させることを目的に創設されました。ご存知のとおり、ジョシュはSnapchat創業当初からのメンバーで、ディスカバー発足の中心人物でもあります。彼は豊富な知識、当社全体との深い関わり、プラットフォームへの洞察、メディア業界への理解を備えた、この役職に誰よりも適任の人物なのです。
パブリッシャーサミット
もうひとつ楽しみなニュースが、初のパブリッシャーサミットの開催です。日付と詳細は後日発表しますが、このサミットの目的は、パートナーパブリッシャーのみなさんに、我々のプロダクトとプラットフォームについて最新情報を提供し、ベストプラクティスを共有し、フィードバックを聞き、ネットワークづくりの機会を提供することです。今後の数週間で議題設定を行いますので、この機会を最大限に活用するため、ご提案があればぜひお聞かせください!
こうした取り組みは、パブリッシャーのみなさんへの我々のコミットメントを強化するための企画です。こうした機会を通じて、我々は2018年をSnapchatのコンテンツにとって素晴らしい年にしたいと考えています。これからみなさんのことをもっとよく知り、もっと強力にサポートできることを、とても楽しみにしています。ご質問があれば、どうぞお気軽にお尋ねください。サミットの詳細をお楽しみに!
マイク
Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)
Sahil Patel contributed reporting