Snapchat 、インフルエンサー独自のステッカーを導入:「囲い込み」策で攻勢に

Snapchat(スナップチャット)がクリエイターの囲い込みで攻勢を強め、クリエイターメイドのステッカーの導入という次なる策を打ち出した。その前には、「ストーリーテラー(Storytellers)」という、ブランドとトップクリエイターを結びつけ、Snapchat上での広告キャンペーンの展開を促進するサービスをローンチしている。

「我々クリエイターにとって、プラットフォームのネイティブ部分にオリジナルのブランドを取り入れられるのは素晴らしいことだ。Snapchatがクリエイターと提携してこうした機能をリリースするのは、彼らがクリエイターコミュニティーへの投資に前向きであることの表れだ」と、クリエイターメイドのステッカーをリリースしたひとり、マイク・メッツラー氏(ID: Metz044)氏はいう。

こうした取り組みを通じて、Snapchatは長年無視してきたコミュニティーから信頼を勝ち取り、彼らが才能をシェアできる手段を増やすことで、「Snapchatではクリエイターは稼げない」という認識を変えようとしている。ほかのプラットフォーム(とりわけインスタグラム)も、より広いユーザー層と高度な広告ネットワークを、クリエイター向けに提供することを検討するべきときだろう。

配布されるステッカー

先日、ゲイル・オーブ・ペデルソン氏(ID: Geeohsnap)が初のクリエイターメイドのステッカーパックをSnapchat上でリリースした。このパックは、アプリでステッカーの項目を開き、星のボタンをクリックすると見ることができる。

Geeohsnapのステッカーパック

Geeohsnapのステッカーパック

7月29日には、ハリー・ハンブリー氏が生み出した人気キャラクター「ケトニップス(Ketnipz)」のステッカーパックも登場した。ハンブリー氏は以前、インスタグラム(Instagram)でもケトニップスのステッカーを制作している。


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期間限定だよ

今後のラインナップには、サイリーン・キアムコ氏(ID: CyreneQ)の投稿によく登場するオリジナルキャラクター「エル」や、アレックス・リクター氏(ID: decalex)によるカリグラフィー、オードリー・スペンサー氏(ID: cakes1todough1)の猫、先述のメッツラー氏のお気に入りのコーギーなどのステッカーパックが予定されている。

「ストーリーテラー」の試み

今回リリースするクリエイターたちはみな、今年5月にはじめて開催されたSnapchatのクリエイターサミット以来、プラットフォームと共同で新イニシアティブを進めてきた。「ストーリーテラー」のプログラムを思いついたのは、Snapchatのイラストで一躍有名になった、ショーン・マクブライド氏(ID: Shonduras)だと、あるSnapchatの広報担当者はいう。

ストーリーテラーに参加するクリエイターは、マイク・プラトコ氏、マクブライド氏、キアムコ氏、ペデルソン氏、ジョージア・コプター氏の5人だ。かれらは現在、Snapchatの営業チームがクライアントに紹介するクリエイティブパートナーとして、広告制作に参加している。

「まだ、はじまったばかりだが、とてもエキサイティングだ。Snapchat史上最大級のブランドキャンペーンにいくつも参加することができた。そのひとつは、これまででもっとも視聴されたSnapchatキャンペーンになった(ホテルチェーン「マリオット[Mariott]」のリワードプログラムのもの)。新たなブランド契約を結ぶ大きなチャンスだと考えている」と、プラトコ氏はいう。

プラトコ氏いわく、まだブランドからのオファーはないが、それもそのはず、プログラムはまだ7月26日にはじまったばかりだ。

いまや相思相愛の仲?

Snapchat上のクリエイターたちは、かねてからアプリそのものの宣伝をしてきた。たとえば、キアムコ氏が制作にかかわったYouTube動画では、彼女の知人のクリエイターたちが「Snapchatとは何か」をそれぞれに語っている。

ステッカーやストーリーテラーに加え、SnapchatはクリエイターメイドのAR(拡張現実)レンズのPRを通じて、アプリ上でのAR体験を宣伝している。また、ディスカバー(Discover)セクションの提携クリエイターを増やし、これまでの「従来型パブリッシャー枠」という位置づけを変えつつある。先日には、インスタグラムアカウント「FuckJerry」を手掛けるスタジオ「ジェリーメディア(Jerry Media)」が、Snapchat限定の番組をスタートさせた

また、YouTubeが行っているような、広告収益を分配するシステムも試験導入された。

立ちはだかる現実の壁

しかし、こうしたクリエイターへの配慮も、少なすぎるし、遅すぎるのだろうか? インフルエンサーマーケティング企業アイジア(Izea)の最高執行責任者であるライアン・スクラム氏によれば、クリエイターコミュニティーの大半はYouTubeとFacebookにフォーカスしているという。

「クリエイターにもっとも役立つ『つながり』を提供しているのは、いまでもFacebookだと思う」と、スクラム氏はいう。「Facebookは、(ショート動画アプリの)Musical.lyのインフルエンサーにとってもハブとして機能している。Twitterのようなプラットフォームでは流行り廃りのサイクルが短い。そのうえ、Snapchatに活躍の場は期待できない」。

スクラム氏は、Snapchatのクリエイター囲い込みに勝算があるかは疑わしいと考えている。その理由として彼は、マーケターの関心が(とりわけインスタグラムの)マイクロインフルエンサーに向いていること、クリエイター自身が可能なかぎり多くのオーディエンスの目にとまることを望んでいることを挙げる。

「クリエイターにとって、大々的に脚光をあびるのは栄誉なことかもしれないが、それはクリエイター経済全体のごく一部でしかない。現在の成長の究極的な原動力は、マイクロインフルエンサーの台頭なのだ」と、スクラム氏は述べた。

Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)